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より多くの人に使ってもらいたい。SmartHRの多言語化対応をやっているマルチリンガルマネージャーの話。

こんにちは。はじめまして。
SmartHRのプログレッシブデザインで多言語化対応を担当しているHanです。

私は韓国人で、2007年に留学で来日し、そのまま定住しています。
私みたいに日本で仕事をしている多くの外国籍従業員は日本語と母国語の2言語以上の言語でコミュニケーションができる「バイリンガル」を武器として、母国の製品やサービスをローカライズして日本に販売する、または日本の製品やサービスをローカライズして母国に販売に関わる業務を担当している方々が多いと思います。

このnoteは私が所属しているSmartHRの多言語化対応とその多言語化対応を担当しているマルチリンガルマネージャーという職種についての話です。

ローカライズと多言語化対応、そして弊社の新しいポジションであるマルチリンガルマネージャーの情報が皆様に少しでもお役に立てば幸いです。
(39歳、韓国人のHさん)

*この記事は個人の感想です。効果には個人差があります。

多言語化対応とは?

多言語化対応について簡単に説明すると、特定の言語で表示している文言を別の国の言語に変換して表示する機能です。
皆さんがよく利用する飲食店の外国語メニューやウェブページで表示している言語を変更できる機能があります。

また、日本語を外国語にする、または外国語を日本語にするというよく似た概念ではローカライズがあります。
ローカライズは、簡単に説明すると海外のものを販売する地域に合わせる地域化を意味します。
たとえば、海外のゲームやSlackなど、外国で開発されたサービスを日本に販売する際にサービス内の言語や表現などを日本語にしたり、日本に馴染みがある表現にすることです。

SmartHRは、日本で働いている外国籍従業員もご利用いただけますように、多言語化対応機能を提供しており、今回は、SmartHRのように日本で提供されているサービスを日本語以外の言語を母国語にしている外国語話者が利用できるようにする多言語化対応についての話です。

SmartHRとは?


私が所属している株式会社SmartHRは、人事労務のクラウド型サービスを提供しています。
従業員の入社の手続きや年末調整、雇用契約書などの締結、給与明細や源泉徴収票をWeb上で行うことができるので、管理者と従業員は出社することなく自身のPCやスマホで手続きの依頼や提出、確認ができるサービスです。

今まで従業員の情報を書面での手書きを依頼して、該当書類を回収し、手続きの書類へ手書きで写して捺印を押した後、役所へ提出する業務の負荷をSmartHRを利用して軽減させ、従業員はもちろん、人事労務担当者もより本来の業務に専念できるサービスでございます。

その中でも年末調整については、人事労務担当者と従業員の両方で大変だった経験を持っている方が多いかと思います。
人事労務担当者からすると、全従業員へ書面の配布や該当書類と証明書などの原本を回収して、税務署への提出だけで10月から12月までは通常の勤務時間以外に残業が発生する企業も多いと思います。

また、従業員からも配布された年末調整の書類に対して、どこに何を書けばいいかがわからない場合が多いと思います。
そのため、担当者に問い合わせをする、または誤った書き方をしたことでまた人事労務担当者は従業員への問い合わせの対応や、修正のお願いで業務が増え、対応に時間がかかることで従業員と人事労務担当者の両方で本来の業務に集中できない状況にもなりうります。

SmartHRの年末調整機能は、人事労務担当者は従業員へ年末調整の提出依頼を行い、従業員はご自身のSmartHRのページから年末調整に関わる質問に対して「はい・いいえ」などの選択をするだけで、年末調整の書類を完成し、人事労務担当者へ提出することができます。

従業員は、人事労務担当者からの情報提出の依頼について、オンラインでかんたんに入力&提出ができる、人事労務担当者からは依頼に対して提出された情報をクラウドで確認&承認ができるので手続きへの負荷が軽減され、本来の業務に専念できます。

SmartHRの多言語化対応とは?


日本では多くの外国籍従業員がいて、おそらくこのノートをご覧の皆様の会社でも外国籍従業員がいらっしゃることが多いかと思います。
その外国籍従業員は、基本的に日本の従業員と同様、日本語でのコミュニケーションを行っている方がほとんどかと思います。
ですが、社会生活で使われる文言などには漢字表記が多く、普段使っている言葉でも漢字で書いていると読めなかったり、理解ができない場合が多いです。
そのため、外国籍従業員の入社情報を収集したり、年末調整の書類を提出してもらう際は、担当者が1対1でサポートすることもよくあると思います。

SmartHRではより多くの人に使ってもらうことを目指しており、日本語に自信がない従業員でも母国語で利用できるよう、画面に表示される日本語を外国語に切替できる多言語化対応機能を導入しています。
そのため、外国語話者でも日本語話者と同じようにSmartHRを利用できます。

もちろん、年末調整も多言語化対応しているので、外国籍従業員も母国語で表示されるアンケートの質問に対して「はい・いいえ」を選択するだけで、年末調整の書類を完成し担当者へ提出することができます。
ご自身の従業員情報に変更があった場合や、母国に海外送金している扶養家族様を追加する必要がある場合は、新しい情報を入力する必要がありますが、こちらの入力画面でも入力する項目名などは外国語で表示されるので、かんたんに入力できます。

SmartHRの年末調整をご利用頂いている企業様からも、導入前は外国語話者従業員の対応で、担当者の業務が大変だったのが、SmartHRの多言語化対応機能を利用することで、外国語話者従業員からの問い合わせが減り、負担が軽減されている、とのお話を頂いております。

SmartHRを導入頂いたお客様の導入事例
多言語対応で外国人従業員の年末調整負荷を軽減。フェアネスな環境へ

SmartHRでは現在、英語、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、ベトナム語、ポルトガル語の6言語に対応しており、今後も言語追加を検討しています。


SmartHRのマイページと年末調整のスマホ画面

マルチリンガルマネージャーとは?


マルチリンガルマネージャーは、外国語話者がSmartHRを利用する際に壁になりそうな箇所を無くすため、多言語化対応プロジェクトを全体的に企画、管理するポジションです。
多言語化対応を行う画面や箇所の選定、文言の翻訳から実装までの管理、関連部署との相談や協業、社内外への共有などの多言語化対応に関わる全ての業務の管理をします。

私もそうですが、外国籍従業員の方々は、日本語を母国語で翻訳、または母国語を日本語に翻訳するといった、得意な言語を使った翻訳業務経験が多いかと思います。
ですが、マルチリンガルマネージャーの業務では得意言語を用いた翻訳だけではなく全体の管理がメイン業務となります。
翻訳やネイティブチェックは外部の企業に依頼し、マルチリンガルマネージャーは翻訳が実装された後に確認や修正を行います。

マルチリンガルマネージャーをやっていて一番大事だと思うのは、弊社のバリューでもある「自律駆動」です。

多言語化対応はマルチリンガルマネージャーの作業だけでは完結しません。社内と社外の色んな方と相談して協業しています。
課題をまとめて、その課題解決に適した部署やメンバーへ相談することで現在の多言語化対応は完成しています。

これからも、多くの方の助力を得ながら多言語化対応の範囲を広げると共に、より使いやすい機能にしていきます。

SmartHRをご利用頂いている方々や、いまこの記事をご覧頂いている方々からのご意見は弊社サービスの改善に繋がりますので、ぜひご意見を頂ければ幸いでございます。

最後に

マルチリンガルマネージャーはSmartHR社内でも始まったばかりのポジションです。
この記事で書いたことも今後メンバーが増えることで変わっていくかも知りません。

それでも「外国語話者がSmartHRを利用するにあたってのカベを無くしていくこと」だけは、今後も変わらないマルチリンガルマネージャーのミッションにしていきたいと思います。

こちらの記事をご覧頂き、マルチリンガルマネージャーに興味をお持ちの方がいらっしゃいましたら、ぜひお話を聞かせてください。
採用情報-SmartHR_マルチリンガルマネージャー


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