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【Web日記#28】 ベートーベンのおばあちゃん

★注意:ベートーベンのおばあちゃんという歌の歌詞について書きますが,正直あまり読んでいて気持ちいいものではありません。ここで戻ってもらっても構いません。

 

 

 

今回は,ベートーベンのおばあちゃんという歌の歌詞について紹介します。

この曲について書こうと思ったキッカケですが,以前も書いたのですが,三島の児童センターによく行きます。そこは,図書館と併設のため,最近は子ども向けの音楽CDも一緒に借りて帰ります。

ミッフィーちゃんのCDを借りたのですが,「ベートーベンのおばあちゃん」はその中に入っていました。

では,歌詞を紹介します。

子供の頃ベートーベンは 音楽なんて好きじゃなかった
ピアノ弾くより ドリブルやパス
サッカー選手になりたかった

ベートーベンのおばあちゃんは 孫に音楽やらせたかった
こっそりボール パンクさせて
彼をピアノにしばりつけた

ドレミファソラシド ドシラソファミレド

泣き泣きピアノを弾くベートーベン
先生はきびしいおばあちゃん

あなたがしごいてくれたから
ぼくたちは彼のすばらしい『運命』や『エリーゼのために』
今も聴くことができるのです
今も聴くことができるのです

遊びたくてもベートーベンは 一日ピアノ 友達はゼロ
だから無口で暗い性格
いつか笑顔を忘れちゃった

なんて悲しい運命なんだ 彼の涙がピアノに落ちる
落ちた涙でピアノが鳴り できたメロディ それが『運命』

ドレミファソラシド ドシラソファミレド

天才作曲家のベートーベン
育ててくれたのは 彼のおばあちゃん

あなたがしごいてくれたから
ぼくたちは彼のすばらしい『運命』や『エリーゼのために』
今も聴くことができるのです
今も聴くことができるのです

世界中が知ってるベートーベン
だけど誰も知らない 『彼のおばあちゃん!』

あなたがいたから彼のすてきな音楽が今でも生きてる
歌おうよさあ感謝の歌を
ほんとにほんとにありがとう
ほんとにほんとにありがとう

ちょうど私が子どものときのお母さんといっしょなどでこの歌聞いた記憶が思い出されましたが,こんなにひどい歌詞だったとは。いやあ,どうしてこんな歌ができてしまったのか,私には理解できません。そしてNHKで流れていたんですよね,,,時代が良い方向に変わっていると信じたい。

虐待を正当化しているといっても過言では無いかなと思います。

ベートーベン自身がそんなことを言うならまだしも,そんなことでは無いらしい。また,実際おばあちゃんが厳しいという実話はないらしい。ただ,お父さんがスパルタだったらしいです。にしても,ポップな音程で流していい内容では無いかなと思います。

この歌が生まれた背景について,こんなものがありました。調べてもちゃんとしたものが出てこず,ネット上の情報ですがこんなものが,

なんでこんな時代錯誤の教育ママや過干渉虐待を推奨するような歌をNHKが喜々として流すんだ…と思ったら、
一応、日本のオリジナルではなく、外国語の元ネタ曲があるらしい。
イタリアの児童合唱コンクール的な音楽祭の入賞曲で、審査員も子供らがやっている。
この音楽祭の入賞曲は、『黒ネコのタンゴ』『トレロ・カモミロ』『ちびっこカウボーイ』など
日本の児童曲へもカバーされているものが多い、みんなのうた御用達の元ネタ供給源。
https://copipe.cureblack.com/c/60793
ちなみに、イタリア語版では、間奏やバックコーラスに挿入される
『運命』の「ダダダダーン」というメロディーに、「nonna nonna~♪」の歌詞が付いているけれど、
ひょっとして、むしろここの部分こそ作詞者が「恐いおばあちゃん」イメージの着想を得た発端の本体じゃないんだろうか?
だとしたら、そこが反映されていない日本語版は、ギャグのニュアンスが上手く伝わらず ただひたすらベートーベン少年が可哀想なだけの、
“作詞者が何考えて作ったんだか意図不明で気持ち悪い歌”になってしまったんじゃないだろうか。
https://copipe.cureblack.com/c/60793

なるほど,ブラックユーモアというか,この明るい音楽の裏に隠されている恐怖。確かにそれがあるのであれば,納得です。(NHKのみんなの歌で流して良いかは別問題ですが。)

ここから話は飛びます。
私は関連していると思いますが,ピエール瀧さんの音楽配信の自粛騒動について,書きます。これは,ピエール瀧さんが麻薬取締法違反の容疑で逮捕され,これを受け、ソニー・ミュージックレーベルズやNHKは、CDや映像作品の出荷・販売・配信停止などの対応をしたというもの。

音楽などの芸術作品とその人の人格は切り離して考えないといけないということを考えさせられた事件です。もちろんその収益が,反社会的組織の利益になることは避けなくてはなりませんが,作品には罪は無いのです。

これについては,以下の音声が参考になると思います。

話は戻って,ベートーベンの作品がすばらしいのは分かる。ベートーベンの過去が悲惨だったのも事実でしょう。

しかし,そのベートーベンの悲惨な人生があったからすばらしい曲が書けたというのはおかしいし,それを第三者が評価するのはあり得ない。いくらベートーベンが亡くなっているからとはいえ,その価値観を共有する曲があってはならないと思います。

しかも,それがブラックユーモアというある種批判的な観点で語られるのでは無く,国営放送の子ども向け番組が流すということの恐怖。改めてぞっとしました。

高濱

2021年3月から長泉町にある個別指導の学習塾「濱塾」を経営している高濱と申します。教育に関する情報を発信していきます。