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三途の川じゃなくて山門だった話

これは今から約20年ほど前主人が経験した夢のお話です。

発熱からどんどん症状が悪化し、自宅ではどうにもならず夜間救急病院から地元の総合病院へ緊急入院した時のお話です。

肺炎で入院し治療を受けるものの、症状はどんどん悪化し入院3日目でICUへ入ることにまでなりました。その頃既に片肺の2/3が真っ白。どんなに抗生剤を投与しても改善されずとうとう余命宣告まで出され、全身麻酔をかけ人工呼吸器を付け完全管理された中での治療が開始されました。

 もしかしたらこのまま意識戻らない場合が想定されると家族を集めるように医師に言われました。約2週間に渡るICUでの治療中に夫は不思議な夢を見ていました。

🗻山と龍🌕

 ある山道を一人であるいて居るところから夢が始まります。
 群青色の空、夜であろうと思われるが月もなく星も見えない世界。ただ、薄らと見える田舎道を歩いていると、遠くにそびえる山の頂上に光り輝く物が空中に浮かんでいる。
 その光がとても気になり、その場所を目指して前に進んだそうです。 山に近づくにつれて、その光の正体は物凄く大きな龍が悠々とグルグルと輪を描いて頂上でまわっていたことに気がつきました。
 その大きさと、光り輝く姿に茫然と立ち尽くしていたそうです。暗闇の中でその龍🐉を見ても不思議と恐ろしいとは感じなかったそうです。

そして場面が突如切り替わります。

🌕2つの月と山門🌕

 群青色の空に浮かぶ2つの月。いやもしかしたら月に見えているだけで別の星なのかもしれない。気が付いた時には長い行列に混じって並んで歩いていたそうです。歩いている場所はどこかの山間で、ただ自分たちが歩いている道が延々と続いているだけだったそうです。その人の数はとにかく多くて何列も連なり一斉にある場所へと黙々と移動しています。寒くもなく、熱くもなく、‥‥無音の世界だったそうです。

しばらくすると、山門と周囲を柵で封鎖された空間にでたそうです。
入り口はそこしかない様で、一人ずつ入り口で立ち止まりゆっくりと門をくぐって通過していきます。
当然主人は同じように前の人と同じく山門の入り口に立ちました。

すると

「お前はまだやることがあるだろう。もどれ!」
と何処からか声が聞こえ(耳で聴いたというより、頭に直接届いた感じ)次の瞬間目が覚めて病室内にいることに気が付いたそうです。

 全身麻酔で人工呼吸器を付けていた主人は、個室に戻され数日経った頃、自分が死の一歩手前にいたと知り、この夢が臨死体験だったのでは無いかと気が付き夢の話をしてくれました。

今でも鮮明に覚えていて、時々この話を夫婦でします。

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