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MTGにおいて採用枚数の明確な根拠説明できますか?

※この記事は全文無料で読めます。
皆さんこんにちは。普段は晴れる屋TC大阪、カードショップくじから でリアニメイトを使っているハマぐりです。
アトラクサの記事たくさんの方に見て頂きました。本当にありがとうございます。そこからもしかすると皆確率の計算興味あるのでは…?と思ったので今回また確率について記事にすることにしました。

皆さんアトラクサという新カードについてただ気になっただけな気もしますが…

今回の内容はカードの採用枚数についてです。
具体的に言うと、60枚のデッキで同じカードを4,3枚採用した際に初手にくる確率です。

この内容にしようとした経緯は下で記載しますが、興味なければ本編からお読みください。

記事を書こうと思った経緯

私は自分の使うデッキや自分が苦手としているデッキのnoteや記事をよく読むようにしているのですが、それらを読んでいる中で以下のような記載をよく見かけます。

  • Aというカードは強くて積極的に引きたいので4枚の採用。

    分かる。強いカードは絶対引きたい。たくさん引きたい。なんぼあっても困らないもんね。

  • Bというカードは強いが、複数引きたくないので、2,3枚の採用。

???????
複数引きたくないから1,2枚減らすって何????
それでどの位変わるの????
有料記事ならもっと明確な理由で書けよ。お金もらってるんだから。

と言った感じの後者のふわふわした理由で採用枚数を決めているのがあまり好きではありません。
恐らくふわふわした理由を書いているという事は、採用枚数の確率についての記事が存在しないのではないかと思い、それなら僕がまとめようじゃないかと思い立った次第です。

長くなりましたが、では本編です。

前提条件

前提条件として以下を設定します。

デッキ枚数  60枚
採用上限枚数 4枚
同じカード手札に1,2枚くる確率を記載します。
さすがに強いカードとはいえ3,4枚もくると事故である方が多いと思うので書きません。(要望があれば追記します。)

全く同じカード編

4枚採用した場合

1枚引く確率
33.6%

2枚引く確率
5.9%

3枚採用した場合

1枚引く確率
28.1%

2枚引く確率
3.2%


実際カードゲームはまったく同じではないにしろ、似たような役割を持つカードが沢山あります。
例えば私の使うリアニメイトは「釣竿」と呼ばれるリアニメイトスペルは12枚入っています。
これらは細かい役割は違いますが、概ねどれか引いて欲しいカードです。
同じ役割のカードが12枚も入っているデッキは稀だと思いますが、同じ役割のカード2種類つまり8枚ないし、7枚採用する事は多いんじゃないでしょうか?ですので、それについても下記に記します。

同じ役割のカード編

8枚採用した場合

1枚引く確率
42.1%

2枚引く確率
18.8%

7枚採用した場合

1枚引く確率
41.6%

2枚引く確率
15.6%

以上が確率になります。ここで少し真面目な話をします。

有意水準5%

有意水準5%という事を聞いたことがあるでしょうか?あるならここからは読み飛ばして計算を経てから読んでください。
興味ない人は5%未満は無視して良いだろうという事だけ知って読み飛ばしてください。
(厳密には違いますが、この記事を読む分には大丈夫です。)

※ここから有意水準の話です

有意水準5%というものは統計学で用いられる確率の線引きのようなものです。

1番簡単に有意水準について何となく理解出来るのはコインの裏表の話です。
ここでひとつ考えて欲しい事があります。

コインを5回投げて5回連続表が出た

この場合このコインは細工が加えられたイカサマコインと指摘できるのか?

流石にこれはコイントスで使うべきでは無い



まぁ人によって感覚はまちまちだと思いますが、8回連続で表なら流石に細工を疑いますよね。
実際5回連続表が出たからと言って、細工があるかどうかの判断は感覚的なものになり何も説得力はありません。
そこで統計学では、細工のないコインならどの位での確率で5回連続表が出るのか?という逆説的な考えをします。
簡単に言うと、「5回連続表が出る確率を調べて数字で判断しよう」という事です。

実際に計算すると0.5の5乗ですので、百分率に直すと3.125%です。この数字を見ても人によって捉え方は当然違うかと思いますが、そこで有意水準5%の出番です。
この5%を基準にこれを下回るとその仮説は棄却しても良いとされています。あまりにも起こらなさすぎるから無視するべきもの位で理解してください。
つまりこのコインの問題は5%を下回っているので、イカサマだ!と疑っても良いという事になります。
この有意水準は覚えておくと確率の見る目が少し変わるのでは無いかと思います。

ただ、この有意水準5%はなんの根拠も無いものとされていて、一説では現代統計の父フィッシャーが「5%に設定すると便利や!」と言ったから5%になったとも言われてるくらいです。
しかし、有意水準は新薬の効き具合等を調べる時でも用いられる事もあるものなので無碍には出来ないなと個人的に思います。

では本題に戻ります。

計算を経て

先程の有意水準を考えると3枚採用したカードを2枚引く確率の3.2%はほぼ起こりえないものと考えられます。なので、気にするだけ無駄なのです。
しかし、4枚採用して2枚引く確率は5.9%です。
なのでこの確率は有意水準を元に考えると無視できるものではありません。

結論

2枚引きたくないから3枚採用にするというのは統計学から見てもあながち間違いではないようです。
引きたくないから3枚採用にしている人達が有意水準を知ってるかは定かでは無いですが
しかし、1枚引く確率は採用枚数を1枚減らすことにより5.5%も減ってしまいます。この5.5は有意水準とはまた違うものですが、決して無視できるものではありません。
なので、2枚引きを嫌うか初手に引く確率を好むかで意見が分かれ、デッキ構築も変わりそうですね。
これだからカードゲームは面白いと思います。


最後に


長々と書いた結果自分の信頼出来る方を信じろみたいな馬鹿な結論になってしまいましたが、その馬鹿な結論が厳密に分かっただけでも良かったのかな?と思います。

余談で書くことは一応決まっていたのですが、カードゲームと関係の無いことを長々と書いたので今回の余談は省かせて頂きます。
もし要望があれば記載します。

ここまで読んで頂きありがとうございます。
最後にお小遣いをやろうと思ってくださった方は投げ銭感覚で記事を買って頂けると励みになります。
ではまたどこかの大会で会いましょう。

3/11の関西帝王レガシーには出没する予定です。

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