買いたい?夢がない男
今朝も妙な夢を見た。
いい歳した男が今朝見た夢の話をしてどうすんだ!って、見えないお叱りを受けそうだけれど、まぁよかったら最後まで聞いてほしい。
それはエレベーターの中に閉じ込められるというもの。夢の中の私は当然のように焦り、非常ボタンを押し救助を試みるも、応答がない。そりゃそうだ。だって夢なのだから。はなから夢なんだという意識があったなら、焦ったりもしない。酸素不足からか次第に私は「息苦しさ」を覚えだし――
リアル度数『70』といったところか。日常的にエレベーターは利用しているが、特別な思い入れはなく、まして同様な経験もない。こうした夢を見たのも初めてである。これが何を意味しているのかと思い、例によって早速調べてみると、
エレベーターに閉じ込められる夢は、孤独や孤立の暗示。人間関係がうまくいかず、夢を見た人がひとりきりになったり、周囲から孤立したりして、孤独感を深めることを表しています ※マイナビウーマン調べ
それ、俺やないか! と、またしてもミルクボーイ。‥‥あえて訂正するなら【ひとりきりになったり】ではなく、けっこう前からひとりきりだったのだけれど‥‥。他にも【締め切りに追われる】などといった意味があるそうで、まぁ、あながち間違ってもいない。夢が持つ神秘性に、ますますのめり込んでしまいそう。
ただ、夢そのものに対しては以前から造詣が深く、たとえばフジの「世にも奇妙な物語」ではその手の作品が多く登場する。‥当ドラマは、ここで綴ったこともある光原伸作「アウターゾーン」支持者なら、例外なく好きだと思うが(笑)
数多にある「夢系」作品のなかで、とりわけ筆者が印象に残っているのは、柳葉敏郎らが出演していた「夢を買う男」。
砂嵐が吹き荒れる荒廃した大地。【望みどおりの夢を見させてくれる】という、怪しい老人が営む建物の中へ、噂を聴きつけた主人公が入っていく。物語はそこから始まる。この男の見た夢、選んだ夢が、また何とも‥‥
子育ての仕方をめぐり、ときに激しい夫婦喧嘩をしながらも、あの頃も良かったと‥‥。少々古いネタになるが、平成時代に生まれた某ヒット曲。映し出されていたのは、まさしく【なんでもないようなことが幸せだったと思う】の世界であった。
視聴者はそれが夢(幻想)だと解っている。なのに、胸に迫るのは、ラストで判明する大地が荒廃した理由と、夢の内容が夢ではなく、過去を振り返っていた「事実」であることに気づいてしまうからだ。すべて解かったうえで、男がその夢を望んだワケを知る構図。
自分自身に置き換えたなら、あなたはどんな夢を、どの時代の夢を買うだろうか。過去に遡ってまで「買い戻したい夢」はあるのは、その人が幸せな人生を送ってきたという証左。そうした「夢」を持っている人たちを羨ましく思う。
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