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【勉強法の改善】 書籍『勉強の技術』の紹介

※全文を公開している「投げ銭」スタイルのnoteです。

そこらじゅうにある勉強術の本とは、一線を画していると思います。そしてこの内容量で1000円ってのは破格!!かなと思います。

『勉強の技術』との出会い

勉強の技術という本は、メンタリストDaiGoさんの動画で紹介されていました。

この本の作者は児玉光雄さんといいます。読み終わるまで気づきませんでしたが「ホンマでっか!?TV」に出演していた面白おじちゃんですね。

この本には,いろいろな勉強術が書いてあります。本当に多種多様でいろいろと自分で試して実践してみると良いかと思います。特に好感がもてた点は、勉強術の本なのに「瞑想」のトピックがあり、生活から学習環境を変えていくことが書いてあると感じました。

勉強術の本の中には、自分がやって成功した体験を書いて、これだけやれば大丈夫!!みたいな本もありますが、それをやってうまくいかなかった場合、勉強術を読むような人の性格からすると、「なんて自分はだめな奴なんだろう」と思ってしまうと思います。

この本は70のトピックがあるので,やってみてだめなら他のを試してみて、自分なりに効果がありそうなものを採用していくということができ,勉強術などをやるのが初心者の人にも取っ掛かりやすいです。

以下,本のさわりを紹介します。

脳の仕組みを理解して記憶しよう。(第8章 記憶力を強くする技術)

脳というのは、記憶するよりも忘れることを重要視しているそうです。なぜなら、日々たくさんの情報が入ってくる中で、忘れることよりも記憶することの方が重視していると、どんどんどんどんと頭の中にある情報が増えていき、いずれパンクしてしまう。そのため必要のないものはどんどん忘れていくのが脳の基本的な傾向である。

ただ、忘れてもある程度の期間は脳の中に残っており、そのときに忘れた情報が再び入ってくると、「この情報は大事なもんなんだ」と脳が認識し、それが記憶へと定着するという仕組みになっているそうです。
つまり何かを記憶したいときには、一度脳に入れた後に、間を空けて忘れさせて、再度思い出し、また忘れた頃に思い出すという経験を積み重ねることで記憶に定着していきます。

ガードナーの8領域

論理・数学的知能
博物学的知能(○○博士など)
視覚・空間的知能
内省的知能(自分の頭の中で思考を張り巡らせること)
言語・語学知能
身体運動感覚知能
音楽・リズム知能
対人的知能

これについて、児玉さんはこんなことをいっています。

頭が良いのは、いわゆる一流大学に入学できる人たちだけではないのです。ひょっとしたら、野球で高校生が甲子園に出場するほうが、一流大学に入学するよりも難しいかもしれません。一流大学に入学できる人だけが頭が良いのではなく、甲子園に出場する高校球児も頭が良いのです。(中略)
あなたの得意技は何ですか?その得意技を勉強により極めることこそ、あなたの進むべき道なのです。(中略)
もはやただ蘊蓄(うんちく)を傾けるだけの人のニーズは、極端に低下しています。
『勉強の技術 pp.20-21』

勉強できるというのことは、テストの点が高いということではない。ということを勉強術の序盤で書いてある。これは興味深いポイントです。そして、テストの点が全てではないとしたら、、、ということガードナーの8領域が参考になるでしょう。それを極めるために勉強を使う、つまり勉強は手段であるということだと思います。是非とも将来の夢ある人に紹介してあげてください。

しなやかマインドセットで生きよう。

成長マインドセットについてです。これについては,別のnoteに別の視点から紹介しています。

コチコチマインドセット→スキルや才能は生まれつきのものなので、それを変えることはまったく不可能
しなやかマインドセット→スキルや能力は鍛錬や粘り強さによって伸びていく

コチコチマインドセットの人間は、失敗したときやテストの点が悪いときに、「自分はなんてだめな男なんだ」ということや「何をがんばってもうまくいかない」と無力感を感じてしまう。子ども≠コントロールという記事でも書きましたが、この考えだと自分ではコントロールできないと思ってしまい、勉強に対して不幸への道を進むことになってしまいます。

なので、何かを勉強するときにはどんどん自分が伸びていくというマインドセットをもちながら、結果よりもプロセスを大切にし、悪い結果よりも悪いプロセスを変えていくことに力を注いでいくことが日々進歩していく上では必要です。

集中力を持続させる方法(初頭効果と終末効果)

初頭効果と終末効果というものがあり、それは集中力というのは物事が始まるときと終わるときに高まって、真ん中は中だるみになるというものです。確かに授業などでは最初と最後は覚えているけれども途中は・・・ってことありましたよね。なので、3時間勉強する時間がもてて3時間ぶっ通しでやると、最初と最後に集中するだけであとは集中が持続しなくなります。

そこで対応策として区切りを作って(例えば1時間ごと)勉強をすれば、初頭効果と終末効果が3回起こるため集中力が持続します。要は脳を飽きさせない工夫をすることであり、私は勉強する時間が作れたときは15分程度を一区切りし、いくらキリが悪くても次のセッションでは違う本や違う勉強をするようにしています。ポモドーロ法もこれと同じ効果があります。

論理的思考のロジック

論理的な思考については三角ロジックというものを提唱しています。三角ロジックは主張(自分の意見)とデータ(過去の事実)と理由付け(判断基準)で校正されており、理由→主張といわれている論理的思考よりわかりやすいと思います。

データ:客観的な事実
理由付け:法則、原理原則、常識といった、データを裏付ける一般に認められているもの。
『勉強の技術 p.64』

例えば、

良い例:今年のソフトバンクは優勝する。なぜなら、チームの打率は2割8分で、防御率は3.25(データ)、どっちも歴代最高に近い数字だぜ!!(理由付け)
悪い例:今年のソフトバンクは優勝する。なぜなら、選手は気合い入っているし、調子が良さそうだから負ける気がしない。

まあ、あまりにかけ離れて過ぎるので良い例がいいのはわかりますが、データと理由付けで分析してみると納得する理由がわかってきます。

例えば数学でよく使う「帰納法」帰納思考と「演繹(えんえき)法」演繹思考もこの三角ロジックから違いがわかります。

帰納法というのは,犯人捜査であらゆる角度から証拠・状況証拠(データ)を洗い出し、その証拠をもとに、過去の事例に沿って結論を導く、つまり多くのデータ→理由付け→主張とする方法です。

逆に演繹法というのは古畑仁三郎のドラマのようなものです(10代は知らない?笑)。
古畑任三郎では、まず怪しい犯人を長年の勘や経験から一人に絞り込み(理由付け)、その裏付けのデータを探っていく、つまり理由付け→データ→主張としています。これが演繹法です。
帰納と演繹の違いを論の組み立て方の違いとして、よく表しているケースだなあと思いました。

SMARTな目標

これは、格言として小学生や中学生、高校生に教えてあげたい目標の立て方だと思います。

S:Specific − 具体的
M:Measurable − 測定可能
A:Achievable − 達成可能
R:Related − 関連性(自分が望むものに合致しているか)
Time Limit − 期限設定

例えばダイエットしようと意気込むだけではなく、
具体的には?達成を図るには?無謀ではないですか?ダイエットをすることは自分にどんな恩恵をもたらしてくれますか?いつまでにやりますか?
と質問を投げかけることによって具体的な行動に結びつきやすくなります。

いかがでしょうか。他にも色々なことが書いてあるので,是非パラパラとみながら自分に合ったものに取り組んでいきましょう。

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2021年3月から長泉町にある個別指導の学習塾「濱塾」を経営している高濱と申します。教育に関する情報を発信していきます。