超リアル版「招かれざる隣人」

引っ越しのシーズンである。


先日も隣の部屋に新たな住人が越してきた。マンションの管理人でもない自分が、いちいち把握しているのもどうかと思うけれど、他者と比べ、長い時間部屋に留まっているので、同じフロアに住む人間なら大体のことは判ってしまう。業者が頻繁に出入りしていたり、大量の家具・家電製品が運びこまれれば、結構な物音がするからだ。その様子をときおり「ドアスコープ」ごしに確認している、怪しい私(笑)

今も昔も、ほとんど交流は持たない。少し苦い思い出があるのも起因するが、それはまた別の機会に述べるとしよう。


近ごろ「引っ越しの挨拶」というのはないみたい。ムダに他人と交流を持ちたくないという、現代人の生態を浮き彫りにするかのよう。‥まぁ戸建てやマンションでも分譲なら、また話は変わってくるのだろうが。

筆者が居住するのはオートロック式で、シャレたカウンターキッチンが付いており(うちは単なる物置き場と化している)、そういうこともあってか、女性人気が高い物件。実際、10年以上住んでいるけれど、私の両隣に来るのは9割「若い女性」だった。

壁一枚隔てて「若い女性」が住んでいるのだと思うと、日々悶々‥とは別にならない。というのも大抵の場合、すでにオトコがいる。彼女が一人で住む部屋に上がりこむ彼氏‥‥。なんと理想的なシチュエーションだろう。

男からすればホテル代が浮いて‥じゃなくって逢瀬の場が「カノジョの部屋」、それ自体が興奮(性欲?)を掻き立てる。まったく羨ましいこった。私はそういった体験をほとんどせぬまま、現在に至っている。


‥百歩譲ってそれはいい。いちばん敬遠したいのは「同棲」のカップルだ。たまに彼氏が遊びに来る分には問題ないが、一緒に住まれてはさすがに困る。なぜなら筆者が住むのは、およそ単身者向けに造られたマンションであり、そこまでの騒音対策がなされていない。ふたりで住んだら、単純に考えても生活音が倍になるわけで、わりと迷惑。複数名ならカップルとか関係なく。

以前の隣人がこのケースに当てはまったのだが、当然文句も言えないし、管理者に言ったところで、はぐらされるのがオチである。仕方なく彼女らが出て行くのを、ひたすら待ち続けた。

そこはまぁ、賃貸物件のいいところで、ある程度の年月が経てば勝手に出て行く。‥裏返せば、そんなところに10年以上住み続けている私も、かなり「異常」なのかもしれない(苦笑)

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