白日
2020年、私は多くを手放した。手放したと思っていたが、もしかしたら捨てられたのは私のほうなのではないかとたまに思う。
高校から大学にかけて、仲良くしていた友達グループがいた。旅行に行ったり、プールに行ったりそれはそれはたくさん遊んだし、お泊まり会もたくさんした。メンバーが誕生日の度にお祝いしていた。
でも、この頃からどうしてもぬぐえない小さな違和感があった。そこにいる私は楽しんでいるのだけど、心から楽しんではいない気がした。私の本当の悩みは話せないし、辛いことがあった時にも相談はできなかった。そこにいるのは本当の私ではなかったのかもしれない。
そのグループは、一人の子を中心に回っていて、みんなその子が一番好きで、一番好きでいられなかったのは私だけだった。きっとその子も気づいていた。私がその子に「忠実」でないことを。
2020年になってすぐにそのグループで遊んだ時に、その「違和感」がもうスルー出来ないほど大きくなってしまった。私にとっても友だちである人たちを荷物持ちにしたり、わがままで振り回しているのを見て、「もう見たくない」と思ってしまった。
もう、このグループで一緒にいるのは無理かもしれない。そう思ったら終わるのは早かった。一番親しくしていた子に事情を話した。その子は泣きながら、私が失うものの多さを心配してくれた。私は、自分は大丈夫だと言った。その子が自分に忠実になって、自分自身で選択した道を歩いていけることを願っている、とそう伝えた。伝わったかは定かではないが、私ができるのはここまでだった。
完全に私は関わりを絶った。そのグループと。中心にいた子と。でも、関わりを絶ったのは私だけではないのだろう。あちらからも絶たれたのだ。感染症の影響もあったかもしれない。とにかく、それ以来連絡が来ることはなかった。本当に一度も。私も連絡しなかったからお互いさまかもしれないが。
でも、所詮その程度の関係だった。本当に会いたかったら自分から誘えばいい。でも会いたいとも思えない自分がいる。会ったら会ったで、雑に扱われる仲間たちと私を実感してまた辛い思いをすることになる。もうごめんだ。そう思いながらも、私たちの7年間はなんだったのだろうと未だに考える。
でももう、戻れないから。前に進むしかないんだ。
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