アメリカ

『アメリカ』 作 すがの公
<あらすじ>サラリーマンの万太郎 は結婚を決めたくせに、プロポーズもせずにモヤモヤ。そんなある日、万太郎は小学校の卒業文集を見つける。大きくなったら何になりたいですか?「6年3組轟万太郎、将来の夢。、、『アメリカ』、、、ふーん」…アメリカ?

<登場人物>
・メインキャスト(★男性☆女性)
★大人万太郎
★子供万太郎
★佐野
★向日水
★頭良夫
☆ローズ先生
☆綾小路聖子
☆ボロ・アイボ
☆天童よしこ
☆瞳
☆占い師/千太郎/とある犬
・サブキャスト(メインをやっていない役者が兼任)
◎黒柳徹子、AD、タモリ、いいとも青年隊、召使い、クラスのやつ、福留紀夫、山本モナ、野際洋子、間寛平、父、母、ナレーション、いぬ、トラック


00■徹子の部屋

 「徹子の部屋」のBGMがかかり、明。
 徹子と大人万太郎。AD。スタジオのお客さんたち。
 
徹子「1976年にスタート徹子の部屋。司会の黒柳徹子です」
大人「俺産まれてないもんなぁ」
徹子「万太郎さん多方面でご活躍なさってて」
大人「ありがとうございます」
徹子「あれ?もうこんなお時間」
大人「あれ??終わり?」
徹子「お友達紹介していただけるかしら?」
大人「笑っていいともみたいですね」
徹子「お友達紹介していただけるカツラ?」
大人「カツラ?」
徹子「森田一義は徹子の部屋最多出演者です」
AD「(テロップ『37回出演』)」
大人「そんなに!?」
徹子「坂上忍はお嫌い?」
大人「嫌いです」
徹子「それではラストクエスチョンです」
大人「そんな番組でしたっけ?」
徹子「大きくなったら何になりたかったですか?」(右手がひとし君人形)
大人「えー、覚えてな(いなぁ)」
徹子「でれっでれっでんー(没収音)」
大人「なんすかそれ」
徹子「スーパーひとしくん」
AD「(テロップ『クリスタルひとし君、出た!』)」
大人「どうでもいいなぁ」
徹子「世界ふしぎ発見は1986年からです」
大人「長寿番組ー♪」
AD「(テロップ『ほぼ毎回着物』)」
大人「あ!思い出しました!小学生の頃、大きくなったらなりたかったもか!」
徹子「野々村真?」
大人「いえ。ちょっと耳いいですか?」
徹子「はい(ぐりんっと徹子カツラを回し、耳が見えるように)」
大人「(びびりながらも耳打ち)ごにょごにょ」
徹子「え、、?」
大人「あれ?」
徹子「ちょっと止めて!『部屋』止めて!」

 ざわ、ざわわ

AD「(インカム)ハイ、、!止めます!!いったん止めます!部屋!」
スタジオの客(口々に)「止まった!」「部屋止まった!」「生放送だろ」「部屋が!」「38年の歴史が」「徹子の部屋が!」

 徹子、ヅラを取る。

スタジオの客(どよめく)「とった」「とったぁ!」「ヅラとった!」

 徹子、ヅラの中身をだす。
 バラバラっと何かが床に落ち、コロコロ四方八方へ転がる。

大人「ひっ!」

 静まるスタジオ内。

AD「はい触んないで触んないでー。拾わない!おいおまえ取ったろ!」
スタジオの客(思う)「(虫か?)」「(玉?)」「(飴か?)」「(黒いぞ?)」「(黒アメ?)」「(裸で?)」「(黒アメ?裸で?)

 徹子、最後の一粒を落とす。
 コトーーーンッ、、コロコロコロ
 ヅラを戻す。AD、タバコを渡す。

徹子「(スー)部屋、なめてる?(パーーー)」
AD「徹子さんこれ」
徹子「(ADを蹴る)クイズ番組で本気だすな!」
AD「なああああ!」

 黒い玉、また散らばる

徹子「くえ!くえええ!!」

 と、ADを踏みつけ、不思議な玉を2、3個無理矢理食わせる。

大人「なんだろう、あれなんだろう、、」
AD「ぐううあああ!ぐはあ!」
徹子「落ち着いた?」
AD「(かっこよくなった)ありがとうございました」
大人「なんか、スッとしてる」
スタジオの客(くちぐちに)「玉だ」「あの玉のせいだ」「あれなんだ」 
徹子「(玉をかかげると、静まる)」

 間

徹子「あなた(玉)」
大人「勘弁して下さい!」
徹子「ふふふ。冗談よ」

 と、玉をくう

大人「(小声)食った」
徹子「轟万太郎さん」
大人「はい」
徹子「知ってるわあなた」
大人「え?」
徹子「ポストさんま」
大人「ええ?!」
徹子「ポストたけし」
大人「えええ?!」
徹子「ポストおがわ」
大人「おがわ?」
徹子「人気急上昇、飛ぶ鳥を落とす勢いよね。みんな言ってるわ。和田アキ子も道を譲るって」
大人「おれ、そんなに有名ですか?」
徹子「お会いできて光栄ですわ、轟万太郎さま」

 徹子、ひざまずく

大人「え?」

 スタジオの客、どよめく

徹子「あなたの子供の頃の夢、お聞きできるなんて」
大人「あの、黒柳徹子さんっ」

 徹子、よりそう

大人「!!」
徹子「轟、万太郎さま」
大人「これやっぱ、」
徹子「もう一度聞かせてください」
大人「はい?」
AD「このチームのスーパーバイザーは****さんに御願いたしました」
徹子「子供のころ」
大人「これやっぱ夢だな」
徹子「大きくなったら、何になりたかったですか?」
大人「あの・・」
AD「携帯電話の電源をおきりください」
徹子「ほら、おっしゃって」
AD「札幌ハムプロジェクトプレゼンツ」
徹子「轟万太郎さん」
全員「コレカラの人02札幌公演」
大人「あ、、アメリカ」

 曲がかかり、皆ダンス。
 大人向日水から電話が来た。

向日水「いやいやいや。おまえがそやって言ったんだって!証拠もあるぞ。
 このまえ部屋掃除してたらたまたま出てきてさ。おじゃじゃ(笑い声)!
 え?なにって?」

 卒業文章をだす

向日水「小学校の、卒業文集だ!」

 暗

01■転校してきた。

全員「(口でチャイム)きーんこーんかーんこーん!」

 全員小学生となり、騒ぐ。

先生「はーい静かにしてー♪」

 静かにならない

先生「席についてー♪」

 席に着かない

先生「はーいちゅうもーく♪」

 注目しない。

先生「、、、、

 先生、ツカツカと舞台中央手前で遊んでいる男子に歩み寄り、スリッパで殴る。

全員「!!」

 静かに席につき注目する小学生たち。なまらびしっと。

先生「(機嫌悪い)朝の会はじめます
日直「起立!きょうつけ礼っ!!(まるで軍隊)」
先生「おはよ」
全員「(45度)ざいますっ!!!!(まるでヤクザ)」
先生「朝から。小学生に思われたくないわけ。あ、男いないからイライラしてんだ、とか」
全員「(悪寒、さらに下を向見つめる)」
先生「着席」
全員「?(椅子がない)」
綾小路「あの、椅子が無いんですけど」
先生「ふぇ?先生にはカルシウムが無いです(スリップ)」
日直「(まずい)ちゃっ!ちゃくせーき!!」
全員「(恐怖により団結)ガラガラガラー ギイー ガタン ドシーン(それぞれ椅子に座る音を口で。結局、体育座り)」
先生「はい今日はみんなに新しいお友達を紹介したいと思います拍手!
全員「(北朝鮮の拍手。胸より上で拍手。全員合わせて10回)
先生「もっと和やかな拍手~♪」
全員「(なごやかに)ぱちぱちぱちぱち」
先生「転校生が来た朝っぽく拍手~♪♥」
全員(口々に)「え」「まじ?」「おんな?」「イケめん?」(などなど)

 転校生登場。子供万太郎、ランドセル。

先生「はい自己紹介」
子万「ち、父の仕事の都合で転校してきました。と、轟万太郎です」
綾小路「挙手!(挙手)」
先生「委員長の綾小路聖子さん」
向日水「ひゅう!」
綾小路「仲良くなるためには、あだ名が不可欠だと思います」
子万「あだな?!」
全員「おおおお!」
先生「さすが財閥家系のお金もち」
向日水「轟万太郎の、アダナ募集!」
子万「いや、いいです」
全員「(挙手の嵐)はいはいはいはいはいはい!」
先生「じゃあ最近全然見かけない●●●●さん(最近テレビで見なくなった芸能人)」
●●●●「******」
向日水「一発屋!一発屋!」
先生「はい最近テレビで絶好調●●●●さん(最近テレビで売れてる人)」
●●●●「******」
向日水「すきすきすき!」
全員「はいはいはいはいはいはい!!」
先生「超ガリ勉だけどいつも頭の悪い頭良夫君!」
頭良夫「サラとどろきマン」
向日水「ほんとはばか!!!ほんとはばか!!」
全員「はいはいはいはいはいはい!!!」
先生「ハイ!クラス1無口な佐野シロー君」
佐野「、、、」
向日水「なんか言ってー!」
全員「はーいはいはいはいはいはいはいはいはい!!
向日水「ハイ!!ハイ!!ハイ!!!」
先生「じゃあさっきからうるさい君」
向日水「よっしゃ~!!!!って先生名前で呼んで!!」
先生「クラス1のあばれんぼう向日水鉄男くん」
向日水「えっとお、まんたろうのまんをとってえー『太郎』」
子万「え?」
向日水「太郎」
子万「なんで一番重要な字とるの?」
先生「いいかも」
子万「よくないよ!!!!」
全員(賛同の様子)「いいかもいいかも」「わりといいかも」「わりとー」「うんうんー」
子万「ちょっと待って!」
全員「(太郎コール)たろう!たろう!たろう!たろう!たろう!たろう!わーーーーーーー」
先生「ハイ(タモリ)」
全員「(しゃんしゃしゃしゃんっ)」
子万「やめてよー!!!!」
全員「キーンコーンカーンコーン(席を立つ)ガタンガタタタ」
子万「ああ!太郎になっちまう!!!」
先生「じゃあみんな『例のあれ』忘れんな!」
全員「はい!」
子万「例のあれ?」
日直「きりーっつ きょうつけ礼」
子万「先生ー!!!!(先生さっさとはけ)」
女子1「トイレ行かない?」
女子2「行くー」
女子3「あたしも行くー」
女子4「あたしも行くー」
子万「あ、集団便所」
男子2「あたしもいくー」
子万「君も行くの?」
男子3「ぼくもいくー」
子万「ボクって言っているのに」

 舞台上には万太郎、向日水、委員長、佐野

向日水「よっ太郎」
子万「もー何とでも呼んでくれよ」
向日水「じゃ」
子万「別の人だろ」
綾小路「お気の毒に」
子万「君が提案したんだ」
綾小路「あたくし綾小路聖子。親は富豪」
子万「言わなくていいよ」

 佐野、子供万太郎をつっつく。

子万「ん?」

 佐野、紙切れを渡す。

子万「何?」

 佐野、にらみつけている。

子万「(読む)『転校生、調子に乗ってんじゃねえよ。佐野より』(向日水に)佐野君って?」
向日水「あいつーっ」

 佐野、遠くの何かの影から片目でにらみつけている。

子万「何が起こっているんだ、、」
向日水「おい!金持ちの娘!『例のアレ』書いたか?」
綾小路「委員長たるもの、いち早くチャレンジ&クリアしましてよ!」
子万「例のあれって何?しゃべり方スゴいね」
向日水「金持ちの娘だもんに!」
子万「『に』ってなんだ?それで割り切れる?」

 佐野、手紙渡す

子万「え?(読む)『おまえ。近づくな。命はないぞ。佐野より』(万太郎、佐野を見る)」
佐野「ふん♪(鼻で笑う佐野)」
綾小路「どうかなさって?」
子万「わかりません」
綾小路「なんでもおっしゃって?転校生に優しくするのは綾小路家の伝承」
子万「言い伝えなんだね。僕はもう疑問を持たない(以後、淡々と)」
向日水「チョップ!!(と、キック)」
子万「凄いチョップだ向日水君」
向日水「だらあ!?おわじゃ!(大喜び。以後新しい必殺技を考え続ける向日水)」
佐野「(手紙渡す)」
子万「はーい『いい気なもんだな女たらし。佐野より』ウン。きりかえきりかえ(綾小路のほうを向く)」
綾小路「例のあれとは宿題ですぞ。担任のローズ先生からですぞ」
子万「先生外人だったんですな」
向日水「ポンチっ(とパンチ)」
子万「すごいポンチだ向日水くん」
向日水「おじゃじゃ!がま!(大喜び)」
佐野「(手紙渡す)」
子万「なになに『放課後屋上で待つ 佐野より』ウン『決闘』だね。何時にしようか?」
佐野「(手紙渡す)」
子万「『5時』すごいね君、先読み先読みだね」
綾小路「ローズ先生の本名は、ましこ」
子万「ですぞですぞっ♪」
向日水「チョックッ!!(チョップとキック)」
子万「チョップとキックでチョックだにー」
佐野「(シャツ型の手紙)」
子万「シャツの手紙だスゴイや佐野君」
綾小路「(なんか変な声で)『卒業文章に乗せるから書いといちぇめ』」
子万「うまいね知らない人の物まね。これ開かないわ(床にたたきつける)」
向日水「ポンチっ(パンチする前に)」
子万「ソレさっきやったしポンチってなんだ」
向日水「(向日水君ショック)あじゃま」
子万「おじゃじゃ」
向日水「がま!(喜び)」
綾小路「はあ?!」
子万「卒業文集って?(この間に佐野から次の手紙)」
綾小路「大きくなったら何になりたいですか?」

 子供万太郎、突然手紙を破く びりりっ!

3人「?!!!」
子万「アメリカ!」

 音楽、がっと前方をにらめつけてなんだかかっこよさげな万太郎。
 綾小路と佐野わけがわからず『訳わからんダンス』をしながら退場

02■大人万太郎とアイボ

 文集がとんできて、キャッチ。

向日水「卒業文集!!(ペラペラ)あ、ここだ
 『大きくなったら何になりたいですか』
 他のやつは普通だぞ?野球選手とかパイロットとか保母さんとか。
 お前くらいのもんだよ、なりたいもの大陸にしちゃったの。
 アホなガキだなー。なりたいもの「アメリカ」。
 、、なんちゅーか、壮大なアホだな。」

 卒業文集を子供万太郎のランドセルに入れ、向日水退場。
 今日上がりとともに楽しそうに大人万太郎(男)登場。
 二人楽しくランドセルを持ち恋人同士のようにくるくる回る。
 突然、手を離す子供万太郎。大人万太郎コケ。曲切れる。

 大量の段ボールを出す。

大人「!!ランドセルだ!!!
 母ちゃん田舎から何送ってきたかと思いきや、ランドセルだ!
 人が引っ越しで物減らしてるってときに。
 (ふってみる)何か入ってる。卒業文集だ!なんてタイムリーなんだ!!
 (パラパラパラ)あっ綾小路聖子!『なりたいもの:看護婦』。
 『好きな言葉:あわれみ』、、、、。
 あ、向日水。『なりたいもの:軍人』『好きな言葉:戦友』
 ・・・・次、つーか俺。えーとと。とかしき、とんま、とけ、とこ・・・轟。あった。
 『なりたいもの:、、、』あほか俺は?
 好きな言葉。、、、?、、?、、
 (読めない文字のような物が書いてある。縦に読んでみたり横に読んでみたり)
 (何とか声に出そうとする万太郎。)あう、、うわえ、ちゃば、、わからん、読めない。
 解読不能。
 ひらがなのようで漢字のようで絵のようで。これなんだっけ、、あ。
 あ、思い出した!これ『自分文字』だ!
 俺だけの『あ』とか俺だけの『の』とか。作った作った!
 自分文字の五十音表!はいはいはいはいーー♪、、、、、あほか俺は?!
 (焦る)え?!おれ、そんなに偏った小学校生活送ってたのか?!
 あ、佐野。『なりたいもの:郵政省の役人』。小学生とは思えんな。
 好きな言葉。?、、、あう、、うわえ、ちゃば、、(自分文字)は!!
 こいつも自分文字だ!!まだ居た!!自分文字作ってる奴!
 おやあ!?!
 よく見ると佐野文字の2文字目と・・・俺文字の4文字目が凄く似ている。
 、、、いや。、、絶対同じだ。
 でことは俺たち自分文字を共有していたのか?!
 いやいやいや!仲悪かったろう。
 ん?!仲の良いお友達『轟君』(ガッカリ)
 (自分のとこみる)『仲のよいお友達』、(ガッカリ)『佐野君』。
 ああああ!
 『どこが好きですか:、、』・・・・・またしても自分文字(がっかり)。
 何を佐野にだけ伝えたんだ!卒業文集を使って!
 しっかりしろよ、子供万太郎!!」

 アイボ登場。

ボロ「ウィーンカシャン。ウィーンカシャン。ガシャン!!ウィンウィーンわん」
大人「アイボ。久しぶりに充電したらまだ動くのな」
ボロ「ウィンガシャドシン、くーんくーん」
大人「ボーナス2回分つぎ込んだんだけどな。もっとかわいらしい奴出たんだよ。すぐ」
ボロ「ガシャンガシャドシン、くーんくーん」
大人「腹減ったってか。今昔のおれ研究してんだよ」
ボロ「シャンシャンシャンシャンシャンシャンシャン、ピーピーピー」
大人「はいはいはいはいはい」
ボロ「ウィウィーン(逆立ち開始)ウィウィーン(出来ない)」
大人「ちょっと静かにしろよ」
ボロ「(逆立ち完成)ワンワンワンワン(みてくれみてくれ)」
大人「うるさいなあ(見ない。背を向けたくらいにして)」
ボロ「ウィーンガシャくーんくーん、ウィーンガシャン。くーん(ちろ)ウィーンガシャウィーンガシャ」

 かわいそうなアイボ退場

電話「ぷるるるるる、、ぷるるるるる、、」
大人「うわ、家電なった。でも今いませんよー。仕事中ですからねー。
 今会社行ってますからねー。しつこい奴は嫌われるよ?(切れる)よしよし。
 このスキに留守電にしちゃえ。久しぶりに触ったな。家電」
携帯「♪♪(携帯着メロ。懐メロ)」
大人「今度は携帯か。メールか?(ぴっ)瞳か、、、
 えーと、『今日、仕事、何時、終わる?』インディアンだ。
 サボったとはいえんしな。今はちょっとお得意先でメール見れない。後。
 結婚ねえ。するんだな俺。はぁ(タメイキ)(文集見る)、、アメリカ」

 さっきの懐メロが転換曲でかかる。大人万太郎文集を持ち、ランドセルを置いてハケ。

03■万太郎の初恋

 子供万太郎ランドセルをしょう。小学生、わらわらと登場。

全員「さああいしょはぐー!!!!じゃんけんぽーん!
 あいこでしょっあいこでしょっ-!!!
 あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!あいこでしょ!!」
向日水「駄目だああ!!きりがねえ!!」
綾小路「別の勝負にしませんこと?!」
佐野「(万太郎に手紙)」
子万「佐野くんが(紙に賛成)『賛成』だって」
向日水「おまえしゃべれー!!」
ともだち1「何で勝負?」
ともだち2「ビームフラッシュ!」
子万「なにそれ?」
向日水「同じビーム出したら負けなんだよわかったな!」
子万「わかんないよ」
ともだち3「さんっはい!」
全員「あんたちょっとばっかねあんたよっりまっしよビームフラッシュ!!
 ビームフラッシュ!!ビームフラッシュ!!!」

 ビームをだしまくる小学生たち。

子万「だめだ!一応ビーム出したけどわけわかんない!」
ともだち4「じゃあこれ!せいのーで!(ゆびすま)」
全員「あー(なっとく)」

 みんな輪になり密集する。客には見えない

綾小路「じゃあ私から。こうまわりで。せーのおで、いち!」
全員「あー(おしい)」
次の人「 せーのーで、にっ!」
全員「あー(あぶないあぶない)」
次の人 「せーのーで、ぜろ!」
全員「あー(なんかびみょーだな)」
向日水&子万「駄目だ!!」
子万「じゃんけんのほうがまだましだ」
向日水「意見があったな心の友よ」
子万「ジャイアン」
向日水「あっちむいてほいは?」
ともだち4「バカじゃねえか?じゃんけんしなくちゃいけないだら?」
向日水「風当たりつええなおい」
子万「いっそのこと順番にホイだけやっていけば?」
向日水「そのつもりだった!」
綾小路「うそおっしゃい」
ともだち5「じゃ、いきまーす」
全員「(みんな一列になる)」
向日水「あっちむいてほい!
次の人「ほいっ」
次の人「ほいっ」
次の人「ほいっ」
子万「すいません、佐野君が微動だにしません」
向日水「ホイしろよおまえよお!!」
佐野「(紙)」
子万「なんでぼくに渡す?」
綾小路「なんですって?」
子万「『多いもの勝ち』」
全員「あー」
綾小路「ネクラメガネのくせにたまにはいいこと言うのね」
佐野「(ちょいちょい)」
子万「『わかってくれるのは綾小路聖子さん君だけだ轟はバカ』ぼくのこと好きなの嫌いなの?」
頭良夫「それでは僕、セリフすくないんで音頭とりまーす!おおいもんがっちおおいもんがちじゃんけんぽん」

 万太郎のみチョキ

子万「あ」
全員「パーが多い~♪(佐野も)」
子万「えええっ?!ずるいよなんか!佐野君今喋んなかった?!」

 全員、子供万太郎に荷物を持たせ、なんか言いながら叩いて退場。
 ローズ登場

先生「あら転校生の太郎君」
子万「万太郎ですローズ先生」
先生「どう?いじめられたりしていない?」
子万「たぶん」
先生「ほんのちょっとしたきっかけがいじめにつながってしまうこともあるわ
 『多いもんがちじゃんけんで荷物持ち電柱2本分の罰』を食らったきっかけで
 イジメがはじまったり♪ね♪」
子万「先生?」

 先生退場

子万「この状況には一つも触れないのか?」

 初恋の相手天童良子登場。メガネをしている。

天童「あ、いぢめられてる」
子万「言葉えらべよ」
天童「隣のクラスに転校してきた太郎君?」
子万「もうあだ名で広まっているのか」
天童「(こける)」
子万「何でこけたの今!」
天童「平気平気いつものことなの。いつもあたし、ころんですりきずきりきずだらけ。鼻ぺちゃなんて気にしないの」
子万「大丈夫?」
天童「やさしい~~」
子万「あ、いや別に」
天童「あたし、天童よし子。よろしくね」
子万「なんか惜しい名前だね。俺、轟万太郎」
天童「もってあげるよ」
子万「え?」
天童「もってあげるよ」
子万「いいよ罰ゲームだから」
天童「持ってあげるってっほら」
子万「いいってっ」

 二人の手と手が触れ合う

子万&天童「あっ」

 その瞬間音楽がかかる(All you need is love/ビートルズ)
 バックダンサーたちが、小さなアメリカの国旗を持って登場、後ろに並ぶ。
 子供万太郎、突然首を切り客席へ向かって。

子万「すきじゃーーーーーーーーーーーー!!!
 それはまるで雷のように。突然の夕立のように。夕立の中の落雷。恋は落雷。
 ラブイズサンダー!ラブラブボンバー!!!(バックダンサーたち、旗を振り始める)
 この胸のときめきは、この心のメラメラは、きっと恋ってやつなんだ!
 僕はその一瞬で気付いたんだ!この恋は終わらないって。
 ずっときっと永遠に続く一生に一度の恋なんだって!
 轟万太郎若干12歳!このとき!!恋の『こ』の字を知りました!!
 姿勢正してえ!!いただきます!!!」

 曲あがり、襲いかかる万太郎。(本気で唇を奪え)
 本気でもがく天童よしこ(うばわれるな)
 突然、曲が切れる。

子万「あ、曲切れた」
天童「ぶしゅ(めつぶし)」
子万「めがめがああああ!!!!!」

 ダンサー退場、向日水、綾小路、佐野、頭良夫、先生は残る

先生「気持ちはわかるわ太郎君。体から始まる恋だってある」
向日水「先生?」
綾小路「あ、さのくんが」
佐野「(ちょいちょい)」
子万「え?」
佐野「(手紙)」
子万「。。(目つぶる)読めにぃよっ!!!!」
綾小路「代わりにあたくしが。
 『あなたは美しい。君はまるで戦場に咲く一輪の薔薇だ。
 聖なる子と書いて聖子。あああなたは松田以上に聖子だ。綾小路さん。
 佐野より』。。ですって。、、、、、?」
全員「、、、?」

 全員、よくわからない間

綾小路「あたくし宛て?!!!(そのまま読み続ける綾小路)」
頭良夫「佐野君、綾小路さんが読むことを予知?」
向日水「エスパーかお前!!エスパー真美か!!高畑さんか!!!」
子万「タカハタさん?」
先生「向日水君!!!(怒った)」
全員「!!(綾小路と佐野以外。佐野は綾小路を見つめている)」
先生「生殖器は十人十色、小ささも個性」
向日水「何言ったんだ先生!?」
天童「そっそれじゃああたし、ピアノのおけいこがあるから、そそくさそそくさ(こけ)」
子万「なんでこけるの!?」
天童「てへ♪あたしたらどじばっかり。ドジでのろまなカメでブス。あっメガネが落ちちゃっ」

 眼鏡を落とし、

天童「、、った♪」

 天童、万太郎を上目遣いで悩殺

子万「どきゅん!!」

頭良夫「メガネをはずすと美少女伝説!」
向日水「こんな近くにあったのか!」
子万「ごめん!さっきばごめん!!僕の中の小悪魔がちょっとイタズラをしたというか、
 でもっぼくっ、いや、俺!!!天童良子さんのことが・・・・!!!!」

 綾小路、告白する。

綾小路「すき」
全員「え?(佐野以外)」
綾小路「好き」

 全員綾小路の目線追う。目線の先には佐野。

全「!!!!?」
佐野「はあ(モテメン風に照れる)」
全員「おおおおおおおおおおおお!???」

 再び音楽、全員曲に合わせてゆっくりと動きだす

向日水「何が起こってるんだああああああああ?」
頭良夫「恋だ~〜これはこいだああああああ~」

 佐野と綾小路出会う、そして恋をする。

天童「ごめんなさあああああい(手を振りはけようとする)」
子万「ぼくの恋はぁああ~~?!」
天童「ごめんなさ(こける)」
むま頭良夫「何でこける-----」
先生「佐野くーん、綾小路さーん(二人の元へ)」
佐野「佐野でええ〜〜〜す」
むま頭良夫「しゃべってるーーー」
先生「女のカラダってねー」
む頭良夫「何おしえてんだー」
子万「待ってぇー僕の恋ー」

 ゆっくりこける天童

子万「ゆっくりコケたーー」
綾小路「みてえ佐野君があー」
佐野、ゆっくりと紙を出す」
全員「自分文字だあ」
佐野「あははははあははははあはははは(万太郎に笑顔)」
全(万以外)「ぜんぜんよめねー(ラブラブダンサー再び)」
子万「僕だけ読めるー!!」
天童「ごめんなさーい」
子万「なぜだーあー」
佐野「あははははあはははは」
子万「なあぁぜ読めるーーーー?」

 曲あがって行く、暗

04■いいとも

 暗のなか曲切れ。

3人「ぽーん(時報)おっひるやーすみはムッキムッキモッチンあっちこっちそっちこっちいいとーもー」

 いいとも青年隊の3人。
 いいとものオープニングダンスの練習をしている。ダンスちっとも合わない。

3人「おっひるやーすみはムッキムッキモッチンあっちこっちそっちこっちいいとーもー、でれっでっででーでーん♪」

 タモリ登場

タモリ「いいとも青年隊なめんなよ!!!」
3人「はい!」
タモリ「合わせろ!」
3人「はい!」
タモリ「おれタモリだぞ!」
3人「はい!」
タモリ「(自分の髪の毛をガッとつかむ)地毛!!!!(でもヅラ)
3人「はい!!!」
タモリ「俺の中で、いいともまだ終わってねえから」
3人「はい!」
タモリ「いつでもいけるから!」
3人「はい!」
タモリ「じゃもっかい、さんはい」
3人「お、おひるやーすみはムキムキもっちん(踊りだす)」
タモリ「あのさ、お前らにとっての、『ムキムキもっちん』ってなんだ」
A「えっと・・・・ムキムキ(ムキムキっぽい形)」
BC「もっちん(命のポーズ)」
タモリ「それ命だろう」
BC「 すんません!!!」
タモリ「もっかい」
3人「お、おひるやーすみは、ふフンフンフンフモッチン」
タモリ「ちょっと整理しろ!」
3人「はいっ!!!(離れて相談する)」
タモリ「ったく最近の青年隊は。あ(客いじり)お客さん」
お客「、、」
タモリ「あれだよ、ちゃんと言ってよ?『そーですね』って。それ言いに来たんでしょ。
「そーですね」って。わかった?お客さんが言わないと、後ろの人みんな言わないからね」
お客「、、、」
3人「もしょもしょもしょしょ(まだ相談中)」
タモリ「まだか!!!」
3人「すいません!!(相談相談)」
タモリ「(再び客いじり。同じ人)あ、あとあれだよ?
 最後にタモリが『明日もまた見てくれるかな?』って言ったら、
 『いいともー』とこう、手を高々と突き上げる。ちゃんと言ってよ?心から。
 『明日も見るぞ』って気持ちで、『いいともぉ!』ね。おっけー?
 お客さん言わないと、後ろのみんな言わないからね、うん。」

 青年隊整列してる

3人「お願いします!!!!」
タモリ「じゃ、本番!」

 SEぽーん。音楽がかかる

曲 「お昼やーすみは『ムキムキもっちん』♪(明らかな吹き替え。ここだけ。)」
タモリ「おい、明らかに声入れたろお!!」
曲「あっちこっちそっっちこっちいいっともー」
タモリ「踊りちがわねえか?」
曲「お昼やーすみは『フンフフフンフン♪(吹き替え)』」
タモリ「だからよお!!!」
曲「あっちこっちそっちこっち『いいともー(吹き替え)』」
タモリ「変える必要ねえだろ!そこ!だめだこんなもん(帰ろうとするけど)」
曲「でれっでっでっでーでーん」
タモリ「(登場)あ(身体に染み付いてる)」
A「はろぉ、ふっふー」
タモリ「覚えろよだから!!」
B「アーウィンおまたーせー」
タモリ「自信あるとこだけ言うな!帰る!(帰ろうとするけど)」
C「ごきげんななーめは、まあっすぐにー」
タモリ「イエイ」
ABC「イエーイ」
タモリ「あ、しまった」
A「はろお、ふっふー」
タモリ「覚えろっての!」
B「ごきげんいかーがー」
タモリ「昨日までのガラクタをー処分処分」
ABC「好きよムキムキもっちん(命)」
タモリ「古すぎてわかんないだろ『命』!」
A「時間通りにふふっふんー」
タモリ「覚えろ!!」
ABCタモリ「笑っていいともムキムキもっちん』」
B 「今日は駄目でも」
タモリ「だめだ!だめだめ!♪いいともろーう」
C「きいっと明日は」
タモリ「だから俺は帰、、♪いいともっろーう」
ABCタモリ「いいともいいともーいいとーもーろーでれっでっでっでっでっでっででーでれーでん」

 (ラストは全員なまらそろっている。全員「命」で決め)

ABC「(テレフォンショッキング音)テコテンテコテンテンテンテーンてれてててれてててってってーん」

タモリ「あついですね(さっきの客をちら)ちっ(舌打ち)」
お客「!!(多分言わない)」
ABC「 (お客にものすごい早さで駆け寄り)お願いします!!」
A「これ、『いいとも』なんで!」
ABC「 お願いします!!」
B「もりたかずよしアワーなんで!」
ABC「お願いします!!!」
C「タモさんまだやる気あるんで!」
ABC「お願いします!!!」
タモリ「じゃ、はい。暑いですね」
ABCタモリ「(客を見つめる)」
A「(小声で)そーですね」
B「(小声で)心から」
C「(小声で)そーですね」
お客「(多分言う)、、、、、、そーですね」
ABC「タモさん!!!(言いましたよっ)」
タモリ「(言ってくれたか!!)大きな耳にながーいおはな、なーんだ?」
ABC「(小声)パオンパオーンパオん(ヒントを出してあげる。もう結局、象の物まねをする)」
お客「(多分言う)象ですね」

ABC「タモリ「(はくしゅ)その通り!!!!(拍手拍手)」

 大人万太郎登場

大人「強要すんなよ!!!!可哀想にドキがムネムネしてるよきっと!」
A「どれ、ムネムネ(と、左乳を触ろうとする)」
BC「(殴る)」
大人「本日はどうも」
全員「すいませんでした(深々と礼)」
大人「タモリ、ほら紹介しろよ俺を」
タモリ「あ。すいません」
大人「こっちも忙しいのに朝からはいってんだからさあ」
タモリ「どーもすいやせんへこへこ」
A「タモさんがへこへこしてる!」
タモリ「えー昨日の黒柳徹子さんのお友達で」
大人「別に友達じゃねえよ徹子」
タモリ「すいません、ではどのような?」
大人「舎弟」
タモリ「えー、はい、黒柳徹子さんのお師匠で(ちら見『これでいいすか?』)」
大人「なんでもいいよ森田」
タモリ「轟万太郎さんです!!(ぱちぱち)ほらあ!!!(お前らも拍手しろよABC)」
ABC「あ(拍手)」
A「(拍手しながら)すげえタモさんびびってるよ」
B「(拍手しながら)森田呼ばわりしてるぞ」
C「(拍手しながら)大物なんだ大物」
タモリ「(はくしゅー)(ぱん、しゃんしゃんしゃん)」
大人「よけえなことしてんじゃねえぞこらあ!!!」
タモリ「すんません!!!!」
大人「おい」
タモリ「はい」
大人「あれやってくれよ」
タモリ「あれ?」
大人「あれっつったらあれだろお」
タモリ「わかんないっす」
大人「イグアナだろうがああ!!!!(ばんっと切れる)」
ABCタモリ「え。?」
タモリ「でもあの・・・・」
大人「なんだ?できねえのかこんにゃろお!!(席を立つ)」
A「イグアナって、、」
B「タモさんが封印した、、」
C「・・・わざとだ」
AB「え?」
C「知っててわざとやってるんだあの人」
タモリ「そんな」
ABC「むごい!!!」
大人「やれっていってんだよおおお!!花という花をぐわっシャーン!!!」
ABC「ああっ!(そでから花についている『祝!ご出演』のプラカードとんでくる)」
タモリ「やめてください!!」
A「徹子の花が!!」
B「たけしの花が!!」
C「野々村真の花が!!!」
ABC「せんぱい!!!(野々村さんはいいとも青年隊でした)」
大人「さんまあああ!!おいさんまああああ!!!」

 さんま登場。つけ出っ歯

さんま「はい!!はい!!なんすか?」
大人「おい関西出っ歯」
さんま「へえ」
大人「なんでおめえからの花ねえんだよ」
さんま「え?ないすか?そんなはずは」
大人「ねえよ!!ねえもんはねえんだよ!!!」
さんま「あります!!ちょっと待ってください(袖に)」
タモリ「めちゃくちゃだ。 俺の時間が、森田一義アワーが」
大人「おやおや、泣き虫森田が半べそだ」
ABC「幼馴染み!!」
大人「はやくやれよイグアナよお!!!」
タモリ「勘弁してください!!(土下座)」
大人「いいとも復活させてえんだろ?やれ!」

 さんま登場

さんま「ありました、これですっ!!!(しょぼい花を差し出す)」
大人「てめえの気持ちはそんなもんかこらあああああ!!!」

 森田のヅラをはぎとる。出てくる禿げヅラ。ヅラonヅラで準備

全員「ああああああああああ!!!!」
大人「おっといけねえ」
タモリ「やりますから!!なんでもやりますから!!!(ぴょんぴょん)」
大人「おまえのイグアナと交換だ」
タモリ「生放送なんで!生放送なんで!(ぴょんぴょん)」
ABC「タモさん!!!」
さんま「あんた、酷すぎとちゃいまっか?!」
大人「おや、この轟万太郎にたてつく気か?あかしや?」
ABC「さんちゃんっ!!!!」
さんま「やりかたがヒドいっちゅうてまんねん!」
大人「言っちゃうぞー?」
さんま「なにをでっかー?」
大人「言っちゃうぞー?」
さんま「だからなにをでっかー?」
大人「明石屋さんまは東京生まれで東京育ちぃ!」
さんま「ゆうたらあかーん!(どっしぇーをやる)!」
大人「これも(出っ歯を)」
さんま「あわわ」
大人「つけ出っ歯じゃあああ(もぎ取る)」
ABC「うそだあああああああああ!!」
大人「もりたあ!!イグアナぁあああああああ!!!!」
タモリ「はいいいいい!!!!!!!!!!!」

 タモリ、イグアナをする。泣きながら一生懸命。

全員「、、、、、、、、」
大人「、、、、、(ぱち)」
4人「え?」
大人「(ぱち)、、、(ぱちぱち)、、(ぱちぱちぱちぱち)」
4人「、、あ、、(ぱち・・・ぱちぱち)ああ、」
全員「(大拍手パチパチパチパチ)(スタンディングオベイション)」
タモリ「、、、、、、」
大人「やりゃあできるじゃねえか!!・・・タモリ(初めて呼んだ)」

 人が増える

タモリ「ああ!・・・ありがとうございます!!!」
A「感動した!!」
B「なんか感動した!」
C「あの人は大物だ!!」
さんま「万太郎さん!!」
大人「ほらよ、返すぜ(ぽいっ)」
タモリ「(キャッチ。つけでっぱ)、、こっちじゃないんですが」
大人「さ、ショッキングしようぜ」
タモリ「・・・・・はい(つける)」
A「つけた」
B「禿げ出っ歯黒メガネ」
AC「おい」
大人「おまえもすわれ、・・・さんま(ヅラ渡す)」
さんま「はい!!(かぶる)」
ABC「かぶった」
タモリ「じゃ、気を取り直して」
大人「ともだちの、わ!」
タモリ「最近どうですか?」
大人「あ?最近?まあいろいろだな」
さんま「どのような仕事を主に?」
大人「え?仕事?えっとほら」

 不穏な音楽が聞こえてくる。ABCタモリさんま、大人万太郎を中心にをまわりだす。

A「多方面げご活躍されてる?」
大人「いや、えっと・・・うんと・・・」
B「ご結婚されるそうですね」
大人「え?ああ、うん」
C「お相手は女優さんですか?」
大人「いや、女優ってわけじゃ」
タモリ「モデルさんですか?」
大人「いや、普通の、うん」
さんま「どこで知り合ったんですか?」
大人「え、どこって会社のほら、」
A「会社?」
B「大手の会社ですか?」
大人「いや、どうだろう」
C「どこの会社ですか?」
大人「えっと、言っても知らないと思うけど」
タモリ「万太郎さんともあろうお方が?」
大人「まっまあそりゃほら」
さんま「轟万太郎は本名ですか」
大人「うんそうだけど」
A「完全に名前負けですか?」
大人「え?」
B「とどろいてないですよね?」
大人「え?」
C「万の字はいらないんじゃないですか?」
大人「でも」
タモリ「太郎」
さんま「太郎」
A「太郎」
B「太郎」
C「ただの」
5人「太郎」
大人「やめろタモリ」
5人「ただの太郎」
大人「やめろさんま!!」
5人「ただの太郎」
大人「やめろいいとも青年隊!!」
5人「ただの太郎ただの太郎ただの太郎ただの太郎ただの太郎」
大人「やめろお!!!」

 音楽切れ、台詞。

5人「アメリカは?」
大人「え?」

 暗

05■瞳さん。

アイボ「ウィーンカシンウィーンカシンウィーン

 徐々に明。大人万太郎の部屋に腹の減ったアイボ。
 なんかしている。

アイボ「ウィンウィウィウィン?ウィンウィウィウィン!!
 ウィンウィウィウィーン!!ウィ、ンウィ、ウィウィン(笑)」

 家電が鳴る

家電「ぷるるるるぷるるるるる」
アイボ「ウィ(あ、)ウィンウィウィ(電話だ)」

*アイボ、以下、機械音で話す。

留守電「ただいま留守にしております。
 発信音の後にメッセージをお願いします。
 ぴーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー(長い)」

ボロ「長い長い長い」

 婚約者の瞳からの電話。

瞳「もしもし?」
ボロ「はい?」
瞳「もしもし?」
ボロ「はいアイボです」
瞳「いるんでしょ?」
ボロ「いる」
瞳「いないの?」
ボロ「いるって」
瞳「いるの?」
ボロ「うん」
瞳「いないのか」
ボロ「だからいるって!」
瞳「・・・・・」
ボロ「えー、どちらさまですか?」
瞳「瞳ですけど。
ボロ「あ瞳ちゃん、おひさ」
瞳「式の段取りとか、そろそろきめてかなきゃいけないんですけど」
ボロ「段取り?あー結婚?」
瞳「式にだれ呼ぶとか、スピーチだれに頼むとか」
ボロ「あー」
瞳「お色直し何回にするとか」
ボロ「結婚式って大変だよだね」(*煙草を出してすったり)
瞳「発起人だって、あたしの友達ばっかりじゃよくないと思うし」
ボロ「あたしは式あげないかなぁ。ちょっと」
瞳「お前に任すって言われても・・・忙しいのはわかるけど」
ボロ「あいつ?全然忙しくないよ実際」
瞳「・・・・・・連絡ください、あたしからはかけないから」
ボロ「、、、」

 SE ツーツーツー

ボロ「ああ、腹減った」

 アイボ、充電が切れそう。音楽。

06■ボロと出会い、キャベツを食い、牛乳を蹴る。

 照明変わり、子供時代へ
 子供万太郎が登場する

子万「転校初日で初恋。そして初失恋。ついたあだ名はエロ太郎」

 アイボは野良犬ボロに変わる。見つける

子万「お?犬だ。(ちょいちょい)ああ、しんでる(合掌)」
ボロ「死んでねえ!勝手に殺すなガキ」*機械音ではないが、万太郎には通じていないようだ
子万「君、道路の真ん中だぞ?」
ボロ「腹減って1ミリも動けねーの」
子万「汚い野良犬」
ボロ「うるせえ!(立ち上がる)」
子万「わかったわかった。名前をつけてやろう」
ボロ「え?なんで、いいよ」
子万「オス?メス?(確認)」
ボロ「見るな!」
子万「君、毛深いね?」
ボロ「毛深くない!」
子万「あ(嗅ぐ)君、くさいね」
ボロ「くさくない!!いちいち女の子の傷つきそうな事言うな!(万太郎嗅いでる)嗅ぐな!」
子万「名前決定!」
ボロ「ききたくない」
子万「ボロキレ」
ボロ「嫌だ!」
子万「わあ喜んだ!♪」
ボロ「ちがう!」
子万「わん!♪」
ボロ「やだよ!」
子万「わわわん!♪」
ボロ「ボロキレは嫌!」
子万「わわわん!わん!♪嬉しそうだなぁ♪」
ボロ「くそ。言葉つーじねえ。」
子万「でもボロキレってのもあれだな」
ボロ「そうだろ?あれだろ?」
子万「ボロぞうきん」
ボロ「悪くなってる」
子万「わんわわん!嬉しそうだ!わん!」
ボロ「誰か訳せる奴いねえのか」
子万「よーしよしよし(ベタベタ)」
ボロ「気安くさわるなエロガキ」
子万「どうどうどう」
ボロ「馬じゃねえ」
子万「ひっひっふー」
ボロ「どこで覚えたラマーズ法」
子万「おすわり!おすわり!!」
ボロ「するか」
子万「ふせ!布施博!!」
ボロ「だれよ」
子万「おちんちん!」
ボロ「『お』つけんな!メス!」
子万「君、何も出来ないねー」
ボロ「出来るけどしないだけ」
子万「そんなんじゃやってけないよ?野良」
ボロ「ほっとけ!あー余計に腹減った」
子万「パンくう?」
ボロ「!!くう!!なまらくう!!(ビシッとチンチン)ハ!ハ!ハ!」
子万「持ってないけど」
ボロ「ギュルギュルギュルギュルー(倒れ込み、床を叩く)このガキころしたいー
 ちんちんやり損。俺のちんちんかえせよー」
子万「よし!男轟万太郎が、なにかみつくろってきてやる!!」
ボロ「え?ほんと?!」
子万「まってろよ!ボロっ(走り去る)」
ボロ「ボロじゃねえ!!!あ!(思い出した)おい!食べ物には気を使え!!?
 野菜とかやめろよ?!!昨日もキャベツ持ってきた女いたんだ!!」

 綾小路、佐野登場。音楽切れる。

綾小路「居た!小汚い野良犬!!」
ボロ「出たあ!!」
綾小路「じい!じい!!どこなの!居たわ!」

 じい登場

爺「お嬢様、この町で一番の品をご用意いたしました。
 コレ、ここにっ!ここにー!!(ぱんぱん)」
ボロ「やな予感」

 召使い123登場。キャベツ20玉が入った段ボールを持ってくる

召使い123爺「キャベツにございます」
ボロ「やっぱりかああああ!!」
綾小路「犬にはキャベツね」
召使い123爺「(間)犬にはキャベツにございます」
ボロ「まちがってるよ?!」
綾小路「ネコにはキャットフードね」
召使い123爺「猫にはキャットフードにございます」
ボロ「あってるよ」
召使い123爺「馬にはニンジンにございます」
ボロ「あってるよ」
召使い123爺「バッタにはキュウリにございます
ボロ「あってるよ」
綾小路「犬にはキャベツね」
召使い123爺「(間)犬にはキャベツにございます」
ボロ「まちがってるって!!お前ら大人だろ!」
綾小路「まあ。あんなにうれしそうに」
ボロ「話しにならん!!(逃げる!)」
綾小路「逃げるわ!生け捕りにおし!」
召使い123じ(口々に)「かくほかくほかくほかくほ!!!」
ボロ「やめてえ!!」(確保される)
綾小路「ダーリン!お願い」
佐野「(キャベツをアイボの前に)」
ボロ「ハニーの言うなりか!」
佐野「(照れ)」
ボロ「照れんな!せめてマヨネーズ持ってきて〜」

 佐野、すっくと立ち上がり、じいにメモをわたす

召使い「佐野さま?」
綾小路「どうしたの」
じい「キューピーマヨネーズ?」
佐野「(うなづく)」
ボロ「!え?」
綾小路「佐野君の言うとおりに」
じい「一番上等のキューピーマヨネーズを!」
ボロ「言葉がわかるの?」
佐野「ふふん(にやり)」

 万太郎、給食の牛乳もって登場。

子万「こらああ!!よってたかって何をしてんだ!」
召使い123じ綾小路「キャベツを、犬に」
子万&ボロ「バカか?!」
綾小路「犬にはキャベツね」
召使い123爺「(間)犬にはキャベツにござい、、」
ボロ「ちょっと間があったろお!!!」
子万「おまえらおかしいと思ってんだろ」
じい「仕事なんで」
ボロ「ポロっと本心漏らすな!」
綾小路「キャベツは犬を救うのです!」
召使い123爺「キャベツは犬を(間)救うのです!」
子万&ボロ「間があるって!」

 召使い4、マヨネーズもってくる

綾小路「(手を高々と上げ)用意!!
召使い4「マヨネーズです!」
佐野「(うなづく)」
綾小路「(振り下ろす)キャベーーーージ!!!」
召使い4「まよねーーーず!」
ボロ「(泣)ありがとおおお!!」
召使い123爺「きゃべーーーーーーじ!」
子万「ボローーーーーーーーーーーー!!!!

 キャベツを本当に食べさせられるボロ。

綾小路「犬にはキャベツね」
下僕123爺「犬にはキャベツにございます」
綾小路「犬にはキャベツキャベツね」
下僕123じ「犬にはキャベツキャベツにございます」
綾小路「犬犬キャベツ犬キャベツ」
下僕123爺「犬犬キャベツ犬キャベツ」

 綾小路と召使い退場。
 佐野、マヨネーズをおいてはける
 アイボ、ぐったりと横たわっている

ボロ「一番外側。固い。まずい」
子万「大丈夫?」
ボロ「キャベツを千切りにして食ってるお前らに、何がわかる」
子万「(何かしてあげたくてマヨネーズをおく)ボロ」
ボロ「こんなものおおお!!(マヨネーズ袖へ投げる。まずい、横たわる、もー死にたい)」
子万「・・ボロ」
ボロ「なんだよ」
子万「口ん中気持ち悪い?」
ボロ「悪いよ!!今忘れようとしてんだよ!!」
子万「このキャベツどうする?」
ボロ「知らん!お前が食え!!」
子万「え?なに?ボロ」
ボロ「だから、おまえが、食え!(ジェスチャー)」
子万「え?ぼくが?なに?」
ボロ「おまえが」
子万「僕が?」
ボロ「このキャベツを」
子万「このキャベツを?」
ボロ「(がぶり)」
子万「?」
ボロ「(がぶりん)」
子万「はっぷむー(なんか擬音)」
ボロ「(ガブリ、あーおいしかった、おなかいっぱい)
子万「やばい、なんだこのウェスト、くびれがねえ」
ボロ「全然違う!!!!!」
子万「絶対やせる!!」
ボロ「ちがう!!」
子万「やせる!!」
ボロ「全然話がかみ合わない!」
子万「ぜったいきれいになってやる!」
ボロ「もーいいよ。どっかいけよガキ(ねころがる)」
子万「あ、(牛乳)これ」
ボロ「あ」
子万「いる?」
ボロ「いるいるいるいる!」
子万「飲む?」
ボロ「のむのむのむのむ!」
子万「でもこのままじゃのめないもんな?」
ボロ「いや、飲める飲める、ストローいける」
子万「なんか無いかな、空きかんとか」
ボロ「いや、いいいいいいいい!!!そのままで!!」

 袖からちょうど良く、缶蹴りしてるクラスの奴の声

クラス(声「缶けーーーーーーーーーーーった!!!!

 袖からホワイトアスパラの缶登場

子万「すげえ!缶だ!(缶とりに行く)」
ボロ「えええ!」

 向日水登場

向日水「缶どこだ缶。あ!発見!!」
子万「何してんの?」
向日水「いにさしごろなはく10!いにさしごろなはくに20!いにさしごろなはく30!「みりゃわかんだろ!」
子万「わかんないよ
向日水「鬼だろが!!あ、いくつまで数えたか忘れた。バカ!いにさしごろなはくいにさしごろなはくにぬぬぬ100!!!!!」
子万&ボロ「嘘だ」
向日水「よおしこい人間ども!ひとり残らずCANしてやるぜ」
ボロ「鬼だからって人間どもっていうのは違うと思うな」
向日水「お、汚ねえ犬」
ボロ「汚くないぞ!!」
向日水「なんかくせえ」
ボロ「くさくない!!」
向日水「なんかキャベツくせえ」
子万&ボロ「まじで?!」

 クラスの奴、走ってくる

クラス「かんけーったっ!!(かーん)」
向日水&子万&ボロ「あ」
クラス「むこうみずーなまら鬼ーなまらデブー(はけ)」
向日水「ちくしょー!!お前のせいだぞキャベツ犬!!あ、キャベツだ(つかつか)いっただきぃ(ぱく、むしゃむしゃ)誰にも言うなだぜ? いにさしごろなはく10!いにさしごろなはくに20!」
子万「いっただきぃだって」
ボロ「誰にも言うなだぜだって」
向日水「ぬぬぬ200!!!」
ボロ「嘘だ!!!!」
子万「ねえ、ちょっと貸してよ缶」
ボロ「あ!いや!!そのまま飲むって!!」
子万「こいつ腹ペコなんだ」
向日水「わかった」
ボロ「飲み込み早いよ!」

 先生登場

先生「せんせえキーーーーーーーーーーック!!!!(カーン)」
まむボロ「せんせえ?」
先生「むこうみずーなまらおにーなまらブギー!」
向日水「ブギってなんだ!!」
子万「先生も参加?」
向日水「ったりめえじゃん」
ボロ「あたりまえなんだ」
向日水「(缶)さ、つげ」
子万「うむ」
ボロ「ああ!そのままでいいって!!あー!!あー!!!!!
 (衝撃の事実:缶のプリントにきづく)ああ~~~~ホワイトアスパラじゃん~~」

 本当に継がれるミルク。おかれる缶。いい感じの曲

子万「飲めよ俺にかまわず」
向日水「飲め飲め腹ペコ大将」
子万「なんか、いいことしたね」
向日水「うん、いいことしたな」

 とてもいい雰囲気の二人

ボロ「ホワイトアスパラミルクじゃん~~」
向日水「・・・こいつの名前は?」
子万「ボロ」
向日水「ボロ、、か」
子万「いい名前だろ」
向日水「、、だな」
ボロ「いい曲かかってきたし~」
向日水「ボロ」
子万「ボロ」
向日水&子万「ボロ」
ボロ「なんだよこの感じ〜〜〜」
向日水&子万「ボロ」
ボロ「飲まなきゃいけない雰囲気じゃん~~」
向日水&子万「さ、ボロ」
ボロ「うええ(泣)キャベツだけでも十分なのに〜〜」

 ボロ、しぶしぶ向かっていく。
 そこに頭良夫登場

頭良夫「いただきい!!!」
ボロ「頭良夫?」
頭良夫「あ!UFOだ!」
向日水&子万&ボロ「え?」
頭良夫「チャーーーーーーーーーーーーンスッ!」
ボロ「あああ!」
頭良夫「缶蹴ぇえええええええ」

 缶を蹴ろうとすると、スローモーション

向日水&子万&ボロ「よせえええええええええええ!!!!」

 シルエットを残し溶暗。
 暗の中、声がする

頭良夫「った!!!
む子万&ボロ「、、、ああああ・

 *彼がホワイトアスパラ乳を蹴るところは観客は見ないが、たぶん全員、乳まみれ。

 曲上がる。

07■綾小路は看護婦に。

 大人になった綾小路聖子に街で声をかけられた。

綾小路「何年ぶり?!15年?!もっと?
 え?わかんないの?綾小路!綾小路聖子さん!
 転校生のあんたの面倒見てあげたじゃない?
 すぐわかったよ、だって万太郎君全然変わってない。
 小学校の時のまんま!!今何やってんの?あたし?看護婦!
 大変だよ~白衣の天使ってやつも。まあでも、昔っからなりたかったからね。
 万太郎君は?何やってんの?」

08■占い。

 大人万太郎、電車のつり革につかまり立ち寝。大人万太郎、電車に乗っている

電車「がたんごとんがたんごとんがたんごとん」
大人「やめろぉたもりぃ。、やめろぉさんまぁ。、やめろぉ」

 足かくんっ。

大人「!!!」
電車の音「がたんごとんがたんごとんぷしゅーー」
大人「あ、えき、ええと。いいや、おりますおります」
電車「ぷしゅーーーーーーーっガタンゴトンガタンゴトン」

 人がいっぱい歩いている。都会の雑踏。
 占い師がいる。

大人「あーすげえ夢見た。イグアナ見ちゃった。疲れてんな。
 適当に降りたけど、どこだここ??ま、いいか。どっかでコーヒーでも、、」
占い師「悩んでません?」
大人「え?」
占い師「見てみます?」
大人「占いですか?」
占い師「見てみます?」
大人「いやあ、あの、急いでるんで」
占い師「チッ」
大人「したうち?」
占い師「早く引っ越しの荷物まとめた方いいですよ。それじゃ」(退場しようと)
大人「え?なんで知ってんですか?」
占い師「(にこり)」
大人「、、、いくらですか?」
占い師「お気持で」
大人「そういうの一番困るなあ」
占い師「じゃ、二万円」
大人「高いな!!!」
占い師「お気持で」
大人「ちなみに、前にてもらった人はいくらくらい?」
占い師「二万五千円」
大人「上がっちゃったかあ」
占い師「じゃ、こうしましょ。当たったら当たったなりに」
大人「当たらなかったら当たらなかったなりに?」
占い師「最低いくらくらい?
大人「えっとじゃ、これくらい(隠して伝える)」
占い師「うーん。おっけい」
大人「・・・なんだよ」
占い師「クワ!(目を見開き)いま!!」
大人「ギクリ!」
占い師「『ぜんぜん気持ちじゃねえじゃん』と思いましたね?
大人「(ハッ)当たり!」
占い師「右利き左利きどっちですか?」
大人「右です」
占い師「じゃ、左手出して」
大人「へー(出す)
占い師「クワ!(目を見開き)いま!」
大人「ギクリ!」
占い師「『あ、利き手じゃないんだ』と思いましたね?」
大人「(ハッ)当たり!」
占い師「(虫眼鏡でジィイイっと見る。)
大人「いや、そりゃ思いますよ」
占い師「クワ!(目を見開き)いま!」
大人「ギクリ!」
占い師「『おっ♪いい虫眼鏡。俺も欲しいなマイ虫眼鏡』と思い」
大人「それは思いません」
占い師「ちっ(舌打ち)右手出して」
大人「舌打ち(右手出す)」
占い師「あ。これは、、、(じー)」
大人「、、なにか?(じー)」
占い師「毛深いですね」
大人「え?」
占い師「・・・・・・ふう(一仕事終えた感を出す)」
大人「あのお」
占い師「出ました」
大人「なんか出ましたか」
占い師「ま、その調子で頑張ると良いでしょう。小吉」
大人「おわり?!」
占い師「はい」
大人「うそお!?」
占い師「はい、お金ちょうだい」
大人「ちゃんとやってくださいよ!」
占い師「正しく占うには指示に従っていただかなくては」
大人「え、従ってるじゃないですか」
占い師「なぜ左手を出したんです?」
大人「あなたが左を出せって」
占い師「その前!」
大人「あなたが左利きか右利きか聞いたから
占い師「あなたはどっち?
大人「右利きです」
占い師「あなたは左利きです」
大人「え?」
占い師「違いました?」
大人「、、」
占い師「本当は、あなたは左利きです」
大人「俺が。左利き?」

09■いつ見ても波瀾万丈

ジングル「でっでろでーーーーーーーーーーーーでっでっでっでーーーーーーーーーーー!!

いつみても波乱万丈がスタート。福留、野際洋子、間寛平、女子アナ登場

福留「『いつ見ても波瀾万丈』司会の福留紀夫です」
アナ「1992年から2008年まで放送されました」
大人「なつかし!!」
アナ「お・も・て・な・し♪」
全員「おもてなし♪」
アナ「司会の山本モナです」
大人「あたらしい!」
アナ「そしてコメンテーターにはこの方、野際洋子さんです」
野際「元NHKアナウンサー、日本人で初めてミニスカートを穿いた女優です」
大人「へー」
アナ「そしておなじみのこの方、間かんぺいさんです」
寛平「あへ」
大人「それで行くの?!」
福留「さて、今週の波瀾万丈なゲストはこの方をお迎えしております」

 子供のころの写真(明らかに違うとわかる写真)を持ってくる

福留「わかりますか?」
野際「わかりませんねえー」
アナ「分かりますかかんぺいさん」
寛平「あへ」
大人「あへだけで行く気だ」
野際「誰なんでしょう?」
福留「多分日本国民ならどなたでもご存知です」
アナ「わからないですねえ」
寛平「へ」
大人「あぐらい言え」
福留「それではお呼びしましょう、この方のご職業はどれを言ったらいいのか分かりません。
 というわけであえて私福留が、名づけさせていただきました。
 マルチクリエイティブアクトアンドエンターテイメントキラーさん」
大人「長い。キラーさんってなんだ。」
福留「轟万太郎さんです!!どうぞお入りください!」
大人「え?」
オーディエンス「(そでから全員で拍手)」
野際「ほんとに?!」
寛平「(何か一発)」
アナ「来てるんですか?!」
福留「どうぞお入りください!!」
大人「おれ?」
アナ「どうぞこちらへ!!」
大人「は、はい」
野際「はじめまして」
大人「はじめまして」
野際「握手していただけますか?」
大人「え?はい(握手)」
福留「野際さんファンなんですよね」
アナ「かんぺいさんもうれしそう」
寛平「(何か一発)」
大人「喜んでんのこの人?!」
福留「それでは、マルチンクリエイチングエンターテイナープレデンター」
大人「さっきと違うな」
福留「轟万太郎さんの波瀾万丈な人生を振り返ってみたいと思います。が、」
アナ「そのまえにこちら」

 ADボードを持ってきて出す。「アメリカ」

大人「あ」
男以外全員「アメリカ?」
野際「アメリカって国ですよね?」
アナ「留学してたとか?」
大人「えっと」
野際「国籍ですか?」
福留「カンペイさんどう思われます?」
寛平「(何か一発)」
大人「ちがいます」
福留「轟万太郎さんの波瀾万丈な人生を、この言葉に注目してご覧ください」
ジングル「でっでろでーでっでっでっでーーーーーーーーーーん」

 ナレーション登場する。

ナレ「その年の12月31日。轟家では静かなに年越しが訪れようといしていた。

 父母登場

ナレ「轟次郎とその妻花子は、年明けに生まれてくるはずのわが子を思いながら、年越しそばを食べていた」
大人「あの二人、うちの親の役?」
福留「ええ」

 母、お腹が大きい。

父「年越しそばってこしてから食べるのかな花子さん」
母「うちでは毎年越す前に食べていたわ次郎さん」
父「越しながら食べるってのはどうだろうか花子さん」
母「それはいいわね次郎さん」
父「じゃあ我が家のルールその1は」
母「年越し蕎麦は越しながら食え!」
父母「あっはっはっはっは」
大人「ここまで絶対無駄な台詞だ」
ナレ「ゆく年くる年から鳴り響く除夜の鐘」
除夜「ごーーーーーーん(以下、なりつづける)」
父母「あっ」
母「大変!!私は葱を切らなくちゃ」
父「急ごう。僕はどんぶりを出す」
母「新しい年が明けて」
父「初めての共同作業だね」
父母「あっはっはっはっは」
大人「早送りできませんかここ」
母「ネギはネギはっと・・・・(こける。でも大きなお腹をクッションにしてセーフ)」
大人「おいい!」
父「気をつけてよ花子さん」
母「大丈夫よ次郎さん。この子が守ってくれたから」
大人「俺をかばえ!」
福留「このVTRはご両親の証言をもとに制作いたしました」
大人「え?」
母「クッションクッション(はらたたく)」
父「クッションクッション(はらたたく)」
父母「あっはっはっはっは」
ナレ「万太郎は産まれる前から強かった」
大人「ほんと?!」
ナレ「と、そのとき」
母「あ♥」
父「どうした?」
母「蹴った♥」
父「おなかの子が?」
母「あ♥また蹴った♥」
父「(腰に手)こら万太郎」
母「聞こえる万太郎?」
父「花子さんを足蹴にするとは何事だ?」
母「次郎さんったら」
父母「うふーんうふふふーん」
大人「ここも実話?」
父「おしおきチョップ♪(はらチョップ)」
大人「おい!」
母「おしおきチョップ!♪(自分ではらチョップ)」
大人「強いって!」
ナレ「しかし万太郎は攻撃をかわした」
大人「ドラクエか!」
父母「あっはっはっはっは」
ナレ「と、そのとき」
腹音「ぼごっ(小さめに)」
全員「?」
父「なんだい今の音は」
母「わかんない」
腹音「ぼごっ!!(強めに)」

 ど根性ガエルのヒロシのように跳ね上がる花子さん。

父「まさか」
母「蹴ったのよっ(喜び) 」
父「そんなに強くか?!」
腹音「ぼごっ!!!(強めに)」
母「(はねる)蹴った!!」
父「すごい音だぞ?!大丈夫か?!」
腹音隊「ぼごっ!!!!!!(腹音の人たち、増える)」
母「(さらにはねる)ちょっと!蹴りすぎ!!」
父「おい!!おなかの中!蹴りすぎだ!!!」
ナレ「その頃、おなかの中では」
大人「え?」

 おなかの中。子供万太郎登場。

子万「おぎゃあああああ!!(と、蹴りあげる。)」
腹音隊「ぼごっっっ!!!」
父母「蹴りすぎ!!(はねる母)」
子万「さっきのボディープレスはかなり効いたぞおぎゃあああ!」
腹音隊「ぼごっ!!!」
母「(かなり跳ねる)」
父「花子さん!今かなり跳ねた!!」
子万「だれがハネムーンベイビーだこらああ!!!」
腹音隊「ドガっ!!!」
母「(ぴょーん)」
父「だれかとめてくれえ!!
子万「出るとこでるかこらあ!!
腹音隊「どかっ!!!」
母「(ぴょーーーん)」
子万「だせこらあ!!(扉をたたくマイムをする)
腹音隊「(三三七拍子)(*どんどんがパンチ、ボゴが蹴り)
 どんどんボゴ!♪どんどんボゴ!どんどんどんどんどんどんボゴ!」
母「(三三七拍子に合わせて、体がめちゃくちゃにダンスな母)あなたー!」
父「救急車!!」
子万「ておくれじゃーーーーーーーーーーー!!!(ドアを開けるマイム)」
ドア「ガチャ」

 子供万太郎ポケットからハサミのマイム、自分でへその緒を切る

ハサミ「チョキン」
子万「男の子ですよ」
ジングル「でっでろでーーーーーでっでっでっでーーーーーん

 ナレーター、父母子、退場。

福留「・・・・・なるほど」
野際「すいません(泣く)」
アナ「なんか感動(泣く)」
大人「泣くとこ一つもないでしょう」
寛平「あへ」
大人「しゃべれ」

 ADボードを持って来て出す。「早産&未熟児!」

野際「偉大な人間は産まれる前から行動が早いということですかね」
大人「びっくりマーク付ける言葉じゃないよアレ」
福留「こうして轟万太郎さんが世の中にデビューしたわけですが」
アナ「その才能は幼稚園で開花します」
福留「それでは、波瀾万丈パート2」
アナ「VTR」
野際「『坊主憎けりゃ袈裟まで憎い』」
大人「え?なにそれ?」
ジングル「でっでろでーーーーーでっでっでっでーーーーーん」

ナレ「未熟児だった万太郎は、親の心配をよそにすくすくと育つ。
 両親が入園を希望したのは、有名私立幼稚園であった」

 父と子供万太郎登場。万太郎、アホに育っている。ひざに靴。

父「いいか万太郎、大きな声でハキハキと、
 元気いっぱいお返事すれば幼稚園に入れるからな」
子万「おん」
母「キチンと先生の眼を見て話すんですよ」
子万「おん」
父「ほら、おんじゃない、ハイだ。こっちみて。」
子万「おん」
父「パパはそっちじゃない、それ寛平」
子万「おん」
母「万太郎がんばって。しっかりね」
子万「おん(誰かの指を食う)」
父「だから何でもすぐ口に入れない」
子万「くせえ女」
父母「(殴る)」
母「臭くない、あの女臭くない」
子万「鼻毛」
母「(殴る)ない、ママは鼻毛ない。いい?」
子万「おん(指を入れようとする)」
父「鼻に指を入れない」

 幼稚園の先生(女)登場

先生「はい、まずご両親から離れた状態で面接はじめます」
子万「巨乳(指差す)」
父母「(殴る)」
母「巨乳じゃない、巨乳とはいえない」
先生「元気だねーお名前は?」
子万「(指を5本)はっさい」
母「4歳でしょ?ひとつもあってないわよ」
子万「探検!アンダーバスト!(アンダーバストを探検にいく)」
父「(殴る)」
子万「(寛平に)パパ、殴られた」
父「それはかんぺーさん」
先生「何か問題でも?」
母「ちょっと緊張しているみたいで、すいません」
子万「フロントホックが好きな人ー(客席に)」
父「誰に何の統計を取っているんだ万太郎」
母「すみません」
先生「あまりご心配なさらずに」
父母「はい(父母退場しかける)」
子万「よろしくお願いします(客に)」
父母「(走って殴る)すいません(客に謝罪し退場)」

 二人きりになると万太郎の態度が変わる。ひざに靴がついたまま立ち上がる。

先生「お名前教えてくれるかな?」
子万「(かっこよく先生に寄っていく)」
先生「お名前言えないかな?」
子万「先生すげえかわいい」
先生「え?」
子万「あ、ごめんなんだっけ?」
先生「お、お名前」
子万「君は?」
先生「あ、あの。桜木よしこです」
子万「美しい子って書いてよしこ?」
先生「う、うん、そう」
子万「君にすげえぴったり」
先生「あ、ありがとう」
子万「うわまじかっ」
先生「え?」
子万「すげえ目がきれい」
先生「あ、あの」
子万「もてるでしょ、彼氏とかいる?いるよねもちろん」
先生「いや、今は(いない)」
子万「すげえもったいねえ!!!」
先生「!!・・・」
子万「俺だったらぜってえほっとかねえ」
先生「そ・・・そうかな」
子万「ごめん。質問なんだっけ?」
先生「あ、あ、えっと・・・お名前_
子万「俺?いや、僕?」
先生「うん」
子万「次会った時に教えるよ」
先生「え?」
子万「なんかフェアな出会いじゃないから」
先生「キュン」
ジングル「でっでろでーでっでっでっでーーーーーーん」

大人「あれ、俺?」

 ADボードを持ってきて出す「女殺し!!!」

大人「いりませんそれ!」
アナ「幼稚園から魅力がありました」
福留「モテ才能とでもいいましょうか」
野際「万太郎さんすごい!」
大人「いや、どうだったかなぁ」
アナ「今もモテるでしょう」
大人「うーん」

福留「ここである物にご注目ください」
アナ「スタジオに持ってきていただきました」

 水着アシスタント(女)が成績表を持ってきて回る。

大人「お?」
寛平「水着ギャル」
大人「寛平がしゃべった」
アナ「通信簿ですが、野際さん」
野際「すごい!!!オール5です」
福留「さあ誰のでしょうか」
大人「轟万太郎、、」
アナ「これは中学3年生の時です」
大人「うそ?そんなときあったっけ?」

 水着アシスタント(女)退場

福留「さらにこちら」
アナ「お願いします」
大人「お。」

 水着アシスタント(男)が絵画を持ってきて回る。

大人「くそ。アシスタントの質が落ちた」
寛平「ひっこめ!まわるな!けがらわしいんじゃ!」
大人「落ち着いて寛平さん」
アナ「これは万太郎さんが高校3年生で描いた絵です」
野際「上手!」
福留「覚えてますか?」
大人「ぜんぜん」
福留「実はこれ、右手で描いたんだそうです」
アナ「普通じゃありませんか?」
大人「ねぇ」
野際「わかった!まさか、左利きですか?
大人「あ」
福留「そのとおりです!」
野際「まさに現代のダ・ヴィンチ!」
大人「、、あのー」
アナ「ありがとうございました」

 水着アシスタント(男)退場

寛平「走って帰れ走って!」
大人「寛平さん」
寛平「恥を知れ!」
野際「寛平さん」
アナ「番組を続けます」
寛平「アヘ」
福留「モテモテ天才少年轟万太郎はある出来事に遭遇します。パート3です」
アナ「VTR」
野際「江戸のカタキを長崎で討つ」
大人「だからなにそれ」
ジングル「でっでろでーでっでっでっでーーーーーーーーーん」

ナレ「小学校に入学した轟少年、ある日の学校帰りのこと」

 歩いてくる子供万太郎。犬登場

いぬ「わんわん」
ナレ「一匹の犬が車道に飛び出した」
子万「あっ!」
ナレ「そこに1台のトラック」
いぬ「ん?」
トラック「ぶろおおおおおおおおおおおん!!!!」
いぬ「うわああああああああああ!!!!」

子万「あぶうなああああいいいいいいいい」
いぬ「ひいいいかああああれえええるううう」
ナレ「ちっちっちっちっちちっちしょんしょんしょんしょんしょん」
大人「え?スローモーション?」
子万「まんたろおおおおおおおおジャアアアアアンプウウウ」

 男手数人、いそいそ登場、子供万太郎を物理的にゆっくりジャンプさせる。
 以下、万太郎の言葉に従う。

人々「ぷうぷうぷうぷうぷうぷうぷう」
子万「万太郎キーーーーッククウウーーー(キックの形)」
人々「きっくきっくきっくきっく(仮面ライダーのような飛び蹴りの形)」
いぬ「(その蹴りが犬に当たり)きゃおおおおおおおおおおおおん」
人々「おんおんおんおんおんおんおんおん(歩道へゆっくり転がる犬)」
トラック「ぶ・ろ・ろ・ろ(トラックが迫る)」
子万「万太郎おおおバク転てんーーー」
人々「ばくてんてんてんばくてんてんてんてん(なんとか皆でバク転をさせる。)」
子万「しゅたっ(トラックを避けられる位置へ着地)」
トラック&人々「ブロオオオオオオオオオオオン(走り去るトラック。それを首で追う人々)」

 音楽がかかる。『ロッキー/喜びの歌』

人々「(拍手)パチパチアチヒュウヒュウ!」
いぬ「ありがとう!ありがとう万太郎!!」
子万「これからは車道なんざ飛び出すなよ」
いぬ「ごめん、ごめんよ万太郎」
福留「よし、万太郎君を胴上げだ!!」
寛平「よいしょお!」
野際「よいしょお!!!」
アナ「わっしょいわっしょい」

 子供万太郎、胴上げをされる。

ナレ「この出来事を機に轟万太郎は一躍街の有名人となり、TVの取材も殺到。
 持ち前のキャラクターと才能でお茶の間の人気者となり、
 ●●●●君バリに引っ張りだこ(今売れてる人、2002年はえなり君でした笑)。
 バラエティ番組、ドラマ。映画、舞台、はたまた写真集ついでに歌手デビュー、
 息の長いタレントとなる」

 茫然と胴上げされる子供万太郎の様子を見ている大人万太郎

子万「小さいころから僕は常人ではないなと感じてました。
 左利きの人間は世界でも10%程度。天才が多いと聞きます。もちろん僕もその一人。
(かっこよく胴上げから飛び降りる)
 次の夢ですか?そりゃあ、もちろん『アメリカ』です。」
大人「やめろ!!!」

 子供万太郎、大人万太郎に気づく。人々、子供万太郎の親衛隊のようになりついて歩く。

子万「おやおや」
大人「アメリカってなんだ」
子万「・・・
大人「アメリカってなんだ!!」
子万「アメリカはアメリカじゃ」
大人「ちゃんと説明してくれよ!」
子万「おはんはどう思うとるんじゃ?」
大人「え?」
子万「アメリカ」
大人「そんなもん・・・国とか・・・大陸とか」
子万「とぼしいのお?」
大人「なんだと!」
子万「想像力に欠けとるんだわおみゃあ」
大人「なぜ名古屋弁!」
子万「おはん、妄想ばあっかしちょるぜよ」
大人「なぜ土佐弁!」
子万「おはんのようなオトコに、アメリカの意味はわかりもはん!」
大人「各地の方言でしゃべるな!年上だぞ!!」
子万「年上だぞお?!」
大人「なんだ!」
子万「とぼしいのお!!」
大人「なれるわけないだろそんなもん」
子万「頭からなれんと思いこんどる男にはなれんわ」
大人「なんだと!」
子万「夢語れん男はおしまいじゃ」
大人「俺だって!」
子万「俺だって、何?」
大人「仕事だってそれなりにうまくいってる!
 お金だってそれなりにある!毎日それなりに充実してる!
 老後の人生設計だってそれなりに!」
子万「それなりに?」
大人「それなりに!」
子万「あとは?」
大人「あとは、あとは、、、あ」
子万「何?」
大人「結婚するんだよ俺は!!!
 俺は結婚するんだ!
 これで俺は立派な大人だ!
 お前なんかに想像もつかないだろう!
 どうだ!?降参か?なんだ!どうした!」

 子供万太郎、大人万太郎の肩に手を置く

大人「!」
子万「太郎くん」
大人「、、、」
子万「それは『アメリカ』とはいえんわ」
人々「わーっしょい!!わーっしょい!!わーっしょい!!

10■アメリカになりたかった男の子

 場面戻り、人々は街の雑踏に変わる。
 占い師、手相を見ている

大人「卒業文集ってのを見まして。小学校の。
 そしたら将来なりたいものってのがやっぱあって、、、」
占い師「ええ」
大人「『アメリカ』って。我ながらアホなガキですよ。
 みんなちゃんとパイロットとか野球選手とか看護婦とか職業書いてんのに。
 僕だけ『なりたいもの、アメリカ』。
 何を考えてたんだか、全然覚えて無いんです。小学校の話だし」
占い師「アメリカ」
大人「あ、すんませんなんか、余計な話しをベラベラと」
占い師「うらやましいんですね」
大人「、、、、え?」
占い師「ジェラシーなんじゃないですか?」
大人「まさかそんな。子供の頃の自分にジェラシーだなんて」
占い師「アメリカになりたかった男の子なんて、ちょっと素敵じゃないですか」
大人「あの、どっかでお会いしたこと無かったですか?」

 いつの間にか音楽が聞こえている。
 『それとなくわるびれず/WHAT'S LOVE』

11■キャベツ大戦

 子供万太郎登場。

大人「???(光がかわったぞ)」
子万「よーし五時!男轟万太郎到ちゃーーく!」
大人「あれ?」

 佐野、登場

子万「毎日決闘申し込みやがって!」
佐野「(紙を見せる、)『待った?』」
子万「恋人みたいな書き方するな!!さあこい!」
佐野「(紙を渡す)」
子万「『それは、こいつらを倒してからだ』?」
大子万「え?」

 頭良夫と向日水くん登場

頭良夫&向日水「フッハハッハハッハ」
子万「助っ人!?卑怯だぞ!!」
向日水「お主に恨みはないが、佐野さんの頼みとあっちゃ断れないのでな」
頭良夫「ねぇ佐野さん」
佐野「(1000円を渡す)」
頭良夫「前払いかい?いい心がけだ」
大人&子万「買収されてる?!」
頭良夫「ビジネスさ!」
子万「ひきょーもの!!」
頭良夫「行くぜエロ太郎!!」
子万「万太郎じゃー!!!!!」
頭良夫「でいやでいやでいやあああ!!」

 頭良夫あっさりとやられる。

頭良夫「キュウ」
大子万「よわっ!!!!」
佐野「(佐野、頭から金を奪い向日水に渡す)」
向日水「最初からそうしときな佐野さん」
子万「向日水か」
大人「おい!やめとけ!!」
子万「ぼっこぼこにしたる(ファイティングポーズ)」
大人「でかいぞ!!負けるって!!」
子万「男轟万太郎!!売られたケンカは買うのんじゃーーーーーー!!」
大人「!!!」

 ボロ登場

ボロ「けんか?」
子万「ボロ!!」
ボロ「キャベツの恨み!(佐野君)」

 先生、喧嘩を聞きつけて登場

先生「何してるのあなたたち!!」
子万「ましこは引っ込め!!」

 綾小路走ってくる

綾小路「ダーリンには、指一つふれさせませんわ!きゃべーーーつ!!!」

 袖からキャベツが飛んでくる、綾小路キャベツをキャッチ。

ボロ「げげええ!!」
綾小路「マヨネーーーーズ!」
佐野「(マヨネーズを出す)」
頭良男「僕勝った?」
向日水「押さえつけろ!」
大人「えらいことになってきたぞ」
先生「先生暴力はいけないと思う!!」
大人「止めてあげてローズ先生!!」
先生「けど!!戦わなくちゃいけないトキ、、あるYONE!!」
大人「せんせい!」
先生「★Fight!!!!!!!」
全員「どりゃああああああああああ!(喧嘩が始まる)」
大人「ちょっとちょっとちょっと!!!」

 喧騒の中、
 ローズ先生からの手紙

先生「久しぶり万太郎くん!お元気ですか?
 ローズ先生こと、ましこかなこ先生です。
 先生はあのあと結婚して子供を産んで、また教員に復帰。
 向いてないなりに先生を続けています。
 頭良夫くんから連絡が来て、クラス会を開こうというのでお便りしてます。
 頭良夫くん、なんと今年弁護士になれたって!
 綾小路さんに聞いたけど、万太郎君全然変わってないんだって?
 6年3組、初めての担任だったのでとっても印象深いんです。
 どうですか?アメリカにはなれましたか?再会を楽しみにしてます!」

 大人万太郎、先生に話しかける。

大人「先生」
先生「みんなのアイドル、ローズ先生より♥」

 先生、喧嘩のジャッジに戻る。

大人「あのさ」
向日水「ちょんち!!」
大人「先生」
子万「チョップとパンチでちょんちだね!!
大人「、、おれ」
ボロ「キャベツ克服!!」
綾小路「はくさああああい!」(白菜が飛んでくる)
ボロ「やあああああああ」
大人「何か俺」
頭良夫「歯茎から血!
大人「何か俺さあ・・・」
向日水「観念しろただの太郎!」
子万「ちっくしょおお」
先生「負けるな!万太郎君!!」
大人「!!!」

 馬乗りにされていた子供万太郎、向日水をはねのける

向日水「うお?!」
子万「俺は轟万太郎じゃあああああ!!負けるかボケええええええええ!!」

 子供万太郎、向日水に一撃。
 ボロ逃げる、それを追う皆。取り残される大人万太郎。

12■初恋の人と再会

 音楽が消えていく。

大人「、、、、」

 天童よし子と、都会の雑踏の中で、偶然出会った。

天童「万太郎君!」
大人「?」
天童「あ、やっぱり万太郎君でしょ?轟万太郎君!」
大人「あ・・・はい、・・・えっと」
天童「わかる?天童よしこ!」
大人「天童・・・・」
天童「(メガネとりだし)『あたしみんなから、ドジで間抜けなカメでブス』」
大人「・・・・あ!!!あーーーーーー!!!お久しぶりです!!!!」
天童「(メガネしまう)わかる?!覚えてる?!」
大人「覚えてる覚えてる!!」
天童「ほんとに?」
大人「実はさぁなんか最近妙にあのころの記憶がよみがえっちゃって」
天童「あ、奇遇だ!あたしも!」
大人「その節はどうも、すいませんでした」
天童「いえいえこちらこそ。(めつぶし)」
大人「まさかこんなとこでバッタリなんて」
天童「ね!あたしもまさかって思った!」
大人「偶然にもほどがあるね」
天童「運命じゃない?」
大人「、、そーかも」

 間。

大人「今何してんの?」
天童「無職!(ブイサイン)」
大人「おお。(ブイサイン)」
天童「こっち来てトリマーの専門学校出て、
 OL3年くらいして、お金ちょっと貯めたからやめたった」
大人「あー。どおりでこんな平日の昼間に」
天童「ふらふらしてました!」
大人「トリマーって。ペットの?」
天童「ひたすら毛を刈る。ほら実家ペットショップじゃん」
大人「あ、そうだったっけ?」
天童「万太郎君は今何してんの?」
大人「え?あ、えーと・・まあ、会社員」
天童「ちゃんと働いてんだなぁ。あたしもまじめにやらないば」
大人「なんか感じ変わったね」
天童「コンタクトにしたからね」
大人「いや、なんかサバサバしたっていうか」
天童「それいい意味?」
大人「いい意味いい意味」

 音楽『あの素晴らしい愛をもう1度』がかかる。恋の予感。

大人&天童「・・・・・今日暇?あ」
大人「ちょっとお茶でも」
天童「それよりご飯とか」
大人「いい店しってる」
天童「よしそこいこう?」
大人「おごるおごる!!」
天童「やったあ」
大人「社会人ですから」
天童「あれ?仕事は?」
大人「今日さぼってた」
天童「どおりでこんな昼間に」
大人「ふらふらしてました!」
天童:現実逃避?
男:はい
天童:うわ
男:え?
天童:あたしとおんなじだ

 大人万太郎、天童よしこと雑踏へ消える。

13■嫌な予感

 雑踏と入れ替わりで子供達と先生が入ってくる。
 再び子供時代
 ボロが誰かに追われながら焦ってやってくる

ボロ「ああ、逃げ切った。
子万「あ、ボロ?」
ボロ「なんかくれ。疲れた」
頭良夫「サバミソ牛乳」
ボロ「缶につぐな!」
綾小路「レターーース!!!」(飛んでくる)
ボロ「いらなーーい!!」(いちはやくキャッチ、投げ返す!)
佐野「(マヨネーズ)」
ボロ「ん(吸う)」
先生「マヨはありなのこの犬」
向日水「ボロどうした?」
ボロ「なんか変な奴らに追われててさ」
子万「さのくん」
佐野「(紙渡す)」
子万「え?変な奴ら?」
先生「え?佐野君って・・・」
向日水「どんな奴だよキャベツ犬」
ボロ「作業服みたいなやつら」
子万「佐野くん」
佐野「(紙を渡す)
子万「作業服みたいなやつら?」
先生「佐野くん、犬の言葉がわかるの?」
全員「あ、うん。」
先生「あ、もう普通のことなのね」
綾小路「作業服みたいなやつらに追われてる?」
向日水「作業服って」
頭良夫「作業のときに着る」
向日水「うっせー」
ボロ「やたらと追いかけてくるんだよ」
佐野「(渡す)(読む)」
子万「なんか面倒くさいから、同時通訳してるってことにしない佐野くん?」
佐野「(ポケットから同時通訳のバッチをつける)」
子万「そういうことで」
全員「よろしく(と、客席へ)」
子万「やたらと追いかけてくる?」
先生「・・・もしかしたら保健所かも」
全員「え?」
子万「保健所?」

 保健所の意味もわからず、で立ち尽くす。
 嫌な予感。
 曲上がり、暗。

14■フィアンセ瞳さん登場

 明。
 アイボが転がっている。
 卒業文集が落ちている。

 SE ぴんぽーん ぴんぽーん

瞳(声「いるー?会社に電話したら風邪で休んだって言ってたから」
ボロ「・・・・・
瞳(声「勝手に入るよー?」

 フィアンセ奥野瞳、登場。

瞳「いないし。(ため息)うわ、台所ぐちゃぐちゃ、洗濯物わちゃわちゃ
 あ、アイちゃんだ。アーイちゃん(ぱんぱん)」

 アイボ、無反応。瞳、アイボの近くに。

瞳「、、ほっとかれて死んじゃった?」

 間。

瞳「昔は忘れたりしなかったのに。アイちゃんのこと。
 映画館でさ、あとちょっとで終わるって時に立ちあがって、
 『アイボにエサやる』ってあたし置いて帰ったり。
 エサったって充電じゃんって、あんなん機械じゃんって、、、思ったけど」
ボロ「・・・」
瞳「ごめん、あたし何もしてあげられない」

 瞳、かえろうとすると、卒業文集を発見し、手に取る。

瞳「卒業文集・・・・・あたし、昔の万太郎の事は何も知らないんだな。

 瞳、読んでみる。

瞳「あ、なりたいもの」

瞳「6年1組 いそやまこずえ、なりたいもの、スチュワーデス
 いとうあきこ、なりたいもの、ダンサー
 いとうあや、なりたいもの、おかねもち
 いとうともこ、なりたいもの、モデルさん
 うえのまり、なりたいもの、みうらさんと一緒。
(少しとばす)
・・・・・・
とくらまい なりたいもの、看護婦さん
ほあしのりこ なりたいもの、スチュワーデス
みうらまきこ なりたいもの、
(およめさんと書いてある)
、、、あ。あたしもこれ書いた。
(瞳、そのまま文集を見つめている)

いつの間にか音楽、『Early Cristmas Morning/シンディローパー』がかかり出す。

 子供たち登場

向日水「6年3組向日水鉄男!!!なりたいもの軍人!特技!!悪い奴をやっつける!!!!
子万「金で動いてたろ!!」
向日水「傭兵だ!!」
頭良夫「ビジネスと呼んでくれ!!」
向日水「成立しなかったろ頭バカ夫」
頭良夫「6年3組男子1番!頭良夫!!!なりたいもの!!弁護士!!!」
子万&向日水「無理無理無理無理」
頭良夫「だまれ!特技!!地図上の物を覚える!」
子万&向日水「なんだそれ!」
頭良夫「例えば、この日の丸公園から学校までには赤ポストが4個、電話ボックスが3個、バス停が2つ存在する」
子万&向日水「おおお!(拍手)役立たねえけどなんかすげええ!」
綾小路「6年3組女子1番!綾小路聖子!なりたいもの、看護婦さん!!!」
子万「本気か差別主義者!!」
綾小路「お黙り貧乏人!!特技!!カードマジック!!」
子万&頭良夫&向日水「え?」

 綾小路、ちょっとしたのを、やる。

子万&頭良夫&向日水「おおお!(拍手)」
綾小路「次、ダーリン!」

 佐野、万太郎に、紙を渡す

佐野「、、」
子万「やっぱ俺が読むのか」
向日水&頭良夫「しゃべれー」
子万「えーと6年3組男子9番、佐野四郎!なりたいもの!!郵政省の役人!」
子万&頭良夫&向日水「かてー」
子万「特技。、、あ、自分文字だから読めない」
向日水「うそつけ!」
頭良夫「君たち自分文字共有者だということはお見通しだ!」
子万「クソッなぜ読める!」
4人「読ーめ!読ーめ!読ーめ!」
子万「特技!!」

 ボロ立ち上がり、佐野に話しかけ談笑する。

二人「(クスクスクス)」
子万「特技!!動物と話す!!!!」
4人「(拍手)おおおおお!!!!!」
向日水「よし!次エロ太郎!!」
子万「6年3組!12番!轟万太郎!!」
瞳「?!」

 瞳、子供のころの万太郎に向く

瞳「万太郎君っ」
子万「え?」
瞳「あたしも小学校の時なりたいもの書いた!!」
向日水「お、おねーちゃん参入!!」
頭良夫「大人も書いたのかぁ!」
瞳「けど、なれるかどうか不安で」
ボロ「何々何すか!!!」
瞳「凄く普通なんだけど」
綾小路「聞いてあげてもよろしくてよ!」

 みんなで瞳を真ん中に連れて行く

子万「なんて書いたの?」
瞳「ろ、6年、、えーと、、、、何組か忘れちゃった」
全員「いいいいいいいい!」
瞳「女子!!えーと、、、、何番か忘れちゃった」
全員「いいいいいいいい!」
瞳「奥野瞳!!なりたいもの!、、およめさん!!!」
全員「、、、、、、、、」

 少しの沈黙、瞳、不安になる。

瞳「、、、あの。。だめかなあ」
全員「おおおおおおお!(拍手)」
瞳「なれるかなあ」
向日水「なれるなれる!」
瞳「大丈夫かなあ」
綾小路「大丈夫大丈夫」
瞳「うまくいくかなあ」
頭良夫「うまくいくうまくいく!」
瞳「でも私、、」
子万「お姉ちゃんなら絶対なれる!!!」
瞳「、、」
佐野「(『天下一品』)」
全員「がんばれー!!!!!!」

 曲上がり。ダンスのような動きになる

瞳「、、、、、」

 瞳、何かを想い、文集をおいて走って行く。

15■ボロが消えた。

 ボロ、突然ダンスをやめて何かから逃げるようにいなくなる。

 先生がくる。 

先生「あ、いた!」
向日水「ローズ先生」
先生「あの犬は?」
子万「今日は見てないけど」
綾小路「心配なさらなくても、私が毎日緑の野菜を」
向日水&頭良夫&子万「もうよせ」
綾小路「?」
子万「なんかあったの?」
先生「今日PTAの集まりがあったの」
子万「PTA?」
頭良夫「ぱーと と あるばいと」
全員「ばか」
先生「地域の衛生面で問題があって、その、強化するって」
子万「強化?」
綾小路「この前言ってた保健所のこと?」
先生「うん」
向日水「ぶっちゃけどういうこと?」
先生「この辺の野良イヌや野良猫を本格的に駆除するって」
子万「、、くじょ?」
向日水「捕まえるってことか?」
先生「捕まえるだけで済めばいいけど」
頭良夫「ボロ、殺されるの?」
子万「え?」
向日水「バカなこと言ってんじゃねえよ!!!」
頭良夫「だって駆除ってそういう意味じゃん!!」
先生「先生、保健所にも聞いてみるけど」
向日水「手分けして探そう俺1丁目」
頭良夫「じゃ2丁目」
綾小路「あたし3丁目!佐野くん4丁目」
向日水「万太郎、5丁目だ」
頭良夫「行こう!」
先生「くびわ!!」
全員「え?」
先生「飼い犬なら駆除されないから、見つけたら首輪させて!」
向日水「じゃ首輪を買ってからだ!!」
先生「先生も行く」

 子供万太郎と佐野以外、駆け出す。

子万「ちょっとまってよ!!」

 そのとき、天童段ボール持って登場。子供らの風圧で、コケる。

天童「わああ(こけ)」

 段ボールから大量の首輪が出てくる

天童「あ、あたしったら風圧で」
全員「首輪だああああ!!!」
天童「え?」
頭良夫「凄い量だ!」
綾小路「どうしてこんなに首輪が?!
天童「え、あの、あたしんちペットショップだから」
全員「うええええ!!!!」
天童「今日に限って首輪が売れて、また新しく仕入れたの」
先生「放し飼いのペットに皆あわてて首輪させてるんだわ」
綾小路「売り切れなくてよかった!!」
向日水「ひとつくれ!!」
綾小路「なにいろ?」
頭良夫「ピンク!」
向日水「これ!」
天童「あ、毎度あり」
向日水「行くぞ!」
子万「まった!」

 間

向日水「なんだよ!お前の犬だろ?!」
頭良夫「早く首輪もってボロ助けないと」
先生「そうよ万太郎くん!」
綾小路「ダーリンも!行こう!(佐野をひっぱる)」

 佐野、ふりほどく

佐野「、、だめだ」

 全員、佐野を見る。

全員「!!」
佐野「だめ」

 佐野、万太郎を見る。

子万「(うなづく)そうだ」
綾小路「何いってるの?」
子万「だってズルいだろ!」
先生「、、万太郎くん」
子万「だってみんな捕まるんだろ!?
 ボロだけじゃなくて、この辺の野良イヌとか野良猫、みんな。
 だったら、、」

 子供万太郎、佐野の顔を見る。

16■ボロ救出大作戦

 佐野、つかつかと天童さんにあゆみ寄り、

佐野「首輪、全部ください」
子万以外「え?」

 間。

天童「全部?」?!

 音楽。

綾小路「佐野くん」
子万「じぇんぶだろうがああああああああ!!!」
全員「ぜんぶ!!!!」
子万「のらというのらにつける分、じぇんぶだろうがああああああああ!!」
全員「のらというのらに全部!!!!!!」
子万「衛生面の問題だぁ?本格的に駆除するだあ?!
 こきたなかったら殺すんか!?勝手なこと言ってんじゃねえ大人どもがあ!」
天童「万太郎くん」
子万「天童よし子ォオオオオ!!」
天童「はい!!!」
子万「首輪バンバン仕入れて、この公園に集めろ!!!」
天童「えええ?!」
子万「首輪という首輪、全部だ!」
天童「でもそんなにいっぱいじゃ、お金」
子万「くそ金か!綾小路!言ったれや!」
綾小路「シュピキラーーン!!(VISAゴールドカード)カードでよろしいかしら!?!」
子万「向日水!保健所妨害工作!」
向日水「爆竹!水風船!BB弾!」
子万「頭良夫!公園の砂場に町内地図!」
頭良夫「まかせろ完璧!!」
子万「先生!連絡網で人数!日の丸公園に集合!」
先生「他のクラスもやってみるね!(先生退場する)」
子万「俺たち6人が作戦の中枢だ!円陣!」
天童「え、え」

 天童以外、円陣。

子万「天童さん」
天童「あの、万太郎くん、、あたしノロマだから、あの、そんなこと」
子万「出来る!!」
天童「、、」
子万「出来ると思えば出来るんじゃあああ!!!」

 天童、直立。

天童「!、、ふ、ふぁあい!!(円陣にくわわる)」
子万「作戦司令本部をここ、日の丸公園ジャングルジムに設置!」
 俺様がすべての小学生の指揮を執る、男轟万太郎じゃあ!!!」
向日水「保健所妨害工作隊長!向日水鉄男じゃあ!」
頭良夫「作戦参謀頭良夫じゃあ!!」
綾小路「大蔵大臣綾小路聖子じゃあ!!!」
天童「え、えっと」
子万「(ボソ)首輪大臣」
天童「首輪大臣天童よし子じゃあ!!」
佐野「万太郎、おれ」
子万「ボロを頼む」
佐野「(大きくうなづく)」
子万「そして諸君にはこれから続々集まる小学生の指揮および、任務遂行及び、大成功を命ずる!!」
向日水&頭良夫&綾小路「随分命ずるねー!!!!」
子万「作戦コード!!!!」
全員「野良という野良に首輪!!ボロ救出大作戦」

 佐野『野良という野良に首輪、ボロ救出大作戦作戦本部」の大弾幕

子万「行け佐野おおおおおおお!!!!!!」
全員「ボローーー!!!!」

 全員、全速力で走り出す

 大人万太郎。

大人「おれが?本当に?覚えてない」

 天童よしこ、眼鏡を取り

天童「恰好よかったよ、万太郎君。
 小学生のあたしはただボーっと見てたけど。
 今だったら完全に惚れてたね」
大人「、、そう」
天童「あたしドジでのろまなカメでブスだったけど」
大人「・・・・・・
天童「『出来ると思えば出来る』て言われて、本気で出来るって思った。
 あれから少しづつ私自信ついたの。ありがとう。
 あのときのお礼、ずっと言いたかった。」
大人「いや、俺に言われても」
天童「え?」
大人「俺、あいつと違うから」
天童「え、自分じゃん」
大人「いや、今違うから」
天童「そう?」
大人「見た目全然違うじゃん」
天童「すぐわかったよ、万太郎君だって」
大人「中身違うって!」
天童「、、万太郎君?」
大人「やめてもらえないかなあ、そやって昔のおれとおしてみんの」
天童「え?」
大人「じゃなに?今駄目?!カッコ悪い!?魅力ない?!普通?!
 結婚して子供出来て働いて年老いて孫できてかわいがって老人ホーム行って死ぬの!!
 それなりじゃ駄目?!名前負け?とどろいてない?夢なきゃ駄目?
 なりたいもんになれなきゃダメ?なれなそう?
 、、『アメリカ』?知るかよ!!!!」
天童「アメリカ?」
大人「『大きくなったらアメリカになる』んだと。あいつならなれるよ。
 俺には無理!!どーせ!どーせ乏しいよ、想像力がさあ!!!!!」
天童「万太郎くん変わったかも」
大人「だろうよ」
天童「駄目かも」
大人「、、」
天童「それじゃ駄目かも」
大人「あっそ!!!」

17■瞳の探し物

 場面が交錯する。別の場所で瞳、何かを一生懸命探している。
 瞳そのまま舞台奥で探し続ける。

18■日の丸公園に50匹の野良犬

 子供たち、相変わらず犬を探し続ける

子万「いた?!ボロ!!」
佐野「(首を振る)」
子万「他の野良イヌはいっぱい見つけたんだけど首輪なくなっちゃって!!
 僕はいったん公園戻って首輪取ってくるから、探し続けろ!!
佐野「(うなづき、走り去る)」

 子供万太郎、突っ立ってる大人天童と大人万太郎に気づく。

子万「おいお前ら!!止まってねえで、走れよ!!!!」

 子供万太郎、首輪を取りにいく

大人「、、、」

 大人万太郎、大人天童を残し、バツが悪そうに歩き出す。
 大人天童、それを見送り。

天童「近所の子供たちが、続々集まってみんなで手分けして野良というのらに首輪をつけた。
 そして日の丸公園は首輪のついた野良イヌや野良猫でいっぱいになった。
 あたしは仕入れ先に嘘をついて首輪をどんどん運んだ。だけど・・・・

 天童、メガネかけ子供になる
 向日水、頭良夫、綾小路、観客を見ながら登場する。

向日水「すっげえ数だな!公園中ノラだらけ」
頭良夫「10、20.30」
綾小路「50匹以上いるかも」
向日水「ボロは?」
頭良夫「いないみたいだ」
綾小路「よく探してよ!?」

 天童、うつむいて『ボロの首輪』を持っている。

綾小路「天童さん、どうかして?」
天童「、、あの」

 先生登場

先生「凄いことになってんのね!」
向日水「先生!!保健所は?!」
先生「だめ。明日以降に確認してくれの一点張り」
頭良夫「なんだよお!!」
先生「この中にはいないの?!」
綾小路「いないの!!」
天童「あ、万太郎くん」

 まんたろう登場

子万「ボロいた?!」
頭良夫「まだ!!」
子万「こんなにいんのに?!ちゃんと探したんか!!
向日水「探したって!!」
綾小路「ダーリンは?」
子万「まだ探してる!首輪頂戴!」
天童「うん(ひとつ)」
子万「え」
天童「これで最後なの」
子万「まじかよ!!後のは?!」
天童「ごめんなさい、全部使っちゃった。
子万「ボロまだいねーのに!!」
頭良夫「一つしかないの?」
天童「ごめんなさい!!」
向日水「まじかよ!どうにかなんないんかよ!?」
天童「もうお父さんにさんざん嘘ついたもん!!」
先生「首輪つけた子たちはもう安心だから、公園離れて一気に手分けして探しましょう」
向日水「おい、手空き小学生!集まれ!作戦会議だ!!」

 たくさん集まってくる、小学生たち。
 先生、子供万太郎の手を捕まえる

先生「ひとつ約束して万太郎くん」
子万「え?
先生「日が暮れたら終わり。いいね?」
子万「、、わかった」
頭良夫「よし、作戦発表!!!町内をいっきに南から北へあがる!!」
綾小路「じゃあ、ここから、1丁目、1丁目中道理、2丁目、2丁目中通り(お客です)」
子万「3丁目、3丁目中通り!!4丁目4丁目中通り!」
頭良夫「この公園が最南端だ!」
向日水「ココから東へ一直線に横並び!!南から北へ一気に駆け上がる!!!!」
綾小路「10円玉持ってる!?」
先生「先生、学校に戻るから、見つけたらすぐに電話頂戴!!」
子万「首輪は俺が持ってる!!連絡が来たらすぐにつけに行くから!!」
頭良夫「タイムリミットは日没!!日が暮れたらアウト!!
向日水「作戦コード改め、ボロ救出大作戦!!!!」
子万「行けええええええ!!!!」

曲上がる。全員走り出そうとして、ストップする。曲が切れる。

19■ボロの首輪

ひ「あった!」

 瞳の手に封筒。その中からピンクの古い犬用の首輪。

ひ「、お姉ちゃんなら大丈夫。うまく行く。うまく行く」

 小走りに自分の部屋を出る。

20■奇跡の予言

 占い師登場

占い師「あなたはこのまま結婚して、子供ができて、年をとります」
大人「・・・そんで
占い師「小学生の時、アメリカになりたかった男の子は、そのまま」
大人「クラス会で、名前負けだよなーって話して」
占い師「アメリカの意味は」
大人「想像力が乏しくて理解できないまま」
占い師「それなりの」
大人「普通の人生を送りますか」
占い師「平凡な」
大人「平坦な」
占い師「普通の」
大人「面白みに欠ける」
占い師「でも、胸を張れる」
大人「・・・・え?
占い師「小学生のとき、アメリカになりたかった男の子は、
 大人になり、また新しい別の何かを見つけます」
大人「・・・今?」
占い師「忘れたおもいだせない何かの代わりの」
大人「新しい別の何か」
占い師「はい」
大人「、、、何かか」
占い師「そしてさらに時が立ち」
大人「え?」
占い師「例えばこの先の12年後」
大人「12年?」
占い師「奇跡のような偶然が起こるでしょう」
大人「奇跡のような偶然?」

 占い師、アバヤをとると、顔が見える。

占い師「占い終了。またね」
大人「!!やっぱ、どっかで見た。・・・!!」
占い師「じゃーねー」
大人「お前誰だ!!」
占い師「ありがとう」
大人「?」

 占い師、振り返らずにいなくなる。

大人「あ、金」

 考える

大人「ありがとう?」

 *占い師は、犬の生まれ変わりです

21■天童さんサヨウナラ

 大人、天童よし子。だけど、眼鏡をしたまま。

天童「自信喪失中?なんかムカついたの、自分の話みたいで」
大人「え?」
天童「ほんとは仕事が続かない。ほんとは3年も勤めてない。
 ほんとはお金たまってない。このまま年をとるのが嫌。
 何をしたいのかわかんない。ほんとはあたし、全然変わってないんだ」
大人「、、そう」
天童「マリッジブルーっすか?」
大人「は!なぜそれを!」
天童「だいたいそんなとこかしら、と」
大人「、、すみません」
天童「よし。帰りましょう」
大人「うん」
天童「今日は運命的に、ばったり出会えて嬉しかったです」
大人「俺も」
天童「ずっと昔の幸せより、ずっと先の幸せより、今の幸せについて、今日は深く考えました」
大人「今」
天童「実はあたし超焦っていて、勢いでペットショップ継いじゃえばいいやって思ってたけど、
 やっぱもう少し考える」
大人「そう」
天童「焦らずゆっくり考える、相変わらずドジでのろまなカメでブスだから」
大人「ブスじゃないよ!!ドジでのろまでも、もうブスじゃないよ!!あ、ごめん」
天童「やっぱ万太郎君変わってないね(笑)人は、そんなに簡単に変われないのかも」
大人「そうかな」
天童「そーだよ」
大人「、、うん」
天童「今度またバッタリ逢えたら、今度こそ、お互い自分のこと話そうね」
大人「おれ、話したでしょ」
天童「えー?昔の万太郎君の話?」
大人「、、あ」
天童「昔の万太郎君が思ってたこと?この先の万太郎君?
 この先のとおい未来の万太郎君が思ってること?」
大人「今のこと、話してないか」
天童「うん」
大人「また逢うまで、元気で」
天童「お互い元気に、今を生きましょう」
大人「うん」
天童「じゃ」

 華麗にきびすをかえし、コケる天童。音楽聞こえてくる。

大人「変わらんもんは変わりませんね」
天童「いてー」
大人「僕にはもう決めた人がいて、電流ビリビリしませんけど。いいですか?」
天童「え?」
大人「手、貸してもいいですか?」
天童「もちろん」

 大人万太郎、天童の手をとり起き上がらせる。
 右手で握手を求める天童。
 大人万太郎、右手を出そうとして、

大人「いや」
天童「どしたの?」

 やっぱり左手を出す。

天童「?」

 天童、よくわからずに、左手で握手。二人、別の方角へ歩き出す。

22■夕暮れ。

 夕暮れ。タイムリミットが近づく

頭良夫「やばい!もう日ぃ暮れる!!」
向日水「何やってんだよまったく!!!」
子万「先生!他の連中は?!」
先生「遅くなる前に帰したよ」
綾小路「後帰ってきてないのは、、」
全員「佐野だ!」
子万「あ、誰か来る!!」

 天童よしこ

天童「(泣いてる)お父さんにめちゃめちゃ怒られた」
全員「んだよおおおおお」
綾小路「あ!!」
全員「え?」
綾小路「あれ!!」
全員「どれ?!」
綾小路「あそこお!!」
全員「どこお!?」
綾小路「夕陽のむこお!!!!」

 全員、目を凝らす

全員「佐野だぁああ!!!」
綾小路「なんか抱いてない?!」
先生「やっぱなんか抱いてる!」
全員「きっとボロだ!」
向日水「よくやった根暗メガネ!」
綾小路「さすがダーリン!!」
頭良夫「ボロ!ボロおお!!(アスパラ缶ふり)」
天童「万太郎君最後の首輪!!」
子万「ギリギリセーーーフ!!!」
向日水「さのいえ~い!!」
全員「さのいえ~い!!」
頭良夫「ぼろいえ~い!!」
全員「ぼろいえ~い!!」
綾小路「きゃべついえ~い!!」
全員「きゃべついえ~い!!」

 袖からキャベツ、なぜか飛んでくる

全員「うわわわわ」
子万「ボロオオオオオオオ!!お前の首輪だぞおおおお!!!」
全員「いええええ~い!!」

 喜びの中、皆、キャベツで遊びだす

23■書き置き

 万太郎の部屋で瞳。

瞳「書き置き。万太郎さんへ。
 あなたのマリッジブルーを考えましたが、わかりませんでした。
 なんでこんないい女との結婚に怯えてるのか、私にはちっともわかりませんでした。
 だから決めました。
 思えばきちんとしたプロポーズも受けぬまま、
 結婚の日取りまで決まってしまいました。
 だから、
 式場をキャンセルして、いったん無かったことにします。
 私は万太郎にプロポーズされるのを待ちます。
 たぶん、死ぬまでずっと」

 ボロの首輪を出す。

瞳「これ。万太郎がだらしない時に渡しなさいと、
 あなたのお母さんから預かった品です。
 母上いわく、
 『あなたが世界最高の息子であり、正真正銘の男である証拠の品』だって。
 そして一言添えなさいって。
 『男だろ!!轟万太郎!!!』」

 音楽が上がる。

24■男・子供万太郎見参

 日が暮れた。ボロじゃない別の犬が歩いてきて、みんなの真ん中にくる。
 占い師ととても良く似ている。

綾小路「・・・・・・あれ?」
佐野「・・・・・」
向日水「・・・・・こいつって」
頭良夫「えっと・・・佐野くん」
先生「・・・この犬」
天童「どしたの?」
子万「ボロじゃない」
天童「・・・え?」
子万「ボロじゃないよ」
天童「・・・違う犬?」
子万「ボロじゃないじゃん!!」
向日水「おい、どういうことよ?!」
頭良夫「知らないよ!!」
子万「佐野!!!!」
佐野「・・・・・ごめん」
子万「ごめんじゃねえよ佐野!!バカかてめえ!(佐野をどつく)」
先生「万太郎君!!」
綾小路「佐野くんに悪くないじゃん!!」
子万「うるっせぇ!もっかいだ!先生もっかい連絡網!」
頭良夫「もう日が暮れちゃったじゃん!!」
子万「黙れ!向日水!!ほらもっかい人間集めろ!!」
向日水「無理だってもう暗いし」
子万「なら懐中電灯もってこいよ佐野!!」
佐野「ごめん!!」
子万「ごめんじゃねえよ!!ほら佐野!もっかい行くんだよ!」
天童「万太郎くん!!!」
子万「天童お前ボサッとしてんだよ!」
天童「え?」
子万「首輪もってこいよ!」
天童「もう無いの!!」
子万「あるだろ一つくらい。首輪がたんねえだろがこの犬の分!早くどうにかしろよノロマ!!」
綾小路「万太郎くん!」
子万「ほらカードよこせ!金で解決しろよ!」
天童「ごめん」
子万「おまえら!もっかいいくぞ!懐中電灯なくたってどーにかなるって」
先生「万太郎君!!」
子万「先生!!保健所にさあ」

 先生、子供万太郎をビンタする。

子万「・・・・・」
先生「約束したでしょ、日が暮れたら、今日はおしまい」
子万「嫌だ!!!!」

 万太郎ひとりで走りだす
 先生、万太郎を力づくで捕まえる。

先生「これ以上探すことは許しません!
 あなたたちに何かあったら、元も子もないでしょ」
子万「嫌だ!嫌だ!離せ!嫌だ!嫌だ!やだ!探すんだ!探す!ボロ!
 これはボロの」
佐野「まんたろう」
子万「いやだ!!!!」

 子供万太郎、ふりほどく、首輪をにぎりしめ、言う。

子万「これは、ボロの首輪だ!!!!!!!!!!!!」

 みんな、子供万太郎をみている。
 真ん中に、佐野が助けた野良犬がいる。

子万「何だよおまえら!!その目はなんだよおまえらあ!なんか言え!なんか言えよ!」

 大人万太郎が、登場する。

大人「何も言えねんだみんな」
子万「・・・・・!!
大人「誰にもわかんねえんだ、そんなこと」
子万「この首輪・・・」
大人「どっちにすりゃいいのかなんてそんなこと」
子万「これは、ボロ用の」
大人「思い出したんだよ万太郎」
子万「これはボロの首輪だ!!」
大人「俺がその首輪をどうしたか」
子万「これはこいつのじゃない!!」
大人「でももう首輪がないんだよ」
子万「こいつの分は・・・」
大人「こいつの分が無いなら放してやればいい」
子万「でも放したら」
大人「放したら」
子万「捕まるかも」
大人「殺される」
子万「、、、、」
大人「そいつをつければ」
子万「・・・・」
大人「こいつが助かる」
子万「俺は」
大人「俺は決めたよ」
子万「俺はどうすりゃいい?!」
大人「その時俺は決めたんだよ」
子万「どっちに」
大人「それはお前が決めなくちゃ」
子万「どっちにすりゃいい?!」
大人「明日になったら首輪増えるかもしんないし
 明日になったら保健所から先生ひきとってくるかもしんないし
 明日になったら普通にボロ遊んでるかも知んないし」
子万「・・・・・・」
大人「こっちにしようか、どっちにしようか、
 どっちがいいのか、こっちでいいのか
 大人になってもそんなこと。誰にもわかんねえんだよ。
子万「・・・・・・」
大人「でも決めなくちゃ」
子万「、、、、、、、、」

 万太郎、ボロじゃない別の犬に首輪をつける

大人「がんばれ」
子万「、、ちくしょう」
大人「がんばれ万太郎」
子万「ちきしょお」
大人「負けんな万太郎」
子万「なんだよちくしょう!!!!」
大人「男だろ!!」
子万「男じゃあ!!!」
大人「男だろ!!」
子万「おれはおとこぢゃあああ!!!」
全員「まんたろお!!!!」
大子万「男轟万太郎じゃ、まけるかぼけええええええええ!!」

 情景になる。

別の犬「万太郎は、次の日も、その次の日も、
 学校さぼって1日中探し回ったけど、
 結局ボロには会えなかった。
 つかまったのか、逃げ切ったのか、それはもう、きっとずっとわからない。
 首輪をもらったその犬は、轟家に引き取られ、なんと10年も生きた」

 犬耳をはずし、占い師になる。

占い師「そして万太郎は大人になり・・・・・」

 暗。

25■男・大人万太郎見参

 音楽が消え、

大人「あ、来てたんだ、ひさしぶり」
瞳「ひさしぶり」

 明。瞳と寝ているアイボがいる。そこに大人万太郎。

大人「何それ(書き置き)」
瞳「書き置きをちょっと」
大人「どれ」
瞳「いや、あたし居たら書き置きにならないから。あとで読んで」
大人「そうか。わかった」
瞳「素直だね」
大人「あのー、すまん。素直ついでに言うと今日、俺、浮気するとこだった」
瞳「うわきい!?!」
大人「するとこだったの!未遂!」
瞳「本当に?!」
大人「手、握っただけ」
瞳「なんか余計ムカつく!」
大人「握手握手!」
瞳「あーもう、先が思いやられるわ」
大人「さ。ちょっとすわって」
瞳「まだなんかあんの?」
大人「いや、ちょっとまった!まずは、こっちから」
瞳「?」
大人「(アイボに土下座)アイボすまん。もう、ほっとかない。餌忘れない」
瞳「本気それ?」
大人「俺が忘れたら忘れたらほら、この人が餌をくれるから」
瞳「万太郎しか餌をやっちゃいけないんじゃないの?
大人「うん。おまえはいいことになった」
瞳「どーゆーこと?なんか変だよ?
大人「なんでアイボ買ったか言った?」
瞳「(首をふる)」
大人「ずっと居るから」
瞳「、、、、」

 瞳、首輪を出す

大人「あ。それ」
瞳「お母さんがこの前」
大人「『男だろ、轟万太郎』」
瞳「なんかすごくものわかりいいね、???」
大人「あ、(子供万太郎登場の気配も察知)ちょっとごめん、お客さん」
瞳「お客さん?」

 子供万太郎、めちゃめちゃ何かを探してる。

瞳「あらあ」
大人「え?!見えてんの?!」
瞳「こんにちは」
子万「こんちは!」
瞳「どうしたの?探し物?」
子万「ボロと首輪」
瞳「くびわ・・・」
子万「あ!これ!どこで!?」
瞳「どこって」
子万「あ!!あ~~~!!!!いた!いた!!!」

 向日水、頭良夫、綾小路登場。

3人「おじゃましまーす」

 遅れて佐野。

佐野「『失礼』(紙)」
大人「ちゃんとゆえ!」
子供たち「ぼろおおお!!!!」
子万「あのっあの(ぴょんぴょん)」
向日水「あのっあの(ぴょんぴょん)」
綾小路「あのっあの(ぴょんぴょん)」
佐野「それください!奥野瞳さん!」
瞳「これ?」
大人「え?知り合い?」
瞳「ちょっとねー」
子万「くださいそれ!!」
瞳「あげていいよね?本人だから」
大人「いいけど、なんで知ってんの?」
瞳「はいどーぞ」
子供たち「よしっ!」

 万太郎、首輪を受け取り大急ぎでボロに首輪をつける。が、動かない。

子供たち「・・・・・あれ?」
大人「おい」

 大人万太郎、瞳に合図する。瞳、それを察して

瞳「はいはい(充電器をつける)」

 かたずを飲んで見守る子供たち。
 少しの間。
 ボロ、伸びをする。

ボロ「うーん」

 歓声が上がる

子供たち「ボロー!!!!!」
ボロ「ボロじゃねえよ!」
子万「ボロー!!!!」
ボロ「うるせえよくそがき」
綾小路「きゃべつ白菜レターーース!!!!!」
ボロ「なぜだああ!!」

 ボロ、逃げる

子供ら「ボロー!!!!」(追ってはけ)

 大人万太郎と瞳さん、二人きり。

大人「よし、じゃちょっと座って」
瞳「何さ」
大人「空気を読め」
瞳「?」
大人「コホン、思えば、きちんとしたプロポーズをせぬまま結婚の日取りまで決まってしまいました」
瞳「え?」
大人「え?」
瞳「書き置き読んだの?」
大人「え?書き置き?」
瞳「え?」
大人「え?なに?」
瞳「いやなんでもない、続けて?」
大人「腰を折るなよ」
瞳「ごめんどうぞ」
大人「もっかい」
瞳「はい」
大人「(ごもごも)(どこまで言ったか思い出してる)」
瞳「(書き置き)」
大人「えーですから私、いー、轟万太郎は、あー、あなたに、いー、きちんとした、あー」
瞳「(書き置きと比べている)
大人「何読んでんだよ!!」
瞳「あ、ごめん」
大人「あーもう、言う気なくしたわ」
瞳「あ!ごめんごめんっ」
大人「もう今日無理」
瞳「ごめんって!もっかい!ほら!」
大人「やだ!」

 子万、向日水、佐野、綾小路、頭良夫、ボロ、戻ってくる。

子万「甘えんなこら!!(ける)」
大人「あ」
ボロ「男だろてめえこら!!(ける)」
大人「いてててはい」
向日水「チョック」
大人「チョップとキックでチョックだね」
頭良夫「さっさとやれこら(キック)」
大人「(殴り返す)お前はむかつく」
綾小路「(スパコーーン)(スリッパ)ほら!」
大人「すんません、は!」
佐野「(自分文字の書いてある紙を見せる)」
全員「出た、自分文字」
佐野「・・・。(うなづく)」
大人「・・・。(うなづく)よしわかったあ!」
子供たち「やっぱ読めんだ!!」

 大人万太郎、きょうつけ!

大人「大変長らくお待たせいたしました!
 私!男、轟万太郎は!
 本日はここに。あなたにプロポーズさせていただきます!」
子供たち「いよお!」
大人「
 私、万太郎は、今は小さい男なれど!
 かならずでっかい男になります!
 10年!20年!30年!40年!!
 とにかくずっと!今よりもっと!
 あなたといっしょにでっかくなります!
 好きです!好きです好きです大好きです!!
 だからもう!俺あなたをアメリカばりに幸せにしてみせます!!!
子供たち「よし!行けえええええ!!」
大人「奥野瞳さん!」

 大人万太郎、大きく息を吸い。
 全員、息をのむ。

瞳「、、、、」
大人「結婚してください!」

 子供たち、瞳の反応をみる。

瞳「、、、轟万太郎くん」
大人「はい!!!」
瞳「大きくなったら何になりたいですか?」
大人「、、」

 一瞬とまどうが、質問の意味を理解し、胸をはり、息を吸い、

大人「男轟万太郎!なりたいもの!!!」

ひそひそと瞳に耳打ち。

子万「なに?なりたいもの」
大人「お前には教えん」

 大人万太郎、不敵な笑みを浮かべる。曲あがり暗。

26■ちょっとした奇跡の話

 暗の中、占い師の声

占い師(声「ちょっとした奇跡の話」
チャイム「きーんこーんかーんこーん」

 明、小学生たち騒ぐ。

小学生「うえええええい!」

先生「はーい静かにしてー(にこにこ)」

 小学生、静かにしない。

先生「席についてー(にこにこ)」

 つかない。

先生「ちゅうもーく(にこにこ)」

 しない。

先生「(スリッパ)(たぶん向日水の息子、殴られる)(スッパアアアアン)」
小学生(慌てて口々に)「ギーガガガ」「ガタタ」「ゴトト」「いい椅子だ」「椅子いいなあ」(体育座りで席につく)
先生「今日は、皆に新しいお友達を紹介します、転校生が来た朝っぽく拍手ー!」
小学生(転校生が来た朝っぽく拍手)(口々に)「おーおーまじかよ、まじかー」

 万太郎の息子、千太郎が登場する。
 千太郎はなぜか、占い師にも、首輪を貰ったあの野良にもそっくりである。

千太郎「えっと、父の仕事の都合で引っ越してきた、轟千太郎です」
先生「千太郎君、大きくなったら、何になりたいですか?」
千太郎「大きくなったら・・えーと、『ア(メリカ)』」

 音楽が台詞をかき消す。

<了>
2014年2月13日改訂稿(初演2002年)
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・許可なく上演コピー配布することを禁じます。

・許可については別記

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たくさん台本を書いてきましたが、そろそろ色々と人生のあれこれに、それこれされていくのを感じています。サポートいただけると作家としての延命措置となる可能性もございます。 ご奇特な方がいらっしゃいましたら、よろしくお願いいたします。