【財務】予算策定、トップダウンによる目指すべき展開

予算策定のあれこれ。今度はトップダウン編です。

◯全体目標の設定
・会社全体としての目標数値を決定する
・KGIをどうするか、が重要。営業利益なのか?営業利益率なのか?売上成長率なのか?ROEなのか?何を追いかけるのか、をしっかり決める

◯ガイドラインの設定
・全体目標を踏まえて、部門ごとのガイドラインを設定。ここが最難関。基本、正解はなく、絶対に異論、反論があるという前提で考える
・全社と同じKGIを追わせるのが基本。全社目標と現場目標のダブルスタンダードは手間が増えるだけである
・ここでのポイントは、ガイドラインの根拠。基本は全社で考えた根拠をそのまま適用する。個別事情について考慮するとキリがなくなることが多いので、トップダウンで一律で進めるべき。
・どうしてもの場合でも、基準を決めておくこと。個別事情を言い出すとキリがない。最善最適のガイドラインよりも、ルールに従ったそこそこ適切なガイドラインを優先する。なぜならば、ガイドラインは全現場へのルールであり、個別事情が通る前提になると、ガイドラインへの信用が薄まるから。 

◯個別調整
・ここでのスタンスがトップダウン派かボトムアップ派か、で変わる。
・トップダウン派の場合は、基本はガイドラインに従ってもらい、調整は例外としていく。つまり、何を言われても、ガイドライン通り、と話す。
・ただし、ガイドラインの精度が低い場合は、強力には突っ張れない。ガイドラインができない理由をしっかりとヒアリングして、数値の落としどころを見る。こちらのアプローチの方が現実的ではあるが、言ったもんがちにならないように注意が必要です

◯事前会議
・個別調整を踏まえた上で、数値がどこまでになりそうか、を全体で集計
・経営層と、全体の数値、各現場の数値をどこまでもっていくか、を握る

◯予算審議
・経営層と現場トップで予算審議。
・大切なのはフォーマット。数値ができるかできないか、を見るための根拠が明確になるフォーマットとすることが大切。

どうでしょうか?ここまで理想どおりにいかない、という方が大半かもしれません笑。それは以下の理由によります。

▼皆が目指すべき全社数値が存在しない
→目標問題
・全社で目指す数値を根拠をもって出すことは簡単ではありません。成長率10%といっても、それが妥当か、は理屈では測りづらいでしょう。
・そのために中期経営計画を策定します。全社として5年後、3年後に目指す姿、1年後に目指す姿と考えます。将来目標から割り戻した数値を目標にします。ここで、「全社として目指す姿。そなための数値」をコミットしておくと、目指すべき数値の根拠になります。

▼事業構造がわからない
→予想問題
・将来の数値なので読みがたい、のは、仕方ない部分があります。しかし、大切なのは、「売上予想があたれば、利益予想はある程度あたる」という状態を作ることです
・つまり、事業の収益構造、を明確にする必要があります。本来は予算時に作るべきですが、現実には難しいでしょう。そのため、予算や決算を避けた閑散期に分析を定期的行うことです。これを数回繰り返せば、精度高く構造を見抜くことができます。

▼経営が現場には妥協しがち、など、組織がうまく動かない
→組織問題
・予算では経営と企画が一体となって、役割分担で臨むべきです。経営の役割は、意思を出すことと決定、です。
・企画の役割は理論武装と感情面の地ならし、全体のハンドリングです。経営層のコントロールも当然の役目です。
・組織上でうまく動かないところは、調整が必要になります。ただ、組織問題はおうおうにして大きいです。これは、普段からのコミュニケーションやプレゼンス発揮で、「あいつのいうことは聞かないと」と思わせることが大切、つまり地道な普段からの信頼向上が大切です。

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