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ペリカンインクに注意せよ☆カヴェコ万年筆が腐食した話

引き出しの中で眠っていた万年筆、久しぶりに使ってみようとキャップをひねってみたらびっくり、ペン先が茶色に錆びていた!!

というお話です。

今回犠牲になったのは Kaweco カヴェコ スポーツライン  首軸クリアー金メッキゴールドEFニブ。
チョイスチョイスイベントで作ったオリジナルカラーモデルです。

うううううっ……

Kaweco スポーツ万年筆とは

長さ約106mm、キャップを尾軸にポストした状態での筆記時は133mm。
軸はシックなダーク系の黒、緑、青から、ポップなクリーム、モーヴ、華麗なモザイク樹脂、アルミ軸などバリエーションが豊富。
ショートサイズなので持ち歩きやすく、書きやすい万年筆です。  

舶来万年筆の入門としても手が出しやすい価格帯の万年筆。
2024年現在の価格は4,000円~
美しいカラー軸が毎年発売され、コレクションする愛好家も多いです。

https://x.com/PRECO_CORP/status/1765207160152355068  より

上記のパール軸とは別に、文房具店で行われたカヴェコのチョイスチョイスイベントで作成した2本を私は持っています。


KAWECO チョイスチョイス イベントとは
スカイラインスポーツモデルをベースにして、首軸、キャップ、ボディ、ニブ(シルバー、ゴールド)、各パーツ好きなカラーを選び、その場で自分オリジナルの万年筆組み立てて貰えるイベントです。
文房具店やイベントにて不定期で開催されます。

 日程や開催場所など、詳しくはカヴェコ日本代理店のプリコのイベント情報でご確認を


選択パーツに通常販売品にはない透明軸が入っていたので、横浜の伊東屋まで作りに行きました。

カヴェコは純正のコンバーターか、欧州共通規格のカヴェコ純正カートリッジを装着して使用することになります。

一本はコンバーターを選択して、もう一本はカートリッジで使ってみることにしました。

カヴェコの純正カートリッジは以下の10種類

これと思う色が無く、迷っているときにふと思いついてしまいました。


欧州規格のショートタイプなら、せっかくだから、憧れのペリカン純正のカートリッジを使ってみよう!

色はロイヤルブルーで。

これが後年、大変な事態を引き起こすことを知らずに。

ペリカンインクは取り扱い注意


ペリカンの純正インクといえばブルーブラック。100年以上の歴史あるインクで改良に改良を重ねたペリカン超王道のインクです。

本当はブルーブラックを使いたかったのですが、このインク、初心者には危険なインクであるということは万年筆沼に片足をツッコミかけていた当時の私でも知っていました。

万年筆はインクが原因で腐食することがある

万年筆のインクには大きく分けて
①染料インク
②顔料インク
③古典インク
の3種類あります。

①染料インクは水溶性です。水に滲みやすく、退色しやすいデメリットがあるけれど、ニブなどに詰まりにくくメンテナンスがしやすい。
バッグ内でキャップが外れてインク漏れを起こしてしまったとき、洗濯で回復可能なのが染料インクです。

②顔料インクは耐水性に優れている反面、成分が固着しやすいデメリット。ドライアップする前にクリーニングする注意が必要。
セーラーの極黒は顔料インクです。

③古典インク。酸性。文書を長期保存するために開発された耐水・耐光性に優れた歴史あるインク。色の濃淡がくっきり出るので愛好家が多い。
酸性インクがメッキを溶かしてしまい、錆びてしまうというデメリットあり。

ペリカンのブルーブラックは三番の古典インクです。一度は使ってみたいとても気になる色だったのですが、デメリットが初心者の私には厳しくてとても使う勇気がもてなかったのです。

14K、18Kを使った万年筆ならニブに錆は出ませんが、首軸飾りの金環パーツが腐食してしまう可能性はあります。

ペリカンブルーブラックは古典インクということは知っていたので、
これを避けてロイヤルブルーのカートリッジを購入して装着しました。


カヴェコ最高ーーー!

カクノとラミーを使っていた私にとって初めてのショートタイプ万年筆だったので、その可愛さに心撃ち抜かれました。
小さいモノっていいよね!

国産万年筆だったらM字級の太さだったカヴェコEF。元から手帳運用を考えてなかったのでそれは問題なかった。

インクがドバドバ出て楽しい。
書き心地が良すぎて、専用のペンホルダーを自作して、M5サイズのバインダー式メモ帳を自作して持ち歩き、使い倒しました。
故障してしまっても、修理に出して使い続けました。
主にコンバーター軸の方を

当時はパイロットの色雫インクシリーズ『月夜』を気に入っていたので、カヴェコ軸にも月夜を入れて使っていたのです。

その結果、カートリッジの方をすっかり忘れてしまったのです。

数年後、どうなったかというと

見事にメッキが剥がれました。

久しぶりにキャップを外してみたら、ペン先が茶色になっていました。

ん?セピアのインクを使ってたっけ?

と間違うくらいに茶のさびがニブにこびりついていました。

水で洗浄しながら、優しく撫で擦ったら塊がポロポロ剥がれ、ついでに金メッキも剥がれて無残なことに。

これが今後入手不可の限定品だったらショックで頭かきむしりながら床転げ回ったところだった。

汚れを落としながら、わたしは心穏やかに自分のミスを見つめることが出来ました。

なぜかというと

カヴェコのペン先は取り替え可能

カヴェコはペン先ユニットを別売りしているので、ペン先を交換することで修理が可能なのです。

https://preco-corp.co.jp/brand/kaweco/

これ、思い切って14Kニブに交換しちゃおうかな……

https://preco-corp.co.jp/brand/kaweco/

カヴェコ8本買えちゃう値段だけど……

ペリカンインクは要注意

ペリカンのブルーブラックだけでなく、カートリッジのロイヤルブルーには注意が必要です。

カートリッジを挿しっぱなしにして長く放置しないこと。
大前提として、使わない万年筆は洗浄して保管すること。



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