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埼玉で「10人目」が気づき、叫ぶ。 Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~ 埼玉公演より

 どうも皆さんこんにちは。早速ですがこちらの動画、Aqoursの記念すべき1stライブの試聴動画である。この動画の21分47秒あたり。
ライブ前に向けた杏ちゃんのみんなを鼓舞する声かけは、それはそれは素晴らしく…というのを今回は伝えたいのではなく、そのAqoursの面々が円陣を組んでいる向こう側に映っているスタッフさん達。
この方々も円陣を組んでいる。キャストと同じくスタッフの皆さんもこのライブに向けた意気込みが感じられて、素敵な場面だなぁと感じると同時に、改めて「10人目」という存在を、今回現地参加させていただいた
「ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 3rd LoveLive! Tour ~WONDERFUL STORIES~」の埼玉公演2日目の感想と一緒に、綴っていきたいと思う。
今回もどうかお付き合い頂きたい。

ライブでみえてくる「10人目」の存在

 感想の前にラブライブ!シリーズにおいて、この「10人目」という存在。
いつから現れ始めたのかは私には分からない。
ただμ'sのライブでは、アンコールのアニメ映像で、メンバーが数を数える点呼の際に、東條希の「9!」の後にどこからともなく「10!」という声が上がっていたのは覚えている。
その自然発生で生まれた10人目を受けて、ラブライブ!サンシャイン!!では特にその存在を強めているように感じる。アニメでいえば1期、13話の「10!」のコールにキャラクターたちがその声に「気づき」そしてその声が上がる方へ「振り返る」描写があるように、μ'sの頃よりもAqoursは10人目の存在に敏感ではないかと感じる。
 そしてこのアニメ上でのやり取りは、1stライブでも実際にキャストの手によって行われ、次元を越えて、より鮮明に私たちの中に10人目という存在を意識させていた。
 要するにこの「10人目」の存在は、アニメで描写があったとしても結局は、ライブによって初めてその存在は色濃く残り、帰属されるのである。

「10人目」が熱くなる空間

 前置きがかなり長くなったが、私は先ほど述べたような「10人目」の存在を、度重なるライブの中でいつの間にか、「私たちだけ」だと限定させていた。それを3rdライブのある方のMCで気づかされたのであった。

 ライブの後半戦、一番の熱い盛り上がりを見せたのは何と言っても
「Saint Aqours Snow」による「Awaken the power」であった。シリーズでも屈指のブチあがり曲を多く輩出する河田氏の、初めてAqoursも歌う楽曲に、私も声をあげて歌ったものだ。(理亜のラップ部分も是非歌いましょう)

 11人でのステージが終わり、Aqoursの9人がハケていく。すると
Saint Snowの二人による「MC」が始まる(ダンスなうの準備をしていた私…)
この田野アサミさんのMCがとても素晴らしかったのを今回は言いたい。

 「Awaken the powerみんな聴きたかったですよね!?私も早くみんなの前で歌いたかったです!」

 記憶頼りなので正確ではないが、このような旨を話されていた田野さん。
通常、終盤以外のMCでは演じる役を含みながら、MCをするのがこのラブライブ!シリーズでのライブであった。その中でほぼ100%の田野アサミとしてMCをするその姿は、かなり異端であり、清々しかった。
 しかし彼女のある意味、演じるキャラクターを無視したMCを披露してもなお彼女の魅力が落ちないのは、彼女の言葉が、その時私たちが聞きたかった言葉でもあるからなのであろう。私はこの言葉を聞きたかったし、早く歌いたかったことを伝えてくれたのが何より嬉しかった。

 そしてこのブログを書こうと思ったきっかけでもある、田野さんのアリーナ、スタンド、立ち見(LVを忘れていたのはご愛嬌。)とのレスポンスに加えて、関係者席とスタッフにまで、反応を求めていた姿。今まではここまでの範囲までレスポンスを求めていた人は誰一人として居なかった。
 特にラブライブ!シリーズでは、登場人物たちと、ファンである私たちでつくるライブを目指している印象があるため、ある意味「神の手」的な存在であるスタッフを、表舞台に引きずり込むのは、作品の世界観も壊しかねないともとれるのだが、彼女は躊躇いなくそれをやってのけたのだ。
 そしてそのスタッフへの呼びかけに応じて、メインスクリーンに映ったのはカメラマンの高く振り上げた拳であった。それを観た瞬間、私は胸が熱くなった。そしてスクリーンに映った拳を観て、さらに盛り上がる会場。
とても温かい空間がそこにはあった。そして気づいたのである。「10人目」とは私たちだけではなく、裏方であるスタッフももちろんそこには居るということ。今までアニメなどからつくりあげる世界にはスタッフの姿は見えなくても、ことライブにおいては、そんな制約も無視して誰もが熱くなれる空間であるべきということが、今更ながら彼女から教えて貰ったのであった。

「10人目」に問う彼女の不安

 今まで数多くの名場面、名言を残したライブのMC。今回も御多分に漏れず3rdライブツアーの「埼玉2日目」であったからこそ見えた景色があった。

ライブMCの素晴らしさは2ndライブでも喚いているのでよろしければこちらも読んで頂ければ幸いです(宣伝失礼)

 今回のライブMCを語るにおいて「MIRACLE WAVE」という楽曲は切っても切り離せない。何故ならば今まで見たことのなかった伊波杏樹が、そこにいたからであった。

 埼玉2日目でのライブ終盤のMC。伊波杏樹さんは、いつになく不安げであった。その理由はやはり「MIRACLE WAVE」でのアクロバティックな動きに挑戦し、少し着地が上手くいかなかったことなのは明らかであった。完璧なものを見せたくて、そのために、私には到底考えつかない努力を重ねてきたであろう彼女。そしてその彼女から、
「私は有言実行できていたのか」という問い。
2ndライブでビックリさせてやるからな!と宣言し、それをカタチに収めることが出来ていたのかという問いであった。

「10人目」の戯言を少し…

 問いに対するこたえの前に、そもそも「MIRACLE WAVE」の完成に対するひとりの戯言を聞いてほしい。
 この曲はアニメにおいて、千歌がロンダートからのバク転という、普通の女の子ではなかなか成しえない難題に「挑戦」するものであった。
難題を含め曲を「完成」させるにはAqoursのメンバーからの「絶対に跳べる」という信頼と何より普通である自分を肯定して、自分自身も信じて跳ぶことで、この曲は完成されたと思っている。
信じることで「MIRACLE WAVE」は完成するのだ。
 これは現実のAqoursにおいても同じことが言えよう。ただ違うのはアニメにおいて、この曲を披露する条件にアクロバットの成功を入れたこと。これにより現実でのAqoursでもアクロバットの成功が重要視されるようになってしまった。
 確かに3rdライブは、アニメ2期の物語に沿う内容となっている。しかしこう言うのも野暮でもあるが、どのようにでも描くことが出来るアニメと、実際のライブを同じように扱いすぎるのもどうなのだろうか。もちろんアニメの物語に、少しでも近づこうとするキャストとスタッフの「挑戦」あってこそのライブであるのは分かっている。
 しかしこの曲のアクロバットの成功に注目するのならば、私たちが観た、2日目のMIRACLE WAVEは完成していなかったというのであろうか?いやそんなことは無いと私は思う。
 着地がよれたことの動揺を抑えながら歌い、それぞれのパートが、カバーし合ってひとりひとりのターンを回る。そして幾度となくライブを重ねた彼女たちでさえ、息を切らすほどに全力をぶつけてきたその曲を、完成していなかったなど誰が言えるのであろうか。
 1日目の個々の光が一つに集まったMIRACLE WAVEが「Aqoursのチカラ」であるのならば、2日目のひとりを支えるために「みんな」が光となった同曲もまた「Aqoursのチカラ」だと私はそう思いたい。
 確かにロンダートからのバク転は、「見せ場」ではあるがそれだけがこの曲の良さではない。一部分の成功か否かではなく、全体の完成したか否かでこの曲を捉えようではないか。そして先ほども述べたのだが完成にはその「挑戦」を「信じる」ことが必要なのだ。

「10人目」のひとりとして伝えたいこと

 また前置きが長くなってしまったが、先述の杏ちゃんの
「私は有言実行できていたのか」に対して、会場からは鳴りやまんばかりの拍手と歓声、そしてみかん色の景色で「みんな」で応えていた。私もその中のひとりであった。
 しかし私は願わくば、拍手と歓声だけでなくあの時の想いを伝えたい。
杏ちゃんが、MC中に多用する「みんな」に該当する「10人目」のひとりとして。




「今こうしていられるのは誰のおかげ」
「1番大切な人を忘れてませんか」

 Aqoursは今、2度目のライブツアーを行うことが出来ています。それはもちろん杏ちゃんだけではなく、他のメンバー8人が居たからというのも忘れてはいません。でもその8人を引っ張っているのは、ライブ前の円陣で8人を鼓舞するように、熱い言葉をかけているのは、紛れもなく杏ちゃんであり、それは確実にメンバーのチカラとなっています。ライブ前だっていうのに泣いてしまう方がいるのが、その何よりの証拠です。
 あなたはいつも、Aqoursのみんなが居たから、応援してくれるみんなが居たからと言ってくれますが、伊波杏樹という、あなたの存在も言うまでもなくAqoursには無くてはならないもののひとつです。それをどうか忘れないで欲しいです。
 そんなあなたが挑んだAqoursのチカラ、完成していました!


 「恩返しなんて思わないでみんなワクワクしてるんだよ」
 「千歌ちゃんと一緒に自分たちだけの輝きを見つけられるのを」

 あなたは2ndライブでのMCで「こっちこそありがとうなのに…」と言いました。でも今のパフォーマンスがその感謝を返す1つとして考えすぎないで欲しいです。だって千歌ちゃんに追いつくように努力する姿を、目の当たりにすることで私は元気をもらえて、これからも頑張ろうと、明日へ希望がもてるのだから。
 時にはあなたの真っ直ぐ突き進む姿勢を見て、自分はここまで真っ当に駆け抜けている方を応援しても良いのかと、そのあまりの輝きに目を開けられなくなることもあるけれども、それでも自分の世界で出来ることからでも良いから、あなたや千歌ちゃんのように前を向き続けていたいと思うのです。








だから私はあなたを信じます。
あなたの欲しがる輝きを目の前で見たいから。



最後に少しだけ…
大阪公演も2days怪我もなくライブは完成することができたみたいですね。
(きんちゃんの喉の調子が少し心配ですが…)
福岡公演もビックリされちゃいましょう!

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