誰も知らない(クリスマスの思い出)

クリスマスシーズン到来。

親はクリスチャンではないが、母の知り合いがクリスチャンで、勧められてか子供の頃教会に通っていた。

教会では、牧師さんの話を大人と一緒に聞いてから、子供は別に集まって…キリスト教の勉強をしたり、キリスト教のイベントに関する工作をしたりした。学校の友達とは違う、少し年上のお姉さんや、年下の子と一緒に色々するのが楽しかった。

細かい事は良く覚えていないのだけど、このシーズンは思い出深い。
いつもは質素な教会が、赤や緑や金の装飾や、天井に吊るした蝋燭の輪みたいなもの達に彩られていくのはとても素敵だった。

12月24日、夜のミサの前。
教会に通う子供たちは、近所の信者さんのお家を数件周り、玄関先で讃美歌を歌いに行くというのがあった。年末で心なしか賑わっている街の中を、こちらお仕事中ですよ!という感じにぞろぞろあるいて、知らないお家の前で歌うのが楽しかった。学校で合唱倶楽部に入っていて、なおかつ盛大にお調子者である私は、張り切って讃美歌を歌った。そこが集合住宅の廊下であれ。

その後、ミサでも歌を歌ってお仕事終了。

その夜は、一人で夜道を歩いて帰った。街灯の明るさが優しかった。50円を落とした。降ったばかりの雪の上に落ちたので、路面には私の靴跡と丸い円の穴だけで、50円のありかは明らかだった。が、50円はそこには無かった。子供心に不思議で不思議で、辺りも探ってみたけれど50円は見つからなかった。

不思議。という忘れらないクリスマスの思い出。

※今後書きたい話・・・美人な上司の話

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