見出し画像

遺伝がもたらす人間の欲の深さの克服困難さについて、進化心理学から考える。

自分が、いかに優れた遺伝子を持っていると考えたことがあるだろうか。人類は約1億年くらい前に霊長類が現れたらしい。多分その時点ではオスメスで繁殖するスタイルだっただろうから、10年を世代交代のサイクルと考えても、1000万回も世代交代があったわけだ。縄文時代は15歳くらい、江戸から明治時代まで(1750〜1850年くらい)の日本は平均寿命が32歳だったらしい。その後1950年には平均寿命が60歳くらいになっているので、100年の間になんと寿命が2倍になったことになる。2050年には200歳になっているだろうか。。。

自然淘汰の末に生き残った猛者たち

さて、現代に生き残っている僕たちは、ベジータも驚くスーパーエリートなわけだ。なんのエリートか?欲である。欲望力53万はくだらないと思う。

僕たちは朝から晩まで自分のやりたいこと、つまり欲望ばかりを考えている。そのためにいかにお金を稼ぐか、いかに自己実現をするかを考える。人が人に認めてもらいたいと思う気持ちを承認欲求と呼ぶけれど、人間が承認欲求を持っているのはなぜか。繁殖したいからである。

どんなにきれいごとを言ったところで、一皮むけば同じ動物。宗教が生まれたのは2000年やそこら。1億年の歴史で培われた欲望をコントロールできるはずがない、と考えるほうが妥当だろう。

現代資本主義社会における繁殖戦略

いくら社会が発展したからと言って、まだまだ勝ち筋は大きくは変わらない。人間は古代に作られた本能からは逃れられていないからだ。これを「サバンナ理論」と言って、30万年前にホモサピエンスがアフリカのサバンナに暮らしていた時代の脳構造と、現代の人間の脳構造はほとんど変わらないという研究結果だ。

宇宙に到達するような時代においても、脳はかなりいい加減で、テレビの中の人間を本物の人間と区別することはできない。アダルトビデオを見て興奮するのは、よくよく考えるとただのエネルギーの無駄遣いなのに、僕たちは興奮することを止められない。

そんな人類の欲望が現代社会においてもビジネスの源泉だ。そして大きなビジネスになるのは、なんといっても「性欲」だ。三大欲求としてはと「睡眠欲」と「食欲」もあるけれど、「睡眠欲」はきっとどんなにお金をかけてもそこまで満足度が変わらず、良いベッドが一つあれば満足できるのでそんなに大きなマーケットではない。食欲だって、毎日食べるものを確保し続ける必要があるとはいえ、一度に摂取できる量には限りがある。

すべての根源、「性欲」

では性欲はどうだろう。前の2つをある程度満たすことができれば、ほぼ無限のように湧いてくる。そして、自分の好みの(将来生存レベルの高い)遺伝子、つまり容姿端麗、健康でインテリジェンスに富むという人間を追い求めるならば、どんなに時間とお金があっても足りないだろう。(※ここでは一夫一妻の話はしていない。あくまで、動物として人間を捉えた場合の話である。)

女性が着飾り、健康的に、若く見られるように化粧品を試す飽くなき追求心。それはすべて男性を引きつけるためだし、男性はそんな女性を獲得しようとできるだけ自分の持っている能力を社会に役立てようとする。今でこそ、男女関係なく稼げるようになったので、子供を良い環境で育てる目的のためには稼げる女性が男性の羨望の的になる、というような流れもあるだろう。ただ未だに脳のアップデートは遅々として進まないため、古代から変わらない、見た目による判断が大半の要素を占める。

僕たちは、異性との繁殖機会を得るために社会で求められる人間になろうとする。正義と呼ばれるもののために動くのも、そのほうが所属している社会で生き残る確率が高まるからだ。道徳的な人間であろうとすること自体が、実は欲望に裏打ちされたものだと考えると、人間がDNAの乗り物でしかないということにゾッとする。

科学の発展と人間の精神性は性欲を打ち破れるか

最近の科学の進歩は凄まじいい勢いで、人間のありかたを一気に変えうる発明が出ないとも限らない。VRが人類に何をもたらすかは非常に大事なテーマだと思っている。

とはいえ、現時点ではまだテクノロジーは追いついておらず、性欲は未だに人間が生まれ持ったであるので、どうせなら存分にそこに適合して生きていきたいと思っている次第である。

まずはお金を稼ぐことから始めるのが現代の生存戦略で、資本主義社会の作法なのだろうと考えているが、、、果たしてこれから僕はどうなっていくのだろう。また折に触れてこのテーマについては考えてみたい。



海外移住する若者を唆す資金にします!