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美的感覚ゼロの美術鑑賞法|エッセイ

誰に強制されているわけではないのですが、半ば義務的に美術館に年に3、4回、通う私の美術館への思いや、鑑賞法をお話ししようと思います。

芸術に疎かったり、絵単体では感動することが難しい人にも新しい趣味として開けるような内容になればと思っています。

それでも美術館に行く理由

美術鑑賞、正直とても難しいと思っています。
美的感覚などの理屈じゃない感覚がないし、そもそも興味の持ち方がわからない、と思っていました。

それでも、私が美術館に行くのは、
①教養として知っておきたい
②中には本当にいい出会いもあると知っている
からです。

教養として知っておきたい、というのは各所で美術は深く文化と根付いていて、本を読んだり、テレビを見たりしていても、どこかで関連が出てくる、直接的ではなくても好きな人が好きと言っている、など間接的に切り離せないものであると感じます。
美術品の魅力を体感できなくても、知っておきたい、と思うのです。

また、本当に感動したこともありました。
中学生の時に、たまたま図書室で手に取ったゴッホ兄妹の話を新書で読みました。
小説仕立てで、ゴッホ兄妹の人生をなぞったものだったと思います。
ゴッホの兄弟愛にとても共感して、その本のラストであった「アーモンドの花咲く枝」の説明箇所では、フィンセントがテオへのお祝いとしてプレゼントした、その状況と思いに深く感動して、それ以来一番大好きな絵になっています。
美的感覚や技術的な知識がなくても、背景や物語を知れば、絵も不思議と輝いて見えました。画家が描きたかったものを背景から推測して、絵を見ながら妄想を広げることができ、さらに思い入れが強くなります。

フィンセント・ファン・ゴッホ「アーモンドの花咲く枝」(どこかの美術館で購入・・・)

なので、少しでも気になった美術館にはできるだけ行くようにしています。
テレビやSNSで目にした、とか友人が行っていた、とかポスターのビジュアルが良かった、とかトリガーはなんでも良くて、普段情報を取りに行かない分、受け身で入ってきた情報は貴重だと思って、行ってみます。

自分なりの鑑賞ルール

ここまで、美術館に行く理由やきっかけについてお話ししました。
これから、鑑賞時のお話をしようと思います。
美術館に行こうという意識は持てているにしても、モチベーションがそこまで高くなく、集中力がもたないので、ルールを決めています。

①1人で行く
②音声ガイドがあればできるだけ借りる
③ポストカードを2枚購入する

です。

①1人で行く

美術館は、できるだけ集中できたほうがいいと思っています。
また、集中するととても疲れます。

完全に自分の都合で、のらりくらりと鑑賞できるに越したことはないです。

②音声ガイドがあればできるだけ借りる

私は、美的感覚がなく、知識もないので、できる限りプロの説明を聞きます。
絵の横にも解説がありますが、音声ガイドの方が臨場感がある感じで、追加情報もたくさんある場合があります。
あとは、ドラマ好きの私としては、俳優の朗読もテンションが上がります。

ただ、最近はまた音声ガイドを全て聞くことがタスクの感覚になってしまい、ガイドがない絵への鑑賞比率が下がってしまったので、たまにはガイドなしも混ぜています。


③ポストカードを2枚購入する

これは、知識を得るだけでは、あまりにも楽しみがないので、美術館に行く腰が上がりにくいことへの対処法です。

ポストカードを最大2枚買うとして、何を買おうか、と考えながら鑑賞をするのです。

こうすることで、鑑賞のモチベーションアップだけでなく、画商になった気持ちを持て、自分と向き合った状態で鑑賞がしやすくなるのもメリットです。写真を撮れず、記録に残しにくい美術館鑑賞の振り返りにも適し、家に飾ることもできます。

色々と考えながら選ぶと、理由づけのところでその絵画が自分の人生に結びついて、自分の言葉で話せるようにもなりやすいな、と思います。それでもこれは難しいと感じますが。

私がこれまで集めたポストカードの一部

おまけ 鑑賞準備

最後に、私が美術館に行く時にいつも気をつけていることを書きます。

①カバン

荷物は、手軽にトートバッグがいいと思います。
美術館に無料ロッカーがあればなんでも問題ありません。
しかし、もしなければリュックやショルダーバックは他の人への配慮から前に抱えておく必要があります。慣れない体勢に疲れる前に、カバンに気をつけています。

②持ち物

持っておくと便利だと思うものです。

・クリアファイル
チケットやポストカード、ポスターを持って帰るためにファイルも持っていくようにしています。(でも、いつも忘れがち。。。)

・現金
音声ガイドは、クレジットカードや電子マネーが使用できない場合があります。多少小銭を用意しておくのは意識しています。(これもついロッカーにまとめて荷物を預けてしまって結局忘れがち。。。)


以上が私の鑑賞法でした。


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