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下書きの下から九番目

「まだ現実に塗れなくていい、真実だけでいい。って余裕あったはずなのになぁ。」


これは完全にお酒飲んだ後に書いてる。恥ずかしい。長く付き合っていた人から急に浮気したと告白されたあとかなぁ。それも一ヶ月くらい経っていたと思う。

お互い違う大学に通っていたし、私は2週間に一回以上会わないように予定を調整していたし(これは後になって気づいた)、彼は寂しがり屋だったし、浮気なんてしているだろうと思っていた。

(浮気っていう言葉を使ったほうが伝わりやすいから使っているだけで、実際に浮気なんて存在してないと思っているんだけど。)

ある日突然、「そこに座って。」と絶望に取り憑かれたような顔で言われた。その表情をみるとなぜか涙が出てきて、「大丈夫?」と聞いた。「浮気した。相手が妊娠しているかもしれない。」と聞いたらもっと涙が出てきた。その時の感情は、うまく言葉にできないな。最初はびっくり。次は悲しくてしかなかった。けど悲しさを感じたのとほぼ同時くらいに、心配する気持ちが出てきた。そんなに悲しい顔されると心配が勝つ!!そして、嫌悪感も怒りも感じなかった。別れたいなんて一ミリも思わなくて、これからどうしていくのかを話した。そんなことが別れる理由になるなんて思いつかなかった。

一ヶ月くらいすぎると、彼がなぜ打ち明けたのか気になって仕方がない。これを機に別れたかったのかもしれない。けどもしそうならば、私のことを全くわかっていない。わかって欲しいなんて思ったことなかったけど、どこかでこれくらいはわかっているだろうと決めつけていたのかもしれない。

私の中で最も有力な彼が打ち明けた理由は、彼なりの誠実さ。である。『彼なりの』。私からすればそれは不誠実だったけど。

そんなことを考えていても、嫌いになることはなかった。養育費の問題が絡んできた時に、うっと黒い感情が浮かんだ。お金は大事。彼のことが好き、相手も私のことが好き、それだけで良かったのに、金銭的な問題を目の当たりにした時に、苦しいな、と思った。そして苦しいと感じたにも関わらず別れるという選択さえも思い浮かばなかった。



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