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バチェロレッテに学ぶ自信と自尊心の違い

Amazon Primeでバチェロレッテを観た。

バチェロレッテはバチェラーの男女逆転版で、一人の女性が17人の男性の中から一人を選ぶという恋愛リアリティーショー。日本では初めてのバチェロレッテ企画なので、今回のバチェロレッテ(福田萌子さん)が初代となる。
この初代バチェロレッテの福田さんはなんとも初代にふさわしいハイスペックっぷりで、容姿端麗、英語ができるのはもちろん、普通の人だったら面食らってしまうようなちょっと突飛な参加男性の言動もニコニコしながら聞いてくれる。そんでもって媚びを売るようなところはなく、芯が通っているので同性から見ても好感を持てるようなタイプ。そりゃあみんな好きになっちゃう。私も好き。

本編を観ていないと、バチェロレッテの見どころは一人の女性を巡る男性陣のバトルだと思うかもしれないけど、実はそうじゃない(と思ってる)。
本当の見どころは、バチェロレッテの福田さんが男性一人ひとりと語り合い、そしてバッサバッサ斬っていくところ。その斬りっぷりといったら、恋愛リアリティショーではなくてオーディション番組を観ているかのよう。

福田さんは短時間の会話から相手の課題を的確に把握し、言語化することに長けている。めちゃくちゃ賢いんだと思う。そしてそれを真っ向から相手に突きつける。序盤は変わった色物的な男性が多いので、バッサリ切っていく(しかしちゃんと言葉は選んでいる)のは観ていて気持ちがいい。

だけど、後半になると観ているこっちも残っている男性にそれなりに思い入れを持つようになっているので、男性たちが課題を突き付けられるのがちょっとしんどくなってくる。「自分をさらけ出してない」とか言われたら泣いちゃう。ていうか男性陣泣いてたわ。そんな芯の通った彼女なので、結末も良くも悪くも彼女らしいものになっている。

全部見終わってからAmazonのレビューを見ると、なるほどなと思う指摘があった。それは、福田さんは「自信はあるけど、自尊心が足りてないのではないか」というもの。

このレビューを読むまで自信と自尊心を分けて考えたことがなかったので、ここでその違いを書いてみたい。

自信とは、自分が何かをする能力があると信じていること、あるいは自分が正しいと信じていること。
英語にするとたぶんこんな感じ。
”I believe I can do ~~~.(私は~~することができるはずだ)”
”I'm sure I'm right.(私は正しいに違いない)”

一方、自尊心は、自分で自分のことを認める気持ちのこと。
英語にすると、極端だけどたぶんこんな感じ。
”I deserve to live.(自分には生きる価値がある)”
”I like myself.(自分のことが好き)”

日本語の熟語だと似ているけれど、英語にすると結構ちがう。
自信のためには「できる自分」や「正しい自分」が必要だけど、自尊心にそれらは必要ない。「ダメな自分」や「正しくない自分」でも受け入れる気持ちこそが自尊心だから。

バチェロレッテの福田さんは、ハイスペックおぶハイスペック。できる自分や正しい自分を求めて、努力ができ、実現させられるまっすぐな人。「ダメな自分」は許せないから、ダメじゃなくなるために頑張れる人。だからこそ、相手の男性にも望ましい姿を求めてそれを突きつけてしまうのではないか。自尊心が高ければダメな相手も受け入れられたのではないか。そんな内容のレビューを読んで、勝手に決めつけてやんなよと思いながらも、そうかもしれないなと思った。

仕事で新入社員の指導をすることがままある。
これまでの私は自信と自尊心の区別がついていなかったので、ネガティブな言動をする新入社員に対して「自信を持つためにも、結果を出すための行動や工夫が必要だよ」という話をすることがあったけど、まず自尊心を高めてあげる必要があったのかなと、過去の自分の発言を反省した。

ということでバチェロレッテ、おすすめです。

(どみの)

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