キャリアづくりとは作品づくり
以前に、キャリアとは掴み取りに行くもの(点)ではなく、自分が描くプロセスそのもの(線)であるということを「キャリアとは轍(わだち)である」という言葉で説明しました。
充実したキャリアとは充実したプロセスに他なりません。
今回は、「充実したプロセス」とはなんなのかについてお伝えしてみます。
理解しやすくするために、充実していない場合から考えてみようと思います。
プロセスが充実していないとは何か?
”キャリア”とはそもそも仕事だけではなく、人生というプロセスそのものですが、ここでは話をすっきりさせるために仕事を例に取り上げます。
仕事において、「プロセスが充実していない」状態とはどんな状態でしょう?
それは、「日々を漠然とこなしている」状態であると言えます。
ただただ目の前の作業をこなしているような毎日、自分らしさを発揮するようなことのない日々…
このような毎日の中では、充足を感じるのは難しいはずです。どうしてかといえば、受け身になってしまっているからです。
人は、受け身でいる時に創意工夫を発揮することはできません。そして、自分の創意工夫の余地がない仕事から充実感を得るのは難しいことなのです。
逆にいえば、能動的・自発的に仕事ができている状態が充実感を感じられるプロセスを歩んでいる証なのです。
そうは言っても、現実問題としてやらないといけない作業を与えられているんだからそれをこなすしかないじゃないか、そう思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、仕事に対する捉え方を少し変えることさえできれば、仕事は自分の創造性を発揮する余地がたくさんあるものに変わります。
仕事に自身の創意工夫を入り込ませるにはどうしたら良いのでしょうか?
抽象度を上げる
仕事の中で、自身の創意工夫を発揮させるには、抽象度を上げることが必要です。視点を高いところに持っていくようなイメージです。
「〇〇の作業をする」というような捉え方で仕事をする時、それは”〇〇という作業をする”というだけの選択の余地のないものになります。創意工夫は入り込む余地がありません。
仕事の捉え方があまりにも具体的すぎるためです。そこで、もう一段抽象度を上げて考えてみましょう。
「〇〇の作業をする」という見方をもっと抽象度を高くして捉えるなら、「〇〇の状態を作り出す」となります。
「〇〇の状態を作り出す」と考えれば、そこに至るプロセスは無数にあることがわかるはずです。無数のプロセスから一つのやり方を自身の創意工夫で生み出すことになるわけです。
ここでいう「〇〇の状態」とは、そこに至る自身の創意に富んだプロセスというラインで描かれた一つのアートです。
試しに、そのように考えてみてください。
あるまとまった期間の自分の仕事を一つの作品であると考え、「半年後、一年後にどのような状態を創れていたら良いのか?」を思い描いてみるんです。
自ら思い描いたわくわくする状態を目指すことで、あなたのプロセスは豊かなものになります。
キャリアは掴み取りにいくものではなく、何かを目指したプロセスそのもの。プロセスが大事だからこそ、逆説的に目指す某点が大事なのです。
あなたの次の作品はなんですか?
僕がリクルートで営業をやっていた頃、先輩から「はまのりの次の作品はなんだ?」と聞かれました。仕事を作品と捉えるようになったのはここからです。
先輩はまたこのようにも聞いてくださいました。こちらの方が考えやすい方もいるはずです。
「次の半年、一年で何を実現したらお前は自分で良い仕事ができた、やりきったと言えるの?」
いかがでしょうか。
あなたは、このように質問されたらすぐに答えることができるでしょうか?
あの時、先輩に質問されてから、事あるごとに半年先と一年先の未来を描くようにしています。次の作品は何にしようかとわくわくしながら考えます。
このワークは自分に火をつけるために効果的です。自発的・積極的に仕事に取り組めるようになり、豊かな仕事時間を過ごすことができるようになります。
自分が描きたい作品を考えれば考えるほど、「あんな方法もあるかもしれない」「こんな勉強をしたほうがいいかも」「ここは自分ではどうにもならなそうだからあの人に先に相談してみよう」といった具合に無数にやってみたいことが生まれてきます。
そうなれば、もはや仕事は単なる作業ではありませんよね。
こんなご時世ですし、梅雨の期間でもありますから、家にこもることも多いのではないかと思います。
あなたの次の作品はなんでしょうか?
この問いにじっくりと向き合ってみてはいかがでしょうか?
ざっくりまとめ
ただ漠然と目の前の仕事をこなすのではなく「次の作品を創る」つもりで仕事をしてみると日々の過ごし方が変わってきます。あなたが次に描きたい作品はなんですか?
ライター紹介
このnoteは、浜岡範光さんが口頭で語った内容を大学生ライターのりょーやが編集し書き起こししてお届けしていきます。チャンスをくださった浜岡さん、丸山修平さんには深く感謝しております。
浜岡さんのお伝えしたいことがみなさんにしっかり伝わるよう頑張ります!
僕自身のnoteではかなりラフに自分の考え事や創作を発信しておりますのでよければそちらもぜひ。
読者のみなさんからの質問等にはもちろん浜岡さんがお答えします。
こちらの連載は、作家の卵で、今は大学生をやりながらライターをしているりょーやを応援するというプロジェクトでもあります。 みなさまからいただいたサポートは、彼が夢を叶えるために全額投資させて頂きます。 応援よろしくお願いします。