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がさつな人ほどメカニカルキーボードを買うべきと思う理由

高河さんからヘルプコールがきた。
「助けて、パソコンの電源が落ちて反応しないの」

高河さんのパソコン使用歴は長い。だから大抵のトラブルは自身で解決してきているのだが、ただ一点、彼女の手に負えないのが、ハード的な故障。

見るからに壊れてしまった状態になった時、彼女は私にヘルプコールする。

どうせ買い換えになるのなら、その前にやるだけの事はやってみようと
最悪、本格的に壊してしまうことを承知して貰い、デスクトップの本体ケースを開けてみる。

魔境が現れた。

購入後、一度も開けたことがないケースの内部には、凶悪なまでの埃の堆積層ができていた。

おおまかに埃を除去、冷却ファンの羽に溜まった埃も綿棒で丁寧に取る。
次にCPU冷却ファンを外して、乾燥しきったCPUシリコングリスを除去して、新しく塗り直す。

冷却機能が落ちて熱暴走でダウンしたのかと思っていたけど、電源を入れ直してもピクリともしない。

赤い警告灯のようなランプが一つ付いているので通電はしている。

過去ノートパソコンを修理した時を思い出し

マザーボードのCMOS電池を交換したら、無事に再起動した。

聞くとずいぶん前から調子が悪かったとのこと。
起動時に変な音がしたり、いきなり電源が落ちたり。その症状が出始めた時点で教えてくれたら、もっと早くに電池交換したのに。

このように
大抵の故障は分解掃除すればなんとかなると私は思っている。

おそらくこれはキーボードにも当てはまるのではないのだろうか

ある日のこと、高河さんから、再々……のパソコンヘルプコール

「助けて、キーボードが反応しないの」


高河さんは私がUS配列のNizキーボードに切り替えた時にお下がりした、オウルテック製JIS配列のキーボードを使っている。
確か当時もキーボードの調子が悪いと行っていたので、まだ使えるオウルテックを譲ったのだ。

底ネジを外して、ケースの隙間に専用のこじ開け器具を差し込み、分解して中を確認する。
基板が見事にカフェオレまみれになっていた。

『ちょっと、その、飲みながら作業していたらコーヒーを溢してしまって』

ちょっと…とは…??

スペースバー辺りにびっちゃりとカフェオレ色の水たまりができている。

これがホットスワップのキーボードだったら、基板、スイッチ、キャップを外して、完全分解でクリーニングできるのだが
2019年購入のオウルテックキーボードはスイッチが基板に直接はんだ付けされているため分解不可能なのだ。

視認できる範囲で水気を拭い、綿棒で汚れを取る

なんとか無事に通電してタイピングは可能になったが、不安は拭えない。

カフェオレに含まれる牛乳成分、除去仕切れてなければ腐食の可能性が高いのだ。

この騒動から2週間後再びヘルプコールが

「このキーボードやっぱりだめじゃん!いきなりgがgggggggggggって連打されてデータが壊れたーーーー」

えぇぇぇ……腐食が進んじゃったかぁ。メカニカルキーボードだから耐久性はあったのに。残念だ。

キーボードチェッカーアプリで反応しないキーを確認すると

確かにGが打てない。

キーボードを再び分解してみると
隙間にみずみずしい水滴が基板の隙間から見える

………えっ?この前のまだ残ってた?

よく見るとそれはコーヒーの茶色では無く透明な液体

高河さんは懲りずにまた水をぶちまけたらしい


キーボードに罪は無い。
駄目なのは……


私に出来ることは見える範囲の水分除去だけである。
ネジを外してケースを分解し、基板を無水エタノールで拭く。

前回除去し損ねた牛乳成分が固まった箇所をつまようじでこそぎ取る。

これで駄目なら、新しいキーボードを買いに電気屋に走るしか無い。
不注意で壊してしまうのなら、拭き取り掃除がしやすい分解可能なホットスワップ型のキーボードの方が良いのでは?
と勧めてみたが

3万円もするキーボード?
3,000円のキーボード10回買えるじゃん、流石のわたしも10回は壊さないと高河さんは言い張る。

いいと思うんだけどなぁ。
だって掃除しやすいし、水ぶちまけてもすぐに分解してリカバリーできるんだよ。

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