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約4500文字で綴るふわふわ漂う小旅行

 さぁさぁ寄ってらっしゃい見てらっしゃい!珍しいものが完成したよ!ほらほらそこの人!そうそうあなたですよ!あなた!ちょっと見てみてよコレ!!この度、ウチが総力を挙げて完成させたこのタイムマシンを見t…あぁもう!帰ろうとしない帰ろうとしない!!全然怪しくないから!!

 そうなんだよ。これタイムマシンなんだよ。全く信じてくれないね、あなた。この押し問答軽く20分は続けているからね。
 あれ?今「このフォルム、どっかで見たことあるな……」って顔で、マシンを見てたでしょ。
 ……そうだよ。ドラ〇もんのアレだよ。アレ見てフォルムは参考させてもらったからね。だって座イスあるでしょ、歯医者でよく見かけるライトみたいなの付いてるでしょ、んでなんか……なんかこう……全体的に、プールに浮かんでるマットみたいに見えるでしょ?SFコミックの金字塔からのオマージュだからねオマージュ。パクリじゃないからね。

 まだコイツは、試作段階で動力が足りないから、原始時代とか2X00年みたいな、すっごい昔や未来には飛べないんだけど、れっきとしたタイムマシンなんだよ!んじゃ説明もしたし、早速乗ってみよう!!
 ……何帰ろうとしてるの?あなたも乗るんだよ。だって僕だけじゃない誰かが乗らないと、歴史の証人にならないじゃない!大丈夫大丈夫。まずはここ一週間ほど経っている過去に戻るだけだから!

 それはそうとあなた、ここに居るということは、ラブライブ!が好きなんだろう?かく言う私も好きでね。あの歴史的な瞬間があった5月30日に戻って、またあの感動の追体験がしたくて、このマシンを造ったわけだよ……え?さすがに導入が無理やり過ぎないかって??バカ言え。ブログの中ならな、総理大臣にも発明家にもなれるんだよ、メタなこと言わせんじゃないよ恥ずかしい。
 さて、無理やりな導入も終えたことだし、月日を2019年の5月30日に戻してみよう。んじゃ私は、この流れのためだけに着てたお茶の水博士みたいなコスプレは脱ごうね。暑いんだよコレ。

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 これ本当に驚いたよね。またμ‘sに会えるんだ!とも思ったし、それぞれのグループが同じひとつのステージにあがった時、どんな化学反応が起こるんだろうってワクワクしたものだよね。

 そしてマシンに乗って、あなたが今降り立ったここ。ここは私の働いてる某中華料理屋だね。ほら、前で配信を見るために、この日の休憩の時間を調節して、営業準備中の客用個室の椅子で座っている男がいるでしょ。あれ、私ね。あ、コイツ今ガッツポーズしたね。おそらくラブライブ!フェス開催を知ったんだろうね。大きい声で喜びたいけど、職場だからって声殺して、大きなため息をついてるみたいになってるね。気持ち悪い。
  声を殺したものの、大きい動きで喜んじゃったから、今更周りを見渡しているね。自分で人目のつかない個室に移動してるのにバカなのかな。
  上向いてるね。あ、コイツちょっと泣いてるね。その後コイツ「泣きたいけど、今職場だから泣けない」ってツイートするんだけど、もうこれ既に泣いているからね。んでこのあとコイツ、何食わぬ顔して現場に戻って、また接客するんだろうね。気持ち悪い。

 マシンの運転手が私だったから、私の記憶にある過去に戻ったようだね。いやいや申し訳ない。ところであなたはこの5月30日の瞬間はどこにいたのかな?私のように職場だったのかな。それとも学校?もしかしたら、生放送で配信は観ていなくて、アーカイブ配信で知ったのかも。

 フェス開催を知って、喜ぶ人、何でやるの?って思った人もやっぱりいると思う。そして今から思うことは、喜んだ人にしか限定できないかもしれないけど、改めてラブライブ!で貰えるものって、次へに向けた「期待感」なんだと思ったんだ。

 ラブライブ!フェスを知った時に、これから何が起こるのだろうって、ワクワクしたし、それ以外の情報を知った時も、まだまだたくさん用意されているプレゼントを早く開けたいって思ったし、私はこの瞬間、たくさんの次への期待で胸いっぱいになったんだよね。

 ライブを観ている時だって、どんな曲をやるんだろうって思ったり、アニメや映画、グループにとってのストーリーを経て歌い踊るこの曲は、どんな気持ちにしてくれるんだろうってドキドキさせてくれる。観終わったあともまたこれからも頑張ろうって、前を向ける。ライブを観終わった自分に、次への期待を寄せることが出来る。
 でもみんながそうとは思わない。ライブ後、こんなに彼女たちは頑張っているのに自分は何をやって居るのだろうと感じる人もいると思う。ぶっちゃけ私も「そっち側」だ。
 だけど何やってるんだろうと考えてる時って、否が応でも、今までの自分と向き合っている時なんだと捉えられるし、その「今までの自分」と向き合うには「ソイツ」よりも「前」に立たないと向き合えない。だから「ソイツ」よりは一歩前に進んでいるんだと思うんだ。
 これって新しい自分に「変わりたい」って思わなきゃ、こんな気持ちにはならないと思う。心のどこかで新しい、次への自分に期待しているんだと思う。いつのまにかラブライブ!からそんな気持ちを貰っているんじゃないかな。

 多分ここまでは経験した方はいるはず。でもここから、今までの自分である「ソイツ」から振り返って、ソイツより「前」に立った状態で「前」を向くこと、これがまた億劫で、痛くて、大変なんだよね。
 私も何度もコレをライブの度に経験して、もう嫌になっちゃった。だから4thライブの終わりに「やるぞ!」って記録としてのブログを残して逃げ道塞いじゃった。意地でも振り返らせたって感覚。

  振り返ったは良いものの、そこから進んでいるかは分からない。とりあえず今はそれまでやろうともしなかった検定試験を申し込んで、直近の5thライブで貰った次への「期待感」で自分を焚きつけて動こうと思う。

 散々喋ったけど、全然説得力が無いね。せっかくマシンもあるから、説得力のある彼女たちに教えて貰おうか。さぁ乗って。2017年は12月16日まで戻ろう。

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 この日の放送回はラブライブ!サンシャイン!!2期の第11話「浦の星女学院」。最高に楽しそうな鞠莉ちゃんが素敵だね。
 なんでこの日に戻ったのかと言うと、たくさんのラブライブ!サンシャイン!!のストーリーで、最も次への期待感に満ち溢れている話だと思ったから。浦の星女学院の閉校が決まったことを受け入れての閉校祭。終わることを受け止められるから次へと、前へと進める。
 そしてこの回では鞠莉の言う「未来に向けて歩き出さなきゃ、いけないから」の「未来」を具体的に、鞠莉の前に話す梨子が「終わりが来てもまた、『明日』が来ることを知っているから」と教えてくれている。
 「未来」となると凄く遠いことのように感じるけど、実はそれは「明日」という凄く近い存在。進む方向は明日という着実な一歩で良いんだと教えてくれているんだよね。そんな明日へと期待を寄せる。もっと明日へと期待を寄せられるように、もっと遡ってみよう。

 鞠莉や梨子、Aqoursのみんなによる、モノローグの前、空へと飛んでいたのは、無数の風船たち。

  その風船は「浦女ありがとう」という終わりを受け入れることを具現化したものから、飛び放っていったものだったね。

 ふわふわと浮かぶ風船は、どうなるか分からない明日への期待を寄せる浮遊感を表していて、その風船の数だけ、無数の期待に溢れているように私には見えたんだ。

 この期待を表すかのような風船。もっと過去に戻って追いかけてみると、サンシャイン1期の1話からあったんだ。2016年の7月2日まで戻ってみよう。

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始まりとなった秋葉原の空には……

アニメーションの最初のカットにそれは映っていたんだ。

 この秋葉原で飛んだ風船を追うため、更に2015年6月13日の秋葉原の空まで戻ると、皆さんご存じの通り……

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 スクールアイドルの素晴らしさを伝えたあの日から、期待は飛ばされていたんだ。

  SUNNY DAY SONGの歌詞中にもある「明日への期待がふくらんでいい気持ち」のようにこの日彼女たちが込めた願いも、明日という小さな未来に期待を添えれば、高く跳び上がれるよというメッセージがあったんじゃないかな。

 ほんの一週間ほどの旅のつもりだったのに、いつの間にか4年も前まで遡ってしまったね。でも明日への期待感で膨らんだ風船が、作品の垣根を越えて現れたことで、「期待感」って「つながり」を生んでくれるんじゃないかと分かったんだ。

 あなたが出会ったこの作品も、この作品から出会って、今も交流を深めている方々も、「これから一体、何を見せてくれるのだろう」という期待感があってこそ、ここまでやって来れたんじゃないかな。風船に託した、明日を想い続けるつながりが、ラブライブ!からラブライブ!サンシャイン!!へとつながったように、今も途切れず追いかけ続けられているのは「期待感」があったからじゃないのかな。やっぱり私もあなたも、ラブライブ!シリーズから次への、ひいては明日への「期待感」を貰っていたんじゃないかなって思うんだよ。

 そう思ったら、早くライブを観て、溢れ出てくる期待感で、自分も動き出したくなったんじゃない?それじゃあ帰ろうか!
 あれ?さっきよりもマシンの調子が良くなっている……?言い忘れてたけど、このマシンの動力源は「ワクワク」や「ドキドキ」なんだよね。今ならどこにだって行けるかもしれないけど、明日のために、イマに戻ろう!

さぁ乗って!出発だよ!!






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 ここは……?あれ?ライブ会場??大変だ!動力が大きくなって、2019年6月8日に着いちゃったみたいだ!これはマズい!早く帰らなきゃ盛大なネタバレを喰らっちゃうよ!あぁ!銀テープが落ちてるのを見かけちゃったし、これライブ終盤の終盤だよ!!

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  …………あれ?今流れた曲…どこかで聴いたことあるね?多分劇場版のサウンドトラックからだと思うんだけど、私すぐにタイトルは出てこなくてね。
  一分も満たないすごく短い曲だったけど、何だか気持ちが凄く熱くならなかった??
 おぉ。その後は会場全体から割れんばかりの拍手が響いているね。会場にいる人みんなが、明日への期待感に満ち溢れていて、なんて温かくて、綺麗な景色なんだろうな……!

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そんな未来に期待を寄せて。
2019年6月6日。



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