人生で大切なことは牧凌太が教えてくれた。
なんでもそうだと思うのですが、本当に良い作品に出会ったときって必ずそのあと何かしら行動に移しますよね。
「いい!」と感じたらお金を払う、感動を誰かに伝える、その作品を原動力に仕事や勉学に打ち込む、、、モノじゃなくても人だったりすることもあります。
私も今まで沢山そういうものに出会ってきましたが、まさかここにきて男同士のラブコメドラマに出会える日がくるとは思っていませんでした。
そうです、「おっさんずラブ」。
間違いなく良い作品でした。ブルーレイ予約するくらいに。
そもそも腐女子歴が人生の半分を越えようとしている私ですが、10年くらい前だったらこんなドラマを民放で流すこと自体あり得ないことでした。唐突に腐女子の話が始まるので苦手な方はすみません。
私自身、この世界に足を踏み入れてしまったのは、まだ「腐女子」という名称がようやく一般的に使われ始めた頃。
二次創作に関してはそれ以前から大きな市場があったので、絵と文章(ときどき音声)に関しては不自由ありませんでしたが、当時の私はとにかく動いているBLを見たかった。
「男女のラブコメは大量にあるのになんで男同士はないんだ!!動くBLを見たい!!!!」
そんなことばかり考えていた私に、
「お前が社会人になったら素晴らしいドラマが放送されるんだ。テレ朝を信じて待っていろ。」
と伝えにいきたいです。
そうなんです、だからこそ色んな意味で感動しているし混乱しました。
公式が生み出す男同士のラブコメは本当にすごかった。
たいていこの手のドラマって「BLでしょ?腐女子が喜ぶやつね」と言われ、一部だけが盛り上がって終わるんですが、そうじゃない。
プロデューサーの方も話していますが「単なるBLとして描いたんじゃないな」というのは私にもよく分かったし、「こんな時代がきたのか」と心底感動しました。
まぁ私は、レズビアン・ゲイ作品だったり、ボーイズ・ラブ作品を研究しているわけでもなく、もちろんLGBTのリアルな世界とBLの世界を混ぜて考えることもできないし、、ただただ純粋に趣味として楽しんでいるだけなのですが、さすがにこの作品に関しては時代の移り変わりを実感しました。
で、時代の変遷とかそういったややこしいことはもう置いといてね、このドラマの何がよかったって、いやそりゃ全部よかったんですが....やっぱり牧ですよ。まき、MAKI。はるたんも最高でしたが、、私は牧凌太に出会えて本当に良かったです。
牧の表情とかセリフすべてに春田への愛が詰まっていて、見ている私もなんかもう生クリーム1キロくらい食べたんじゃないかってくらい、いやそれ以上の感覚に陥りました。春田へのとめどない愛!!!
牧に対する春田の愛も負けず劣らずでしたが、このドラマを見て、牧を見て、大袈裟じゃなく「人を愛することの尊さ」に初めて気がつきました。そう、初めてな。
カトリック系の学校に通っていたので「愛されるよりも愛することを...」という聖書の教えを受けていたはずなんですが、ほんっとなんにも分かってなかった!!
いとおしそうに「春田さん」を連呼する牧に「あああ牧牧牧いいいい!」と悶える一方で、「今まで私はこんなにも人を愛したことがあっただろうか?」と思うわけですよ。
そして、6話で涙を流しながら好きじゃないと訴える牧、そのあと最終回で春田の告白を見て
「わたしは結局いつも自分が可愛くて、愛されることばかり求めていたんだろうな」
と猛反省しました。
「誰かを愛せること自体がそれはもうはちゃめちゃに幸せなことなんだ」
ということを、私は最終回の春田を見て気付いたけれど、春田もきっと牧から教えてもらったんだと思います。
いやもうね、ここ最近ほんっとに忙しくて色んな事が追いついてない中、いきなりおっさんずラブという爆弾が投下されて精神状態がおかしくなっていたんです。
7週間ぶんの衝撃と感動をひとまずは整理できたので、これを原動力に仕事に打ち込み、恋に励み、がんばります。