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9月議会 決算審査特別委員会 意見の陳述

浜中吾郎です。この投稿は、令和5年第3回定例会の決算審査特別委員会(令和5年9月26日実施)の意見の陳述より。

(以下、発言内容)
◇議席3番、「郷土市原を次代に繋ぐ」の浜中吾郎です。令和4年度市原市一般会計並びに特別・企業各会計決算の審査に関わる意見の陳述を行います。

はじめに、私は既に執行済みであり、監査委員による意見も付された中で、市議会において決算審査を行う意義について改めて考えました。そうした中で「各事業の内容や質を見極め、本年度の執行及び翌年度の予算編成に活かしていくこと」、そして「市原市民へのアカウンタビリティをより良い形で果たしていくこと」の2点を中心に述べます。

 前者について申し上げます。令和4年度実行計画及び予算を取りまとめた際には、2つの重点的取組事項「安心・安全なまちの実現及び市民満足度の追求」「人口27万人の堅持に向けたバックキャスティングによる施策の展開」のもと計11の視点を置いて進めていくとされていました。新型コロナウイルス感染症等の影響もあり、執行しなかったもしくは執行率が下がった事業もありましたが、概ね大きな骨格を示して執行されたものと推察いたします。また、経常収支比率、実質公債比率、将来負担比率など主な財政指標についても横ばい並び改善されています。そのため「郷土市原を次代に繋ぐ」は令和4年度一般会計並びに特別・企業各会計決算について「認定」します。

 しかし、それぞれの視点における施策は道半ばなものも多いです。特に本年度において「子ども、若者、子育て世帯に選ばれるまちの実現」とされている重点的取り組み事項ですが、現在人口27万人を割り込んでいる中、関係する分野については、人口減少対策とも密接に関連します。そのため、結果を意識して取り組んで頂くことを強く要望します。また防災・危機管理の分野においては令和4年度及び本年度において拡充しておりますが、想定外の事態をなくすために更にあらゆる角度から備える取り組みを進めて頂くことを要望します。

 また令和4年度及び本年度においてデジタルのメリットを享受できるように施策展開されています。サイバーセキュリティへの対策も行いながら、利便性が伝わるように地道に施策を展開していくこと、及び本市の職員もデジタルやデータの利活用を図れるよう人材確保及び育成に繋げて頂くことを要望します。

 更には本市の徴税率は令和4年度において96.1%と本市の過去と比較すると年々上昇傾向にあるものの、京葉8市(千葉、船橋、市川、習志野、柏、八千代、松戸、本市)の中は最も低い状況にあり更なる対策が求められます。本市の債権管理課が発足した平成21年度よりも前の滞納額が1.25億円にわたり、過去の対応が長期に渡って繋がってくることを強く感じます。そのため、要因を適切に把握して改善に努めて頂くことを要望します。

 次にアカウンタビリティについて述べます。Accountability(アカウンタビリティ)とは、会計Accounting(アカウンティング)と責任Responsibility(レスポンシビリティ)の合成語であり、主に企業経営の文脈で用いられることが多いですが、地方自治体にこそ住民へのアカウンタビリティが求められると考えます。本市においても、令和4年度の決算審査特別委員会にて事業シートの様式を活用したことは各事業の輪郭や経緯をつかみやすくなった意味で良い方向性だと感じています。またいちはら議会だよりに掲載されている他、予算にはなりますが広報いちはら6月号でも大枠がわかりやすく掲載されています。

 しかし、もっと良くできるとも感じております。例えば事業シートは「事業」、特に歳出に力点をおいていますが、決算においてはお金の流れを掴むことも重要です。その意味において新公会計として総務省が示している「統一的な基準」に基づく財務書類、具体的には貸借対照表、行政コスト計算書、純資産変動計算書、資金収支計算書といったいわゆる財務4表を本市も作成しており、固定資産台帳などは公共資産マネジメントの分野にも役立っているものと推察しますが、本書類は9月の決算審査が行われる時期には間に合わず、決算審査及び市民への説明という意味ではあまり活用されていないのが現状です。しかし民間企業においては、貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書といった決算の財務書類はいわずもがな非常に重要であり、現在の本市の財政状況がどのような状態かあらゆる角度で市民に説明していくことが重要だと考えます。

 例えば、他の自治体では独自の会計基準を使用して決算審査にて使用したり、用語説明はもとより指標分析や他団体との比較を丁寧に記載することで、自治体財政がどのような状態にあり、どのような方向を目指しているのかわかりやすく示しています。そうした本市の決算の見える化、アカウンタビリティの向上にはまだまだ可能性があると考えています。そうした展開を強く期待して、私の意見陳述を終了いたします。


(意見の陳述について)
決算審査についての意見を述べる、「意見の陳述」は各会派に応じて時間が割り振られており、一人会派だと10分でした。いわゆる大会派は各事業の要望を網羅的に行うのですが、私は分科会も4つのうち1つしか発言できないことも踏まえ、建設的な意見ができるよう心掛けました。こうした制度があることも多くの方に知って頂きたいです。

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