点&眼

浜村凡平太です。



花粉症の百目のことを思って立ち上がる製薬会社の好青年。


「もっと大きい目薬を作りましょう。今あるサイズでは百目が使えばすぐ無くなってしまいます。」


「···うーん、でも百目っていないでしょう。作っても売れないと思うんだよ。だって百目って現実にいないからさぁ。もし、いたとて、そんな数売れないと思うんだよ。君が百目のことを思う気持ちを否定するわけじゃないけど、その気持ちだけで製品は作れないんだよ。あとちょっと重い目薬なんか作っちゃったらさ、百目さんは百回ささなきゃいけないんだから疲れてしまうと思うよ。百目さんには既製品を何本も使ってもらう、それしか方法は無いと思うよ。もし百目さんに相談されたら何本かセットで安くしたり何本かサービスするみたいな感じでいいんじゃないかな。でも百目なんかいないと思うよ。」


「············。わかりました。」


好青年は悔しくて2つの眼と全身にある98の切り傷から涙を流しました。


「·········?(こいつ···まさか···。水漏れ人間?)···もしもし、クラシアンさんですか?ちょっと会社の部下なんですけど、今目の前で水漏れしちゃってるんですよ。」


「(···もう、この会社、···辞めよう。)」

♪銭がなけりゃ~君~銭がなけりゃ~