ためらいなく?「火星」行きに応じる男

完全のフリーになってからのここ2年ほどで、少なくとも100本以上の映画は見た気がする。むろん、映画館ではなく自宅での観賞オンリーだが。


21日夜にフジテレビで放送していた「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」。あれはひどかった。地球を侵略しようとするエイリアンに抗い、打ち勝って、ハッピーエンディング。何のひねりもない。初代と一緒だった‥よね。全部が全部、全国にいるすべての映画ファンが、そういった美しい終わり方を求めていないのを、いい加減、知ってほしい。

同じ『宇宙もの』でいえば「月に囚われた男」は愉しかった。月で一人、孤独に任務に当たっているという、いかにも筆者好みの作品(笑)。狭い船室のなか、変わりばえのない日々を送る、主人公のサム。そんな彼が『ある重大な事実』を突き止めて‥‥といった「インデペンデンス」と作風はだいぶ異なるのだけれど、観たあとの余韻は「月に」の方が断然上。思考する悦びを、本作品は観賞者に与えてくれる。


月よりはるか彼方遠く、火星を舞台にしたのが、マット・デイモン主演の「オデッセイ」。こちらも当地に一人取り残された宇宙飛行士を描いた作品。この火星への有人探査も近い将来、現実的なものとなりつつある。

ところで、筆者が訊いた話によると、現代での科学では「片道切符」になる可能性が極めて高いのだとか。つまり、行ったっきり、少なくとも生きたまま、地球には帰ってこれないということ。‥火星行きにロマンはあっても、さすがにそれでは躊躇われてしまう人が大多数ではないか。


ある晩、私は真剣に妄想した。自分のようなヒトが、火星へ送り込まれるべきではないかと――

どうせここ(地球)にいても独りなのだし、特段生命を心配する者もいない。それなら火星にいても一緒‥‥。科学者でもない自分が行ってお役に立てる機会は、かなり限られるかもしれないが「現地」からリポートくらいなら送れる。人体実験として用いるのもアリだろう。

映画よろしく環境さえ整えば、火星でのライフに耐えうる、特にメンタル面においての自信が、私にはある。‥ただし、移住の絶対条件が3っ。

其の一、もう地球(日本)の住人ではないのだから、税金の支払い免除。其の二、自給自足が困難な環境のゆえ、十分な食料を事前に確保すること。其の三、暇つぶしに最低限インターネットが繋がるようにはしてほしい。

以上三点。これが約束できれば、私は勇んで火星行きに応じる。‥‥良かったらどなたか、火星の方でお友達になりましょう。

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