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ギフトショーに向けて

吉正織物工場×福川登紀子=ユニセックスブルゾン(広幅化)
南久ちりめん×岡田倫子=デニム生地(交織化)
タケツネ×仕立屋=ベビーアイテム

3つのチームがそれぞれに取り組む製品開発。
そのひとつの目安として設定したのが2月のギフトショー出展。ここでの反応や評価を、各取り組みに生かすのがねらいです。

出展するのは、第89回東京インターナショナルギフトショー。日本最大規模のパーソナルギフトと生活雑貨の国際見本市で、東京ビックサイトを会場に約3000社が出展。
カテゴリやテーマごとにコーナーがあり、本プロジェクトとして2つの企画展へ出展することに。

そのひとつが、「『LIFE×DEIGN』SOZAI展」。
ーー日本のモノづくりを支える『素材』を、『素材そのもの』として提案。これまで『モノ』を作ってきた素材を、建築や内装、アートといった新たな分野にも広げます。ーー(公式サイトより)

「技」そして「伝統」、「地域特性」など素材にまつわるストーリーをPRし、素材そのものに加えその技術の応用を提案できる場です。
ここでは、これまでに各チームが取り組んできた開発物を単にプレゼンするのではなく、白生地の産地としてその技術と品質を伝えつつ、白生地の新たな可能性を提示できるような展示空間を構成。呉服の枠を超えたさまざまな業界に関心をもってもらうことが目的になってきます。

そこで出展名として名付けたのが「THE 白生地産地 長濱シルク」。
出展ブースの企画・デザインをコーディネートするのが、仕立屋と職人の石井挙之さん。コンセプトデザインなどを手がける手腕をもち、プロジェクトとは別に個人ディレクターとして担います。

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(3チームが進捗状況などを報告しあう定例ミーティングで、出展ブースの構築について説明する石井さん)


白生地のすばらしさを伝えるために。

設営企画にあたっては、まず石井さんが吉正織物、南久ちりめん、タケツネ各事業所にヒアリング
白生地の「伝えたいこと」「検証したいこと」「期待する効果」「どんな人に関心をもってほしいか」などについて事業者の思いを抽出していきます。

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「浜ちりめんは、白生地の世界でも最高級の品質をもつと自負しています。原料の生糸の質を見極めることはもちろん、自社製造で手をかけ、目をかけて糸を作り生地に仕立てます。だからこそ決して安価ではない。その価値を理解していただけるような層に届けたい。例えば『誰も持っていないものを持ちたい』と思うような人。そんな層とマッチングを生むきっかけの場にしたいですね」(吉正織物 吉田和生さん)


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「水を使って強い撚りをかける八丁撚糸は、浜ちりめんならではの技。今回交織の取り組みで、麻やウールの撚糸具合を変え、ストレッチ性や生地の風合いをあれこれ試せているのも、八丁撚糸の応用力があるからこそ。
我々は、単に織りの業者ではなく、糸から作れる機屋という強みがある。『こんな生地を作りたい』というようなパートナーと、共同で開発していけるようなビジョンが生まれるといいですね」(南久ちりめん 長谷健次さん)


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「輪奈ビロードという生地の魅力を感じてくれるのは、いったいどのような層なのか。肌にやさしい天然素材という魅力が最大限に伝わるアイテムと仮定したのが、ベビーグッズでした。ギフトショーではこの仮定の反応をきちんと拾って、本格的な製品化の足がかりにしたい」(タケツネ 武田規与枝さん)


さらに精練を担う浜縮緬工業協同組合、南久ちりめんチームの岡田倫子さんにもヒアリング。

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工場長の松崎修さん。織った生地はここでの精練、検印を経て初めて浜ちりめんが名乗れる。生地づくりの最終工程であり、ここで生地の風合いが確定するため、生地生産者との細かな調整が欠かせない。松崎さんは精練一筋40年の大ベテランとして現場を統括する。


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岡田さんは滋賀県東北部工業技術センターの職員。センターでは、県内の企業に向けて化学、環境、 繊維、機械、金属、デザイン等に係る専門職員による技術相談、試験機器利用などを通じて支援。岡田さんは繊維の研究者として、白生地に関わっている。


それぞれの立場からの思いはあるものの、どこにも負けない技と品質だと確信しているのはみな同じ。これを来場者に訴えていくためにはーー。
構築を進める石井さんは「白生地を実際に体感できるようなブース」だと考えます。

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SOZAI展へはこのロゴを目印にご来場ください!

間近に迫った1月半ば、SOZAI展のブースのロゴが出来あがってきました!!

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浜縮緬工業協同組合のマークをベースに石井さんが作成したもの。
精練後の検品で押印されるのがこの印でもあり、長浜白生地ブランドの証とも言えるものです。目印になるようにブースに掲げる予定とのこと。


最後になりましたが、2つのうちの出展のもうひとつが「feel NIPPON」。
日本各地の小規模事業者と商工会議所が連携し行う、特産品や観光商品の全国展開プロジェクトであり、ギフトショーはそれらの特産品や観光商品の販路開拓・拡大の場
SOZAI展とは異なり、実際の製品などをPRし、商談へとつなげていきます
こちらの出展は、事務局である長浜商工会議所がコーディネートし、各チームの試作品を中心に展示する予定となっています。

2つのブース、どのように仕上がってくるのでしょうか。
来場者の反応は? 続きます!