hana

詩や小説とまではいえない散文のようなモノを書いていきます。

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最近の記事

【詩】友よ

君が僕に届かなくても 僕は君を抱きしめる 強風にもしなやかに揺れて ただ まっすぐに立つその姿に 何度 励まされただろう 物言わぬ君の その振る舞いだけで 僕も 背筋を伸ばすことが出来た 友よ 緑の友よ 酸性雨 君が濡れて 震える時は その葉を この手で包むから 触れた君を汚さないように 僕も 真っ直ぐに立っているから

    • 【詩】神殿の門

      神格化された彼は 地上にいられなくなった 上へ 上へと目指す すべては眼下に 昇る途中に 堕天使 自由意志で墜落したその有様を 少し ほんの少し 羨ましく思いながら 導かれるように 上へ 神殿の門は まだ見えない

      • 【詩】名残

        午前中 降っては止み 止んでは降った 雨のせいかな 今夜は珍しく涼しくて 天の川の 名残が見える その川の流れに乗って 秋が来るのよ 夏とは違う色を連れて 低い湿度に 澄んだ空気が 星を 透明に 瞬かせる 去年ほど 夏は 長くないみたい 薄く 翳る 天の川 移ろう季節 瞼の裏にだけ 残る

        • 【詩】騙す陽炎

          まだまだ暑い街中で 意識が遠のくような 浮遊感 ただただ独りと知るために 歩いた気がする 既視感 だめだめ陽炎に騙されちゃ 近く 遠くに揺れる 存在感 その影を追わずに見送って 明日へと向かうは 使命感

        【詩】友よ

          【詩】空だけ

          君じゃなければ 誰でもいい 荒れた気持ちのままの街 君がいないなら 何もいらない 楽しそうな笑い声と 肩がぶつかる 避けきれない自分の苛立ちが 泡となって 空へ 思わず見上げたその空は 僕の気持ちとは裏腹に 今夜も綺麗 君以外に綺麗と思うものなんて 今は 空だけだ 今は それでいい 君はいないけど 僕は それでも夜空を見上げた

          【詩】空だけ

          【詩】ビタースウィート

          苦くて ちょっと 痛い 今は 通り過ぎるだけの あの町 けれど 子供の私がまだいるように 痛みが血管を駆け上がり 心臓に届く この感覚も 甘く感じられたら 初めて 私は 本当の 大人になる そうしていつか こう言うの 「 甘くて ちょっと 苦い        それが 私の味なのよ 」

          【詩】ビタースウィート

          【詩】願い

          願いはもう 全部叶った 清々しいほど 空っぽ あとはあなたが幸せで ごめん   「 幸せ 」       なんて そんな漠然とした言葉 あとはあなたが 一日の終りにくつろいで 心地よい眠りにつけますように 少し憂鬱な目覚めでも 一日に 数えきれないくらいの微笑みを あとは あなたが 望んだ人生を 歩めますように

          【詩】願い

          【詩】逆光

          逆光で見えない 眩しくて見えない 海があって良かった あなたの好きな子の姿は 残酷なほどくっきり見える 海があって 良かった あの子を見る あなたの姿だけ 逆光で 見えない あなたに 私が見えないように

          【詩】逆光

          【詩】夢色

          私はまだ 夢を見ている 色のない夢に 色を付ける 夢 夢に似合う色を 私はまだ 探している 言葉にも 色がある あなたの色が 私には見える  のに 私はまだ 夢の中 モノクロの 夢の中

          【詩】夢色

          【詩】夜の跡

          懐かしい 夜の匂い 雨の後 湿度が私を引き止める 懐かしい 夜のお祭り ステージを浮かび上がらせる 煌びやかなライトと歓声 懐かしい 夜の跡 もうずっと前に 後ろに もうずっと前から 私の後ろへ 過ぎ去っていた

          【詩】夜の跡

          【詩】水の影

          あつく 暑くなるほど 冷たくなるバスに乗って 小川へ 風の音は 意外と私を疲れさせる 水の音は 激しくてもなんだか静かで 日常の濁りを流してくれる 影さえ映らない透明な水面 揺らさないように そっと去る 振り返ってはいけないよ 影を 置いて行ってしまうから 足元で そう囁く 水しぶき  

          【詩】水の影

          【詩】 約束

          雨上がりの夕空は金色 そして香る 甘い夜 そんな瞬間を 無防備に 受け取れる自由さよ さぁ 解き放とう それだけが 甘い香りを放つ世界との 約束

          【詩】 約束

          【詩】心の扉

          そんなに家族に囚われなくてもいいんだよ それがあなたを 苦しめるのなら 血の繋がりなんて言葉に 縛られなくてもいいんだよ 捨てちゃっても 置き去りにしても どうせ 繋がってるんだし あなたが笑顔でいられる方法を 私も一緒に探すから     閉ざさないで 

          【詩】心の扉

          【詩】森の気配

          人を拒絶する森林 神聖なのか 魔物の住処か そのバリアが透明な時は 神聖 色が付いている時はその逆と 子供の頃 思ってたっけ 大雨が 白く 森を隠すと 恐ろしさが増した 人を拒絶してた森林 新築の家々が立ち並ぶ 綺麗な町並みに その気配を探して いつかの面影と 手を繋いで 歩く

          【詩】森の気配

          【詩】その姿

          入院している患者さんの付添人にも 色んな人がいる その付添人さんが いつも笑顔を絶やさず 穏やかで 静かなオーラを纏っている人の場合 入院している方は もうこれ以上良くなる見込みがない という事が多い 何故 という理不尽さにまず出会い なんとか良くなってほしいという願いを込めて精神と体力を使い 何度となく 諦めと希望に揺れ動き そんな途方もない 感情と現実の間で 泣いたり 声を荒げたり 無 になったこともあったろう その後の あの オーラなんだと思う 何かを超えた人に

          【詩】その姿

          【詩】秘密の色

          空が ピンクとブルーの半分こ 綺麗に分かれてる境目に この世界を生き抜く とっても甘い 秘密がありそう 境目が折り重なる時 ぽつんと浮かぶ一番星 その光を 抱きしめて眠る 触れても 食べても きっと甘い 明日の秘密に近づくために

          【詩】秘密の色