納得感のある転職活動について考える

昨今では転職に対するイメージもポジティブなものになり、僕の周りでも多くの方が30歳前後でキャリアチェンジをしています。

とはいえ、転職はやはり人生の中で大きな出来事です。新たな仕事の選択には慎重になることでしょう。

思い切って決断したものの「本当にここでいいのか」「今の仕事をやめて本当に大丈夫なのか」と不安になることも多々あることかと思われます。

今回は僕の転職経験も取り上げながら”納得”のいく転職について考えてみたいと思います。



”正解”より”納得解”

転職について考える時、転職した後で自分の選択に後悔するんじゃなかろうかという不安が頭をよぎることがあるかと思います。

しかし、自分が取った選択が正解かどうかは誰が決めるのでしょうか?

それは、未来の自分です。

現に過去を振り返ってみると、たとえ第一志望の職には就けなかったり第一志望の大学には入れていなかったりしたとしても結果として良い選択だったと思えていることはあるのではないでしょうか?

つまり、本当の意味での選択の正しさは選択する段階ではわからないものなんです。

※もちろん、転職活動にもセオリーというものがあります。僕の周りには素晴らしい転職エージェントの方が沢山いますので、タイミングあればどこかでそちらの方のご紹介もしたいなと思います。

選択段階では正しいかはわからない。
とはいえ、今ここで道を選択し、他の選択肢を捨てる必要があります。
それならどう選べばいいのか、というと「正解ではなく納得解を見つける」ということになります。

納得解かどうかというのは、未来の自分から振り返ってみて「あの時の自分なら絶対それを選ぶはずだ、それくらいしっかり考えた」と思える選択かどうかということです。

納得解を選ぶことができれば、自分が選んだことへの後悔を振り切りあとはやり切るのみだと腹を括ることができます。


ちゃんと洗い出したか?

納得解を得るためには2つ洗い出すべきことがあります。
1つは、選択肢の洗い出しです。ちゃんといろいろな選択肢をピックアップして検討できたのかどうか、見落としているオプションはないかといったことです。

基本的に勝負事では手札が多い方が有利ですが、これは転職でも同じです。これかあれかの二択で悩んでいるような場合は「本当に選択肢はそれだけか?」ともう一度考えてみる方が良いでしょう。

自分のやりたいことの解像度を上げれば、打てる手が他にも見つかることだと思います。

もう1つ洗い出すべきは、なにを大事にして決めるのかという論点”です。

新しいキャリアを選択する上で、選択の基準となる価値観はいろいろあるでしょう。

給料はいくらもらえるのか、職場環境は理想に近いか、企業理念に共感できるか、任せられるミッションは面白いのか、自分にとってプラスになる経験ができるのか・・・などなど。
もっとたくさんあるかと思います。

その中でも特にどの価値観を優先して選択肢を検討するのかしっかり考える必要があります。自分が重視していることを整理してみましょう。


自分はなにを失うのを怖がっているのか?

選択肢と論点を洗い出してみたもののなんとなく怖いという感覚がどうしても拭いきれない、まだ二の足を踏んでしまうなんてことがあるかもしれません。

そういう場合には、自分の不安の正体を洗い出してみるのも先ほどの二つを検討するのと同じくらい大切なことです。

「自分は一体なにを恐れているのだろう」と問いかけてみて、思いつく限り不安の種を書き出してみましょう。
転職した後の人間関係はうまくやれるだろうか、今より昇級のチャンスが薄くなるのではないか、などなどあげてみると様々な心配事があるはずです。

恐れているものを出し切ってみたら、今度はそれらの不安について「本当にそうか?」と検討していきます。

「本当にそうか?」と考えてみると、調べる方法はあるのに単に確認していないことで不安なだけだったと気づくことが多々あります。

人は知らないことや見えないことを過剰に恐れてしまうのです。「本当にそうか」を検討するためにちょっと確認するだけでいいことはすぐに確認してみましょう。


確認してみよう

確認するということについて少し長くなりますが具体例をあげてみます。
僕が初めて転職しようとしたときの話をしてみます。当時働いていたリクルートという会社から面白法人カヤックという会社に移るときのことです。

転職するのが不安だった僕は、まず自分の不安を洗い出してみました。一番の不安は転職先でもプロとして成果を出せるのかでした。

この不安に対して確認できることはたくさんあります。僕は、転職してうまくやっている人はなにが違うのかを”確認”することにしました。

具体的には、リクルート社内にいる他から転職されて来てすぐに活躍されていた方を10人ピックアップしてお一方ずつに飲みに連れて行っていただきました。彼らが自分と同じような状況の時になにを準備していたのか、転職してから活躍するに至るまでの過程はどんなものだったのかを詳らかに聞きました。


転職にうまくいった人が共通してしていたこと

その結果、彼らが共通して転職する時に意識していたことがわかりました。「転職して最初の一ヶ月間で自分の旗を立てる」ということです。とにかくまず徹底的にお客さんの声を聞いたり、社内で活躍している方の声を聞いたりしてその会社で自分の旗を立てることだと。

逆に、転職してダメになるパターンは「まずは一ヶ月間お勉強させてくださいという様子見の態度で仕事をすること」でした。
転職してきた人に対しては即戦力になってくれるという期待があります。それに対し、勉強モードで言われたことだけをやり続けていては評価が下がります。言われたことしかできないんだねと。一度そう思われてしまうとどんどんオーダーが増え、本当に言われたことをやるだけで手いっぱいの状態になってしまうのです。なるほど、ですよね。

先輩方へのインタビューから、僕は実際に転職先で旗を立てるということに力を入れました。おかげで上手くいっています。

もしこのプロセスを経ていなかったら、転職する際は不安だらけで、転職後もお勉強モードで新たなキャリアを歩み始めていたかもしれません。

自分の選択に不安があるのなら、それを詳しく描写してみて「本当にそうか?」「知らないだけじゃないか?」「確認できることはないか?」と問いかけ、行動することが大切です。

みなさんが”納得”のいく選択ができることを願っています。


ざっくりまとめ

キャリアの決断は正解より納得解で選ぶ。納得解にするためには選択肢と論点を洗い出すこと。
自分がなにを恐れているのかを洗い出してみると単に知らないだけということが多い。調べて見たり聞いてみたりするだけで解決することもある。



ライター紹介

このnoteは、浜岡範光さんが口頭で語った内容を大学生ライターのりょーやが編集し書き起こししてお届けしていきます。

浜岡さんのお伝えしたいことがみなさんにしっかり伝わるよう頑張ります!

僕自身のnoteではかなりラフに自分の考え事や創作を発信しておりますのでよければそちらもぜひ。

読者のみなさんからの質問等にはもちろん浜岡さんがお答えします。


こちらの連載は、作家の卵で、今は大学生をやりながらライターをしているりょーやを応援するというプロジェクトでもあります。 みなさまからいただいたサポートは、彼が夢を叶えるために全額投資させて頂きます。 応援よろしくお願いします。