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ネイティブ・ジャパニーズからの贈り物

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ネイティブ・ジャパニーズ探究家 亀山理子が東北の小さな浜からお届けするLIFEマガジンです。土地に根ざし、自然とともに暮らすネイティブ・ジャパニーズから教わった知恵や学び。自身の…
運営しているクリエイター

#自然

#12 ネオ・ネイティブ・ジャパニーズのすすめ(中編)

 前回の記事からつづいて、今回は、都市部から蛤浜に通う中でネイティブ・ジャパニーズの知恵にインスパイアされ、それぞれの分野の特技・興味を生かしながら次世代の豊かな生き方を目指している「ネオ・ネイティブ・ジャパニーズ」の一人・YUKI☆さんをご紹介します。 ITコンサルタント×猟師×里山づくり  東京在住のYUKI☆さんは、東北プロボノプロジェクト(プロボノとは:社会的・公共的な目的のために、職業上のスキルや経験を活かして取り組む社会貢献活動)をきっかけにかれこれ7年以上蛤

#8 浜のネイティブ・ジャパニーズ(前編)

 私にとって旅は発見であった。私自身の発見であり、日本の発見であった。書物の中で得られないものを得た。−(中略)− 人の生活の場にはそこに百年の歴史があれば百年間の、百人の人が住めば百人の、それぞれの生活の歴史がひそんでいるはずである。そういうものをかぎわけて追求してゆくことによって、人は如何に生きて来たかを発見することがわかるばかりでなく、いま自分の立っている位置もおのずからわかって来る。  −(中略)−  私は日本という国はそのようにしてもう一度見直すべき国だと思う。国と

#7 希望をつなぐ(後編)

 #6で書いたような話し合いと準備を経て、いよいよ2021年11月、はまぐり堂にて、浜のお母さんたちと若者たちが交流する初めての体験ツアーが開催されました。  朝、浜に集合したツアー参加者の皆さんは、はまぐり堂オーナーの亀山と一緒にカゴ漁の体験からスタート。 私としょうこさんのスタッフ2名はお米を炊いたり味噌汁や魚のフライ、野菜のお惣菜を用意したりして、お昼ごはんの支度をします。  お昼近くになると、今回協力してくださる2人の浜出身のお母さんたちも到着。それぞれが作ってき

#6 希望をつなぐ(中編)

 前回#5では、結城登美雄先生のお話と、はまぐり堂の取り組みについて、地元のお父さん・お母さんたちと共有する機会をいただいたお話を書きました。それを通じて、みんなで未来の子どもたちへ"足元の宝もの"をつないでゆくために、世代を超えた協力の場を作っていこう、という取り組みがいよいよスタートしました。  2021年11月。取り組みの第一歩として、地元のお母さんたちと一緒に、はまぐり堂で体験ツアーを開催することになりました。  お母さんたちに季節の恵みを生かした家庭料理を持ち寄っ

はじめに

 初めまして。ネイティブ・ジャパニーズ探究家・亀山理子です。  宮城県・牡鹿半島の蛤浜という浜に夫・亀山貴一(はまぐり堂代表理事・小漁師)とヤギたち、猫たちと暮らしています。はまぐり堂では、スタッフとして料理・お菓子・SNS広報などを担当しています。  このマガジンを読んでくださる方の中には、「そもそも"ネイティブ・ジャパニーズ"とはなんぞや?」と思われた方も多いのではないかと思います。  私が「ネイティブ・ジャパニーズ」という言葉を知ったきっかけは、作家・北山耕平さんの著