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ジャッジ団体の話

昨日配信の中でジャッジの話をして、その後ツイートしたところそこそこ反響があったので誤解のないように補足しようと思いnoteを書いています。
配信を見てもらうのが良いので時間のある方は下記をご覧ください。
※何人かの知り合いのジャッジから話を聞いたりインターネットを調べてこの記事を書いていますが、間違い等ありましたら指摘いただけると助かります。

そもそもの話

mtgのイベントにはジャッジという存在が必要不可欠で、ルールの裁定やイベントの進行、結果報告をまとめる、時間を管理する、会場の設営を行うなどなどその仕事は多岐に渡っています。
昔はジャッジになるためには、店舗のジャッジを行ったり、プレイヤーとして参加したり、試験を受けて認定されていました。
ジャッジになることのメリットとしてはジャッジ報奨プログラムによってジャッジプロモを受け取ることができることが大きなウェイトを担っていました。

これらは一昔前の話で、今は少し状況が変わっているよというのが話の本筋になります。

2015年と2016年の話

2件の訴訟

2015年と2016年でWizards社を相手どり2件の訴訟が提起されました。(1件は1人でもう1件は100人規模の原告がいました。)
どちらもジャッジの働き方についてのもので、ジャッジをしている間はジャッジはWizardsの社員であり、残業代や社員同様の福利厚生を受ける権利があると主張するものでした。最終的にこの訴訟はどちらも和解に終わりましたがこの訴訟が後々のジャッジ組織をWizardsから切り離す動きにつながっていったと考えられています。

2019年の話

Judge Academy設立

2019年の10月にWizards社から独立した外部組織のJudge  Academyが設立し、それまでのジャッジプログラム機能の大半が移管されました。
新しいJudge Academyはその維持のため、ジャッジから年会費としてレベルに応じた会費を徴収し、その代わりにジャッジプロモを配るという形で運用されました。(わかりやすく説明するためにざっくりさせています。)

Judge Academy自体は今までになかった施作など新しい取り組みにも挑戦していましたが、コロナの流行などによるイベントの減少によりジャッジを維持しない(Judges Academyに維持費を払わない)ことも増えていき当初の計画通りとはいかなかったようです。

2023年の話

WizardsがJudge Academyとのパートナーシップを解消

2023年10月7日の発表で、WizardsがJudge  Academyとのパートナーシップを解消したことを公式HPでアナウンスしました。これにより毎年配られていたジャッジプロモが2024年シーズンは配布されない予定であることもJudge Academyより発表されました。
※公式ではその理由について詳細な説明はされていません。redditにはいくつかスレッドが立っているので気になる方は調べて見ても良いかなと思います。

Judge FoundryとInternational Judge Program設立

Judge Academyの後継団体として北米とカナダのジャッジのための組織としてJudge Foundryが、それ以外のジャッジのための後継団体としてInternational Judge Program(IJP)が設立されました。

2024年の話

最近の話

WizardsとIJPの間で静かに行われてきた交渉が決裂し公式のスポンサーや承認がされないことが伝えられ、IJPは組織の維持のためにクラウドファンディングを開始しました。

それに関するスペインの高レベルジャッジの話


結果として現状日本のジャッジコミュニティはIJPに所属しており、そのIJPはwizardsからの公認スポンサーを受けていないという状況にあるということです。

現時点でジャッジになるためには

いくつか方法はありますが、手っ取り早いのは大きめの大会でジャッジしている方とお話しすることです。諸々教えてくれるはずです。

Judge Academyの時にレベル1で、その後更新していなかったけどどうなる?

IJPの移行手続きをすることでIJPのレベル1を維持することはできます。ただしwizardsとは関係のない団体でのレベル1ということになります。

ジャッジプロモの話

現時点でかつてのジャッジ報奨プログラムのようなものはありません。なので新規のジャッジプロモも現状ありません。今後復活する可能性はなくはありませんが現時点では神のみぞ知るといったところです。

個人の感想の話

今後もMTGは続いていくでしょうし、ジャッジの必要性がなくなるとも思いません。ただし25年以上の歴史のあるジャッジの積み上げてきた知識やノウハウの蓄積は意外と簡単なことで途絶えてしまうかもしれません。
これまで継続できている裏には誰かしらの労力があります。今後も継続的に快適なイベント運営が続いていくために何かできたらと思いこの記事を書いています。

ジャッジに対する公式のサポートが打ち切られた背景には色々な事情があると思っています。正直色々調べましたがわからないことの方が多かったです。
現時点でサポートがないという点だけでwizardsがジャッジに対してリスペクトがないとかジャッジを軽く見ているということはないと思っています。今後どうなるかはわかりませんが、イベントとジャッジは切り離せるものではないと思っていますし、そして自分がMTGを好きなことに変わりはなくイベントにこれからもたくさん参加していくと思うので何か少しでも良くなればと願っています。

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