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三題放詩⑧

三題噺スイッチというサイトで、ランダムで表示されたお題を使い制作した詩の第八弾。


お題「雪 盆 雨戸」


丸い月
薄雲かかって
淡く射す

雨戸開いて
見上げる空から
ひらりひらりと
雪が舞い散る

盆に注(つ)がれた
酒にひと片(ひら)
落ちては消える
雪を飲み干し

ため息ついては
月を眺めて
過ぎた一日
振り返る


お題「雪 祭り 辞書」


紐解き眺めた
辞書の世界で
「雪」という字を
引いてみた

大気で生まれた
小さな氷が
育って舞い散る
様と載ってた

紐解き眺めた
辞書の世界で
「祭り」という字を
引いてみた

清めて捧げて
感謝して
神仏まつる
儀式と載ってた

それは過ぎ行く
時間(とき)と重なり
人の生きてく
意味と似ていた


お題「野 灰色 背負い袋」


雪の野で
見つけて拾った
「想い」をひとつ
背負い袋に詰めこんだ

雪の野で
見つけて拾った
「希望」をひとつ
背負い袋に詰めこんだ

あてなく旅して
見つけて拾って
灰色世界に
色を重ねた

重ねた色は
次第に増えて
色彩豊かな
世界を生んだ

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