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【横浜DeNA】2023年レギュラー争い~外野手編~

昨季2位で終わった横浜DeNAベイスターズ。
今季こそ25年ぶりの優勝を期待したいところですが、現在のチームの戦力がどうなっているのか、誰が開幕に入ってくるのかは気になるところです。
そこで現状の戦力を分析して開幕1軍選手や1軍争いの状況をポジション別でまとめてみました。
今回は外野手編です。

佐野・桑原のレギュラーは揺るがず

外野の中でもレフトとセンターに関しては既にレギュラーが確定的です。
佐野は2020年からレフトのレギュラーに定着し、3番打者として主軸を任されています。
昨季はセ・リーグ最多安打(タイ)も記録しましたし、打撃面では欠かせない選手です。
桑原は2021年からセンターのレギュラーに定着しています。
俊足で幅広い守備範囲の桑原は外野手の中で1番の守備力で、センターに最も適任です。
また、1番打者としても積極的な打撃が持ち味でチャンスメイクに適してますし、今季も桑原が1番センターを任される可能性は高いでしょう。

最多安打の佐野

佐野の武器は打撃力で、昨季は打率3割 20本塁打超え OPS.850以上を記録して、文句無しの活躍ぶりです。
これはリーグでも屈指の成績で、シーズン通して大きな不調に陥ることも少ないことから、安定感も抜群です。
この高いレベルで安定した打撃力があることで、得点源となる3番打者を任されています。
またチーム内の主力打者は右打者が多く、桑原・牧・宮崎・ソトらは全員右打者なことから、左打者の佐野は打線にアクセントをつける意味でも重要です。

問題は守備力で、佐野のレフトはかなり守備範囲が狭く穴となっていました。
このため昨季は佐野が試合途中にレフト→ファーストへ変更されることが多く、終盤の守備固めではレフトに関根や神里が起用されていました。
これはファーストのソトの負担軽減にも繋がるのでメリットはありますが、今後ソトの打撃が衰えてくると、佐野を本格的にファーストで起用することも考えられます。

ただ現時点では佐野に代われるほどのレフトで打撃力の良い選手がいないので、攻守ともに良い外野手が出てくるのを待つ状態です。
佐野がスタメンを外れる可能性は低いですが、守備位置をどうするかは今後の課題になりそうです。

1番センター定着の桑原

桑原は高卒5年目の2016年にセンターのレギュラーを奪取しました。攻守ともに高いレベルで活躍していて理想的な1番打者として定着しましたが、その後2019年から極度の不振に陥りレギュラーを手放しています。
2年経て2021年に再度1軍センターのレギュラーに返り咲き、2022年も1番センターとして起用されていました。

このようになかなか安定しない選手ですが、好調時にはOPS.750前後の打撃と2桁盗塁を記録できて、チーム内で最も1番打者として適した活躍をしています。
2021年は打率3割超え、OPS.800超えでキャリアハイの成績を残し、守備面でも文句なしだったため、その活躍が認められて球団から4年契約を提示されました。
2022年はそこから打撃成績が低下してしまいましたが、守備面はまだまだ他の追随を許さない結果を残せているので、2023年も1番センターで出場することはほぼ間違いないでしょう。

桑原はまだ29歳でセンターのレギュラーとして活躍を期待できますが、センターの後継者候補をそろそろ準備する段階です。
特に桑原の場合、好不調がはっきり出やすい選手のため、良い時は文句なしですが悪い時はスタメンを他の選手に替えた方が方が良い時もあります。
しかし代わりになる選手がおらず、攻守どちらも桑原の後釜で見れる選手が現状ではいないです。
補強や育成でも桑原の後釜は今後の大きな課題になってくるでしょう。

右翼のレギュラー候補

左翼に佐野、中堅に桑原が定着していますが、右翼は現在確固たるレギュラーがいない状態です。
なので右翼の成績を上げることが、チーム成績の向上へ繋がりやすくなっています。
現時点でのレギュラー候補は楠本・蝦名・大田・オースティン、そして新加入のアンバギーらになるでしょう。

昨季右翼でスタメン最多 楠本泰史

楠本は昨季、右翼の1番手として起用され69試合でスタメン出場しました。
打率.252 6本塁打 OPS.683で突出した打撃力は無かったものの、犠打数がチームトップの13回で、進塁打や走塁の意識も高かったことから、主に2番を任されていました。
三浦監督が目指す野球を体現できる選手だったのも、積極起用の理由の1つだったでしょう。

今季も右翼の1番手として定着を期待されていますが、昨季と比べると競争率がとても高くなっていて、昨季と同じ成績ではスタメン定着は難しくなります。
やはり基本的な打撃の底上げが必要で、打率.280以上 2桁本塁打以上 OPS.750以上の結果を残し、攻撃面での存在感を見せる必要があります。
守備面では現外野陣の中でも良い方なので、今季も安定した守備力を発揮してくれれば文句はないでしょう。

昨季台頭し今季は三塁も挑戦 蝦名達夫

蝦名は昨季、1軍での出場数を飛躍的に伸ばしました。2021年は31試合の出場に留まりましたが、2022年には61試合で、スタメンでの起用も大幅に増えました。
成績は181打席 打率.247 3本塁打 8打点 OPS.645で、1軍定着するにはまだ物足りないですが、現在25歳でここからの伸びしろが十分あります。
2軍では攻守ともに文句無しの結果を残しているので、これからは1軍が主戦場になってくるため、今季は昨季よりも出場機会を増やしたいところです。

そうした状況なのもあって、蝦名は昨季後半から2軍で三塁守備も始めました。
2軍公式戦での出場は無かったものの、フェニックスリーグでは三塁守備についており、今季は昨季よりも三塁守備を本格的に挑戦すると記事にもなっています。

蝦名がまだ若く将来的に期待できる戦力であることを考えると、三塁も守れるようになれば宮崎の後釜候補としても見れますし、内外野できれば大きな武器となるでしょう。

移籍して攻守で存在感を発揮 大田 泰示

大田は日本ハムを自由契約になって、昨季からDeNAに移籍してきました。
右打ちで右翼手のレギュラーとしての実績もある大田は、故障やコロナでの離脱があったものの153打席 打率.278 5本塁打 18打点 OPS.774という期待通りの結果を残しました。怪我や離脱がなければ、右翼手の中で1番良い結果を残しています。

今季の大田は1軍に常時定着して、昨季のような結果を残すことが求められます。今季で33歳なるので年齢的に攻守で衰えが見え始めてくる時期なので、その中で結果を維持するのは簡単に見えて難しいです。
特に守備面だと楠本や蝦名など若手外野手が結果を残しているので、大田に求められる守備のレベルも高くなっています。
ただ右で打てて実績もある大田への期待は高く、高いレベルでの競争が期待されています。

万全なら文句なしの主軸 オースティン

本来なら昨季もオースティンがレギュラーとして出場し、村上と最多本塁打争いをするぐらいの活躍が期待されていました。
しかし一昨年オフの手術から、なかなかリハビリが上手く行かずに昨季は代打のみでの出場に留まりました。
そのオースティンは昨年オフに再度手術を受けて、現在はリハビリに励んでいます。
これによって今季の開幕も絶望的となりましたが、リハビリが上手く行って万全な状態にできれば、文句無しの打撃力で主軸として活躍が見込めます。
完全復活できるかできないかで戦力として大きな影響があり、オースティンの状態は非常に注目です。

身体能力高く走攻守で活躍が期待 アンバギー

オースティンがどうなるか不明な状態の中、DeNAは昨年オフに新たに外野手のアンバギーを獲得しました。
アンバギーはMLB出場経験がとても少ないですが、3Aでは長打率が高く結果を残していて、守備の動きも良く両翼なら安定して守ることができます。
オースティンと比較すると打撃面では流石に劣ってしまいますが、その分伸びしろや身体能力があって、守備面ではプラスになるでしょう。
また28歳でソトやオースティンと比較しても若いため、うまくいけば彼らの後釜の主力外国人として期待できます。

現時点ではまだ未知数の要素が多いですが、近年DeNAが獲得する外国人野手は好成績を残せていますし、アンバギーも伸びしろを含めて考えると期待が持てます。
春季キャンプでまずどれだけアピールできるか、注目の選手です。

外野全体バックアップ

レギュラー争いからは一歩離れてしまいますが、外野全体をバックアップできる選手として、関根と神里がいます。
この2人も必要な戦力で1軍外野に定着することが求められています。

左翼・中堅では2番手起用の便利屋 関根 大気

関根は昨季出場試合数が104で自身最多出場を更新しました。
その中で主な起用は左翼の佐野と中堅の桑原のバックアップで、関根は左翼と中堅でそれぞれ2番手の出場数になっています。
左翼は佐野がメインでしたが、佐野の守備を考えると一塁で起用するほうが安定したため、ソトをスタメンから外す際は佐野が一塁に入って関根が左翼に入ることが多くありました。
中堅は桑原がいつもスタメンで出ていましたが、4月上旬にチーム内でコロナ陽性者が多数出た際に、桑原も濃厚接触者として登録抹消されていました。
この期間に関根が1番センターで出場したり、復帰後も桑原が不調な際は下位打線で関根がセンターで出場していました。
佐野と桑原のバックアップに関根を優先的に起用していて、首脳陣から攻守で信頼されていたことが分かります。

ただし、関根自身の成績はとても良いというほどではなく、225打席 打率.254 1本塁打 5盗塁 OPS.606にとどまっています。
この成績だとレギュラーとして起用するには厳しく、バックアップ要員からのステップアップがなかなか難しいです。
守備が上手い外野手に取って代わられる可能性もありますし、今季も1軍で積極起用されるためには成績アップが不可欠です。
上手くいけば、佐野が本格的に一塁で起用されて左翼に関根が定着するということもあり得るため、そうなるためにも攻撃面は特に改善が必要です。

昨季は代走・守備固めがメインだった神里 和毅

神里は年々1軍での出場数が減少していて、昨季も成績を落として自身ワースト打席数・打率になってしまいました。
2019年には桑原に代わって1番センターを任されてレギュラーを掴んでいましたが、その時のような結果を攻守で残すことができていません。
起用としては関根と同じように外野全般を守りましたが、打撃成績が悪いのでスタメンや代打の起用数が少なく、逆に代走はチームダントツの起用になっていて、守備固めでも外野手ではトップの起用数でした。

代走と守備固め専門のような選手になってしまっていますが、正直この状態ではプロとしての先行きは暗いです。
代走にしても盗塁数は6止まりなので単に相対的な足の速さだけで選ばれてるに過ぎないですし、これでは代走のスペシャリストにもなれません。
この状況を打破するにはとにかく打撃を安定させることで、好調時の打率.280以上 OPS.700以上は最低限クリアしないと厳しいです。
今年29歳で本来なら1番結果を残さなければならない年代ですし、まだプロで長く活躍したいなら、とにかく打撃改善が必須です。

1軍定着を目指す若手

昨季は1軍で活躍できなかったものの、今後1軍定着を期待できる若手外野手がいます。梶原は昨季2軍で打撃改善してますし、勝又は野手転向1年目にも拘らず、好成績を残して今季の支配下登録は確実視されています。

攻守で大きく成長を見せた 梶原 昂希

梶原は昨季がプロ1年目でしたが、機会に恵まれて4月に1軍昇格・1軍初安打・初猛打賞・初本塁打を経験しています。
この活躍で非常に期待が集まりましたが、その後はからっきしで弱点の三振の多さも顕在化してしまい、すぐに2軍落ちになってしまいます。
ただ、この1軍での経験で自分の課題をはっきり見つけることができ、その後2軍では打撃を安定させて最終的に打率.270 2本塁打 2盗塁 OPS.710という結果を残せています。
二塁打・三塁打の数が多く、盗塁が少なくても足を活かした攻撃ができていて、2軍外野守備もライトは比較的安定してて捕殺も複数回記録しています。
2軍ですが1年目としては十分な結果を残せたので、2年目の今季は更に成績を改善させて、1軍昇格の機会を増やしていくことが目標になるでしょう。
今すぐに1軍レギュラー争いに入るのは難しいですが、来季以降に本格的に1軍挑戦できるよう、今季中に2軍卒業の結果を残してほしいですね。

育成ながら昨季1番活躍した勝又 温史

勝又は昨季から野手挑戦でしたが、その野手1年目に打率.293 6本塁打 2盗塁 OPS.801という結果を残しています。
これほどの成績なら1軍昇格してもおかしくないですが、野手1年目ということもあってまだ守備面に課題があったため、支配下登録は見送られました。
ただその守備も実戦の中で結果を残していくことで、外野の両翼は安定して守れるようになりました。あとはセンターの守備が課題ですが、現状の守備なら支配下登録させても差し支えないでしょう。

昨季のフェニックスリーグではチーム内でダントツの結果を残してましたし、今季の春季キャンプでは1軍メンバーに抜擢されていて、球団からの期待度は非常に高いでしょう。
春季キャンプ中に問題なければ支配下登録される可能性もありますし、開幕1軍や開幕スタメンも期待できます。
今季活躍を期待できるDeNAの選手は多いですが、その中でも勝又は別格で1番期待できるでしょう。

期待の若手外野手

まだ育成選手なので1軍での活躍は難しいですが、昨季2軍で結果を残して、これからの台頭が期待されているのが村川と大橋です。
2人とも2軍ではそれぞれ持ち味を発揮していて、このまま1軍でも活躍できるようになれば、1軍外野のレギュラー争いがもっと熾烈になり層が厚くなります。
今季中に1軍に定着できるか、注目されている2人です。

持ち味の俊足を活かして盗塁量産 村川 凪

村川は独立リーグ時代からずば抜けた足の速さが武器で、その俊足に目を付けたDeNAが育成で指名しました。
昨季2軍ではその期待通りに盗塁数は13でチーム2位でした。2軍でも盗塁を稼げたのは大きな収穫といえます。
ただ打撃面ではまだ課題があり、打率.208 0本塁打 OPS.548という結果で打率自体が低いのと、殆ど単打になって長打が少ない結果でした。
小柄な体格なので足を活かすのには向いていますが、パワー不足になるため長打が狙いづらく、この打撃を改善しないとなかなか支配下登録は掴めないでしょう。
外野守備ではセンターを守れてそこまで問題はないので、あとは打撃で結果を残すことだけです。
村川は今年25歳になるので、育成選手2年目ですが結果が求められるでしょう。せっかく良い足があるので、活かせるように結果を残してほしいですね。

好調時の打撃・走塁は支配下級 大橋 武尊

大橋は好調時の結果がとても良く、一時は勝又と同じぐらい活躍していました。ただ怪我で離脱期間があったり、調子の波があってなかなか成績が安定せず、期待されつつもまだ支配下登録されずにいます。
大橋は昨季138打席 打率.280 0本塁打 12盗塁 OPS.722という結果で、内容は良いのですが打席数が少なくまだアピール不足です。
今季は300打席以上経験して、その上で3割近い打率とOPS.750超えの結果を残せれば十分なアピールになって、支配下登録への道が拓けます。

大橋はまだ21歳なのでじっくり育成しても良い選手ですが、1年目から結果を残せていることから早期に支配下登録させて1軍経験させることで、大きく飛躍する可能性を持っています。
上手くいけば、勝又と一緒に1軍の主力外野手になるかもしれない、という期待もできる選手なので、これから更に成績を改善させて支配下登録されてほしいですね。

外野手の長所と課題

支配下選手のほぼ全員が1軍戦力

現在の外野手の長所は、支配下登録選手のほぼ全員が1軍戦力として見込めることです。梶原以外は皆、1軍で一定期間結果を残した選手たちですし、大きな穴となる選手がいないのは代わりがききやすいです。
なので全員がレギュラー争いに入ってくることができ、お互いで切磋琢磨して高いレベルで競うことができます。

現在は佐野と桑原がそれぞれレギュラーとして定着しているので、右翼の競争が非常に激しい状態になっていて、この中で好成績の選手を出すことができれば意味のある競争になります。
また将来に向けた若手外野手も梶原・勝又・村川・大橋らがいて、皆2軍で結果を残せているので、世代的な穴も無い状態です。

こういう状態だとドラフトでは思い切った指名がしやすく、今年のドラフトで上位指名に外野手を狙っても良いでしょう。

レギュラー選手との実力差

選手は揃っている外野手ですが、その中での課題はレギュラーとその他の選手で、決定的な差がついていることです。
佐野やオースティンは打撃力で他の追随を許さないぐらい打ててるので、いざ彼らが出れなくなると、打撃力が大きく低下します。
去年のオースティン離脱がまさにそれでした。

そして桑原についても、昨季の打撃はそこまで良くなかったですが、守備面も含めた総合力では他の選手が太刀打ちできません。
桑原の場合、1番センターという役割も任されているので、代わりに出る選手にも1番センターをまかせられるぐらいの結果が求められます。

競争によって成績アップを期待したいですが、レギュラークラスを輩出するとなるとドラフトから好素材の選手を獲得してくる必要があるでしょう。
特にセンターで打てて守れる選手はなかなかいないので、これから期待できる選手がドラフト候補として出てくるなら、上位指名もあり得ます。

以上が外野手編のレギュラー争いについての記事でした。
これで先発・リリーフ・捕手・内野手・外野手の記事が書けましたので、まだ他のポジションの記事を見れてない方は、ぜひご覧になってください。

【先発】https://note.com/hamanontan/n/n6a8383872a43
【リリーフ】https://note.com/hamanontan/n/nae5830075636
【捕手】https://note.com/hamanontan/n/n6912756785d5
【内野手】https://note.com/hamanontan/n/n20f38a1d0b03

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