京都のラーメンと新福菜館

京都駅を北に出て東へ向かうと第一旭と新福菜館というラーメン店が並んでいる。

京都のラーメンには「ああ、京都のラーメンだ」と思えるものがある。
北白川系、一乗寺系、宝屋系、そして、第一旭も京都ラーメンの本流と言って良い。
そういう意味で、京都に来て第一旭を選ぶのもわかる。

私は、どれがおいしいかといえば宝屋系だと思っているが、10年前に急速に姿を消して今では幾つかしかない。

どちらかといえば東京でラーメンを食べたことが多かった私には、京都の柔らかい麺にはいささか面食らった。

そこから、「何かしら」を振り切ったことで、自律性とでも言いうる存在感を得たのが天下一品といってよい。
天下一品は間違いなく京都ラーメンの特徴を備えているが、天下一品は天下一品である。
天一を食べても「京都ラーメンだ」と思わず天一だと思う。

もう一つ、何か別のものを振り切りまくっているのが、新福菜館となる。
新福菜館は、ラーメン屋なのにチャーハンを絶対食べてほしい(これは多くの人がいう)。
もちろんチャーハンを頼んだらそれでいいかというとラーメンも頼まなくてはいけない。
チャーハンのスープとしてラーメンを食べるんです。そういうものだと思っていただきたい。

新福菜館でラーメンだけ食べる、そういう観光客を以前目の当たりにした。

「まあ普通の醤油系かな……?」

いや、チャーハンがうまいんだよ。是非チャーハンを食べてほしいんだよ。

新福菜館のある支店に行った。日曜の午後2時だったが、パワー系の若い衆も、老夫妻も、入っていた。

量はしっかりあるので両方普通盛りを頼むと今の私は死ぬ。
ラーメンとチャーハンの両方とも小にしてもいいくらいだった。

翌朝、久しぶりのドカ食いに体重が1キロ増えていた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?