僕らの街に声優がやってきた
今回は4月に行われた「アニワラSpecial in 沖縄」のレポートを書いてみる。それと一緒に、距離が遠すぎて普段イベントに参加できていない地方民の想いも綴ってみた。そんなの要らんからセットリストだけを教えろって方は、ず~っとスクロールしていくと纏めたものがあるのでそれをご覧頂きたい。時間あるよって方は是非このまま読んで頂ければ幸いである。
☆「アニワラ」レポ
4月21日、沖縄国際映画祭(島ぜんぶでおーきな祭が正式名称みたいだけどイマイチ浸透してない)のイベントの一環で「アニワラ」がなんとこのアニメ不毛の地、沖縄で行われた。
「アニワラ」といえばアニメ好きで知られるお笑い芸人、「天津」の向が主催するアニメソングとお笑いを融合させたイベントである。声優さんによる、ライブパートや主にアニメをネタにしている芸人さんによるネタ披露。またお互いでゲームやトークコーナーもあったりと、いろんなアプローチでお笑いと、アニメソングを堪能できる内容となっている。
この沖縄で開催されるアニワラにはなんと、内田彩、楠田亜衣奈、田所あずさ、渡部優衣と私の中ではかなり嬉しいラインナップで出演することが、分かりサービス業にとってはなかなか言い出しにくい、土曜日の休み希望に踏み切ったのである。
ラブライバーである私にとってやはり、出演者欄の「内田彩」「楠田亜衣奈」の名を観た当初はかなり衝撃が走った。今や数多くの声優がいる中で、私が特にハマったアニメの9分の2が地元まで来てくれる日が来るなんて、夢にも思わなかったからだ。また実際にイベントを東京などの現地で行くならば、まず最低でも2日間の休みをもらい、交通費や宿泊費諸々で、ざっと4~5万円は払っていざ出発という具合である。それが地元ならば車のガソリン代約2千円程で行けてしまう。金額で比べるのは少し野暮であるが、数字で表すとやはり顕著である。
4月21日の空はとある声優の雨女の力か否かで、雨模様であった。晴れていたら絶景であろう入り江の近くにステージは建てられ、前にはパイプ椅子が並べられており、その後ろは立見席といった具合であった。アニワラのイベント前は吉本芸人によるお笑いステージが行われており、そのイベントの途中から、私が現地に到着した時にはもう座り席は埋まっており、仕方なく立ち見でお笑いステージを観ていた。座り席にはお笑い目当てできた客と、アニメキャラが堂々とプリントされたTシャツを武装している客と、「こんな機会は無いから」と取り合えず観に来たであろう客が見受けられる。もう少し早くに家を出れば座れたかな…と、反省しているうちにお笑いステージが終わり、チャンスが訪れる。お笑い目当てと取り合えず来た客たちが続々と帰っていくではないか!急いで列に並び、空いている席を一緒に来た妹と探し、気づけばこんな席に座っていた。
ステージ近っ!!!!!!!
なんと2列目に座ることができた。待っている途中雨も強くなってくるがそんなものはもう何てことはない。冷めやらぬ興奮を抑えつつその時を待ち続けた。
15時になり、いよいよその時間がやってきた。まずは渡部優衣のステージから…ってか足細ぉ!背デカぁ!その細い手足を動かして振り付けを入れながら「スペアミント」と「常夏ココナッツ」を披露。そしてより強くなる雨。それでもゆいトンが観られるならと思えるほどの至福の時間を過ごす。
お次は芸人さんも交えてのゲームコーナーに入るや否や、すっと出てきたのは新曲「ハッピーシンキング!」の衣装をまとった楠田亜衣奈。小さっ!顔も背も小さっ!!相変わらずの見切り発車の暴走ぶりも見せつつゲームコーナーは終了。
そして楠田亜衣奈のライブコーナーへ、もちろん曲は新曲の「ハッピーシンキング!」。某天才名探偵のようにも見える可愛い衣装で踊ることで、動くたびに小柄さが強調され、なお可愛いさが増していく。アカン。好きになってしまう。そして曲は「夏ハジメマシタ☆」へ。野外ステージの醍醐味と言える、サビにタオルを振り回して盛り上がる曲。なおこの頃には雨は少し止んでいた。
次は芸人さんによるネタ披露のコーナー。まず最初はR藤本と稲垣桜の2人による漫才。2人の漫才を観たことは無かったのだが、お互いのキャラクターゴリ押しのボケだけでなく、しっかりと型通りの漫才をしていたのが正直意外であった(何様)。続いては、ガンダム芸人若井おさむによる一人コント。妹がハマれなかったように、残念ながら今回のアニワラの客層がガンダムを知らない方が多かったようで(かく言う私もそうなのだが)、ボケる度に説明を入れる一連の流れがすでに面白い。普段生で観ることのないお笑いネタも楽しめるのがアニワラの魅力である。
声優によるライブコーナーでは田所あずさが登場。私が唯一、ころあずで知っている「DEAREST DROP」を歌ってくれた。まさか自分が知っている曲が歌われるとは思ってなかったので、イントロを聴いた瞬間の胸の高鳴りは今でも覚えている。いやいやそんなことより歌がお上手。2曲目の「純真Always」で初めて聞いた曲でもノリよく盛り上がることが出来たのは、やはり彼女の歌唱力とステージングがなせる業ではないだろか。あとすごくいい人そう。
この日最後のライブコーナーを任されたのは内田彩。天津向も呼び、2人で「ギリギリ最強あいまいみー」を披露。歌い終わった後、向の「この曲はよくアニワラで披露するが、誰も俺のことを見ていない」のコメントは秀逸。そう。誰も見ていない。そしてMCに移ったのだが、向がラブライブ!の、内田彩演じる南ことりがプリントされたTシャツを、アメトーーク!の収録中に着ていたのにも関わらず全く触れなかったという話題から、私がこのイベントに来て本当に良かったと思った瞬間(本当に2~3秒の瞬間であった)が訪れた。
ほんの一瞬ではあるが、うっちーが南ことりを演じてくれたのだ。先ほども述べたが私はラブライブ!が特にハマったアニメである。しかし、アニメを知ったのはアニメ2期の終わりごろ、ライブの抽選も申し込んだのだが、結局チケットは当選せず、μ'sのライブを一度も観ることのできないままμ'sはファイナルを迎えてしまった。だからこそ、もう会うことは出来ないだろうと思っていた。しかし会えたのだ。ファイナルから2年も過ぎた今、南ことりの声を聴くことが出来た。この感動は何物にも代え難い。そしてこんな形でも、μ'sに会えるんだという可能性を感じることが出来たのが何より嬉しかった。
少し放心状態の私をよそにライブは続く。お次は東京から持ってきたという、けものフレンズのカバンちゃんの人形を手にはめ、うっちーは歌いだしの歌詞を間違えた向と一緒に「ようこそジャパリパークへ」を披露する。この日のイベントに参加しているものならば、ほとんどが歌える曲だけに会場の一体感は爽快であった。MC中のうっちーを観て思ったのだが、彼女のふわふわした雰囲気の中に、そこそこ刺さる言葉を放つ感じ、状況に合わせて求められている内田彩像を演じ分けているようにも見えた。頭良いなあの人。
全員のライブコーナーを終えた後は、田所あずさ、内田彩の声優陣も交えてのゲームコーナーへ。ここでも「痛烈な毒を吐く」内田彩が冴えわたる。ゲームの企画も天津向に対しての不満やヘイト(悪口)を、向自身が出演者の誰が挙げたヘイトなのかを当てるというコーナーから、声優陣の特性も抑えた企画を作っているイベント運営の、意欲がみえるコーナーとなった(何様)。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、出演者全員を迎えてのエンディングへ。ここで衣装の帽子を取り、髪をポニーテールにあげ、さらに縁が太めの眼鏡姿で楠田亜衣奈が登場!これは可愛い…。コナンからアラレちゃんになったくっすんの名探偵風のボケをオチも考えずにやる、2本目の見切り発車を出発させ、終始笑いが絶えないままイベントは幕を閉じたのであった。
一言でいえば楽しい。それを思いっきり言える素晴らしいイベントであった。これが入場無料の観覧無料で観ることが出来るとは、いまだに信じ難い。大満足で帰る車内で、私はこの地元「沖縄」で、このようなイベントを観れたことに思いを巡らせてみた。
☆ある地方民の所感
俗に言う都心部から離れた「地方民」は、ここ沖縄でも例外ではなく、民放3局しかないこの地では、アニメ不毛の地と言われても仕方のないことである。まずそもそも陸続きではないため、内地(沖縄では本土のことを内地と呼ぶ)に行くだけでも苦労する。よってイベントに参加することを諦めてた者も多いのだ。福岡、頑張っても鹿児島で止まる全国ツアー公演に涙し、幼少期には「テレビ東京」の意味も分からず、夕方5時にチャンネルを替えても替えても一向に見つからないアニメ番組に涙し、そして今は何故か夜中2時に、放送しているONE PIECEに困惑する私たちがいるのだ。
だからこそ今回のイベントにはその溜まりに溜まったフラストレーションを爆発できる機会として行われたアニワラin沖縄に、感謝と感動が溢れ出ているのだ。確かにあの日、あの場所には我々、地方民の激情が詰まっていた。それを共有できたことが何より私は嬉しいのだ。
最後に、若手女性声優のイベントなんてなかなかお目にかかれない。普段涙を飲んでいる地方民よ。もし奇跡的にあなたの地元で行きたいイベントがあるのならば、躊躇などしなくていい、行くべきだ。そして楽しかったことをあなたなりの表現で発信した方がよい。その声こそがまた次のイベントに繋がるはずだからである。立ち上がれ、地方民よ。(図らずもガンダムネタで今日はお開き。)
☆アニワラ in 沖縄 出演者セットリスト
・渡部優衣
「スペアミント」
「常夏ココナッツ」
・楠田亜衣奈
「ハッピーシンキング!」(新曲)
「夏ハジメマシタ☆」
・田所あずさ
「DEAREST DROP」
「純真Always」
・内田彩(2曲とも天津向と披露)
「ギリギリ最強あいまいみー!」
「ようこそジャパリパークへ」
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