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[12/27シティリーグS2新潟準優勝]ルカリオ&メルメタルGX+ザシアンV+ザマゼンタV[ルカメタザシアン]

新年あけましておめでとうございます。ハムです。

今回シティリーグにて優秀な成績を収めることができたので、記録として記事を執筆することとしました。拙い文章ではありますが、お付き合いいただけたら幸いです。

さて、記事を書くのは久しぶりなので、まずは軽く自己紹介させていただきます。

初めてポケモンカード に出会ったのは2000年のポケモンカード⭐︎neo、競技プレイヤーとしては2011年からで現在10年目です。世界大会で賞金を得ることを眼前の目標に日々精進しております。

直近の実績としては2019年WCS出場、2021年WCS出場内定。

世界大会の話題が多くなりましたが、別の活動としてWCSのカードプールまとめなんかも8年くらいやってます。そちらも機会があればよろしくお願いします。(もちろん今年も作ります!)

少々脱線してしまいましたが、早速本題へと移らせていただきます。

1.シティリーグについて

今回私は2020年12月26日に新潟の朱鷺メッセで開催されたシティリーグシーズン2に参加しました。

本大会の形式は、最大128名の参加者を64名ずつの2ブロックに分け、それぞれのブロックで優勝者を決めるというものでした。

私が割り当てられたのはBブロック、53名での開催でした。

遠征に来たはずなのに知っている名前が散見され、なかなかに厳しい戦いが予想されます。

さて、今回私が使用したのはルカリオ&メルメタルGX+ザシアンV+ザマゼンタVデッキです。

今回はデッキ解説をメインにしようと思っているので、結果を簡単にまとめたものを載せておきます。

ということで準優勝でした。

全体的にマッチ運が比較的良かったのと、あまり事故らしい事故を起こさなかったのに助けられたと思います。

また、マルヤクデVmaxへの勝率が低いのが特筆すべき点です。本来勝てるように構築したつもりでしたが、マルヤクデ側の対策が一枚上手だったと言わざるを得ません。後ほど解説します。

2.使用デッキについて

改めまして、今回使用したデッキリストは以下のようになります。

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ごくありふれたデッキタイプではあるので大まかな紹介は省きますが、ここ最近一部で話題に挙がったクイックボール不採用タイプのレシピです。

このデッキリストに関して、以下の3点にポイントを絞って解説していこうと思います。

・このデッキを動かす上での全体的な考え方(プランニング)

・全体的な考え方を通した上での個別カード解説(構築)

・代表的なデッキに対する立ち回りの考え方(プレイング)

では早速解説に参りましょう!

2-a.プランニング

・何を目指すか

このデッキで戦っていく上で、最も意識していくべき点はなんといっても"相手を詰ませる"ということです。簡単に言ってしまえば相手のこちらに対して有効な手を全て使い切らせる、あるいは有効な手を打てない状態にしてやることです。

つまり、相手がこちらに対しての有効打を全て使い切った、あるいは有効打がなくなった状態になってから初めてサイドを積極的に取りにいく、状況によっては相手の山札切れ(LO勝利)を狙いにいくプランを取っていくことになります。

そのため、アルセウス&ディアルガ&パルキアGX+ザシアンVデッキ(以下三神ザシアンと表記)や、ズガドーンデッキ(以下小ズガと表記)のような前のめりにサイドを取っていきながら勝利条件を目指すタイプのデッキとは異なり、非常に防御的に動くデッキです。

・先攻と後攻について

このデッキは後攻を取るデッキです。理由は以下のようになります。

1.後攻1ターン目からサポートを使って相手の動きに合わせた展開をする必要があるため

このデッキは相手の動きに対応するように動いていく防御的なデッキである点、博士の研究やデデンネGX・クロバットGXのような強いドローソースが入っていない点から先攻を取るメリットが薄いデッキです。

ポケモンを出す、エネルギーを貼るといった動きを安定して行うために後攻を選択してサポートを使っていく必要があるのです。

なお、相手に先攻を与えたことによる弊害はルカリオ&メルメタルGXの"フルメタルウォールGX"によるエネルギー破壊が非常に強力なためさほど気になりません。

2.後攻を取って一気に展開してくるデッキへの牽制

このデッキは先攻を取ったときの動きがどうしても弱くなりがちで、相手が後攻を取って一気に展開してくるタイプのデッキであった場合に対応が遅れてしまうことが多いです。

特に炎タイプのデッキによく採用されるボルケニオンの"フレアスターター"を後攻で使われてしまうと一気にアタッカーが育ってしまう上に、ボスの指令が飛んできてそのままなし崩し的に敗北してしまいます。

・どう動くか

では上記2つのプランニングを踏まえた上でこのデッキの基本的な動かし方を解説します。

このデッキの基本的な動かし方はズバリ、"待つ"と"崩す"のサイクルです。

"待つ"とは、壁になるポケモンやピッピ人形を出しながらザシアンVの特性:ふとうのつるぎや各種サポートを使って手札を潤沢にすること、すなわち"崩す"サイクルのための準備をすることです。

"崩す"とは、"待つ"サイクルの間に見えた相手のプランを文字通り崩しにいくこと、例えばメインアタッカーをザシアンVで潰しにいったり、フルメタルウォールGXを使って相手のプランを妨害することです。

このデッキは、上記の2つのサイクルをうまく噛み合わせることで真価を発揮します。

逆に言えば、この2つのサイクルをうまく遂行できない、させてもらえないデッキを苦手としています。

例えば、エネルギー破壊後の復帰が早いデッキや、こちらの崩しの準備が整う前にこちらの盤面を破壊してくるようなデッキが挙げられます。

2-b.構築

2-aで解説したプランニングをもとに、個別解説をしていきます。

特筆すべき点に絞って解説していこうと思います。

・ルカリオ&メルメタルGX 2枚

このデッキのエネルギー破壊担当です。基本的にフルメタルウォールGXを使うだけの運用なのですが、こうてつのこぶしの50ダメージ+自身の逃げエネ確保の動きもなかなか優秀です。また、状況によってはヘビーインパクトまで撃つ可能性も十分にあるので相手の盤面と自分の手札とをよく見て行動を選択しましょう。

・ザシアンV 4枚

アタッカーというよりはドローエンジンとしての採用の意味合いが大きいです。ついでに鋼タイプとしての恩恵も受けることができ、おまけに強いワザも持っています。必ず初手でベンチに置きたいカードなので4枚採用です。

230ダメージを出せるワザも非常に優秀で、ちょうどザマゼンタVの苦手とするポケモンVを軒並み一撃で倒すことができるので、ポケモンVmax+サブアタッカーのポケモンV・GXのような構築とも渡り合えることができます。

要するにポケモンごと潰せるものすごく強いクラッシュハンマーですね。

・ザマゼンタV 2枚

対ポケモンVmax戦の要となるポケモンです。ワザもかなり優秀で、鋼鋼無で130ダメージを連発でき、特殊エネルギー破壊の効果も付いているのでサブアタッカーとしての運用も期待できます。

・カプ・レヒレ 1枚

対小ズガ専用の最強クラッシュハンマーのような立ち位置です。対小ズガにおいては、小ズガ以外の他のアタッカーはザシアンVなどで対処可能ですが、小ズガだけはどうしても割に合わない戦いを強いられるため仕方なく採用しました。

・マーシャドー 1枚

混沌のうねりを割るためのカードです。グズマ&ハラから無人発電所とキャプチャーエネルギーを同時に持ってくることができるので相性の良いカードです。

また、ベンチに出しておくことでマリィorリセットスタンプ+ワンダーラビリンスなどのスタジアムへの張り替えといった攻撃への牽制にもなる点で個人的な評価は高いです。

・リーリエのピッピ人形 3枚

このデッキにおける最強のカードだと個人的に思っています。あらゆる場面での時間稼ぎやマオ&スイレンの受け皿、ザシアンVのブレイブキャリバーのデメリット解除など非常に多岐にわたる活躍を見せてくれます。

また、相手が完全に詰んでしまっている状態でこちらにリーリエのピッピ人形が2枚以上残っていれば無限に山札を回復し続けることができるのでLO勝利にも一役買うことがあるカードです。

・タッグコール 4枚

このデッキがデッキとしての形を成しているのはこのカードのおかげと言っても過言ではないでしょう。

一般的には2枚程度の採用が多いカードですが、このデッキは博士の研究やクイックボールを採用せずにシロナ&カトレアなどを軸にして手札を整えていくためタッグコールへの依存度が高めです。また、4枚採用にすることでマオ&スイレンを好きなタイミングで使いやすいのもこのデッキのコンセプトに合っています。

・ツールスクラッパー 2枚

くちたけんの登場により、フルメタルウォールGX後の状態であってもザシアンVに鋼鉄のフライパンをつけることができなかった、あるいは相手のツールスクラッパーで剥がされてしまった場合に一撃で倒されてしまうようになってしまいました。

この状態で相手のくちたけんに対処できなかった場合、そのままこちらが崩されて負けてしまうのでそのような事態は必ず避けなければいけません。

また、対三神ザシアンにおいても相手のザシアンVに大きなおまもりを貼られてしまうとこちらから崩すことが困難になり、やはり一方的にこちらが崩されてしまうので必要なタイミングで引いて来やすいように2枚採用としました。

・シロナ&カトレア 3枚

博士の研究を採用していないこのデッキにおいて非常に重要な縦引きドローソースです。タッグコールがそのままこのサポートに化けるのでデッキの安定感が増します。

マオ&スイレンやボスの指令を拾いながら手札を増やしてくれるので崩しのサイクル遂行におけるプランを立てやすくしてくれます。

・グズマ&ハラ 2枚

このデッキにおいては相手の妨害・鋼鉄のフライパンによる耐久力の上昇、ドローエンジンの展開などの最序盤に必要なカードを全てこの1枚で持ってくることができます。

・マチスの作戦 1枚

主に中盤での崩しにおいて、ボスの指令とマリィを同時に使用するためのカードとして採用しています。

また、単純にシロナ&カトレアと相性の良いカードですので、マチスの作戦→シロナ&カトレア→シロナ&カトレアで拾ったサポートのような使い方もできます。

・コーティング鋼エネルギー 2枚

鋼鉄のフライパンはツールスクラッパーで剥がされてしまいますが、このカードはツールスクラッパーのような自然とデッキに入ってくるようなカードとは別に枠を割いて対策しなくてはならないため、対処が困難です。対炎デッキにおいては、鋼鉄のフライパンとこのカードを同時に付けたポケモンをバトル場に出すことで安定感のある戦いができます。

・キャプチャーエネルギー 2枚

グズマ&ハラでポケモンを持ってくるためのカードです。実際のところ、博士の研究無しでただでさえ手札が少なくなりがちな上に、相手の展開に合わせて刺していくポケモンも多いのでクイックボールのコストを支払ってポケモンを持ってくるのはだいぶコスパが悪いです。このデッキのコンセプトを知って練習する上でいくつかパターンを試した結果、クイックボール不採用は納得のいくものでした。

2-c.プレイング

こちらでは、代表的な各種デッキタイプごとの立ち回りを個別に解説していこうと思います。

また、このデッキ視点から見てやられたら嫌だと感じる動きも記載しておきますので対策などの参考にしていただければと思います。

・対三神ザシアン

基本的にはアルセウス&ディアルガ&パルキアGXに対してフルメタルウォールGXを合わせて縛っていくことを軸に立ち回っていきます。

ただし、相手がオルタージェネシスGXではなくアルティメットレイから入って来た場合が少々厄介です。アルティメットレイで裏のザシアンVに鋼エネルギーが3枚ついた状態からの動きの幅が広く、崩しの対応が間に合わないケースがあります。そうなってしまうとこちらの負けが濃厚になってしまいます。

ただし、この状態から動くにはいくつかのパーツを引いてくることが必要なのでフルメタルウォールGX後の相手の引き次第でこちらの勝率が変動する印象です。

ザシアンV同士の戦いでは、いかにこちらのザシアンVを倒されずに、相手のザシアンVを先に処理できるかの勝負になってくると私は考えているので、中盤以降の崩しではこの辺りを意識して立ち回ると良いと思います。

体感的な勝率は有利とも不利とも言えない、なんとも微妙なマッチアップです。

・対ムゲンダイナVmax

基本的にはザマゼンタVを押し付けながら、裏でザシアンVを育ててザマゼンタVを倒そうとするアタッカーに対処していくことになります。マオ&スイレンを大事に使いましょう。

最近のトレンドとしてガラルマタドガスの採用が増えているので、こちらの崩しの遂行速度がやや落ちる点に注意してください。マリィなどで手札を流された後に何も引けなくなってしまうと少々危険です。

体感的にはかなり有利めに見ていいマッチアップだと思います。

・対小ズガ

無人発電所やマリィ・リセットスタンプの妨害がどれだけ刺さってくれるかが鍵になってくると考えています。時間稼ぎにおいてはピッピ人形が前に出ていれば割と安全です。時間を稼ぎながら相手のポケモンV・GXを2体と小ズガを倒す→ジラーチなどのシステムを倒すルート、あるいはポケモンV・GXを3体倒すルートになる想定です。

ウッウVが前に出てきた場合はちょっとラッキーです。攻撃の度に溶接工を要求され、くちばしキャッチもマリィで簡単に流すことができるので比較的時間稼ぎしやすい相手だという印象です。

体感的にはやや不利めに見ているマッチアップです。

・対セキタンザンVmax

最近の構築では、ザマゼンタVに対する対抗手段がネギガナイトVだけだったりと非常に限られており、ザマゼンタVの特殊エネルギー破壊も非常に刺さりやすい相手です。セキタンザンVもアタッカーとしてみるには重すぎるのでほぼ意識しなくても良いでしょう。

ザシアンVも育ててネギガナイトVなどのサブアタッカーを警戒しつつザマゼンタVで戦いましょう。

かなり有利なマッチアップです。

・対ピカチュウ&ゼクロムGX、クワガノンVなどの雷デッキ

無人発電所とマーシャドーを出し、相手のサンダーマウンテンを牽制しながら相手のメインアタッカーにフルメタルウォールGXを当てていきます。

あとはザシアンVを育てて相手を崩していきます。

このマッチアップではマオ&スイレンが非常に重要なカードになるので常に手札に抱えておいていつでも使える状態にしておきましょう。

ピカチュウ&ゼクロムGXは一見ザシアンVで一撃で倒すことができないため厄介に見えがちですが、ルカリオ&メルメタルGXのこうてつのこぶしで30ダメージを与えつつ自身の逃げるエネルギーも確保しておくと次のターンザシアンVで倒せるようになり、かなり戦いやすくなります。

また、終盤のライチュウ&アローラライチュウGXによるリセットスタンプ+タンデムショックによる縛りが強力です。リソースの管理に注意しましょう。

総合的に見て有利めのマッチアップだと思います。

・マルヤクデVmax

マルヤクデVmaxにフルメタルウォールGXを当てる、あるいはヒードランGXを捕まえて縛ることで時間稼ぎをします。

先にダメージを与えられると困るので、できるだけ初手にピッピ人形を前に出してターンを終えたいところです。

基本的に相手のこちらのザマゼンタVへの対抗策がヒードランGXとファイアローVになるので、いかにして先にこれらのアタッカーを攻撃できるかがポイントです。

相手の2体のサブアタッカーを捌ければザマゼンタVへの対抗策が無くなるのでほぼこちらの勝ちです。

そのため他の炎デッキに比べれば勝率は高く、やや有利なマッチアップと判断していました。

しかし、今回私はマルヤクデVmaxと3回戦って2度の敗北を喫しています。

というのも、今回対戦したお二方のデッキにはツールスクラッパーとエネポーターの両方が採用されていました。

これらのカードを的確に使われてしまうと、本来凌げるはずであったターンに崩されてしまい、対応が追い付かずにそのままやられてしまうという事態になってしまいました。

これらの対策が施されている場合、逆にやや不利なマッチアップになってしまったと思います。

これに関してはお二方のデッキが一枚上手だったと言わざるを得ません。素晴らしいです。

3.おわりに

ここまでお付き合いいただき、ありがとうございます。

2位という結果は嬉しくはあるものの、やはり勝ちたかったマッチアップだったので少々悔しさの残る結果だと感じています。

2021年になり、レギュレーションの大幅な変更もあるので、今後もポケモンカードを楽しみながら目標に向かって精進していきたいです。

ではまた、今後もよろしくお願いいたします!さようなら!

また、今回メインの記事は全体的に無料で読めるように設定しましたが、有料部分も設けています。シティリーグ新潟に向けてのちょっとした裏話をおまけで載せておきますので、ほぼ投げ銭のようにはなってしまいますが是非よろしくお願いいたします。

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