紅麹問題の続報2~培養期間の疑惑


また少し追加しておきたい。

厚労省が4月19日公表の資料から、日程的な辻褄が合わないという疑惑である。

(再掲)

https://www.mhlw.go.jp/content/001257891.pdf


この資料中で述べられている、『 Ⅱ 青カビによる直接産生能の検証 』において、和歌山工場(A、B)と大阪工場(C)から青カビを採取し米培地で培養したら、プベルル酸が全培地で産生された、ということである。

つまり、原因真菌として特定された "Penicillium adametzioides" を米培地で培養すると、「必ずプベルル酸の産生」が再現できる、ということでしょ?

そのペーパーを公開すればいいものを、何故か秘匿して「世界初の大発見」の手柄を内緒にするという、奇妙な謙虚さ(笑)。


4月中旬に工場に再訪し検体採取してから、上記原因真菌となった「青カビの分離同定」を実施し、その後に米培地で「プベルル酸産生能」の確認を行ったわけでしょう?
19日に当該資料公表ということは、前日には内部的に「公表の承認」を上司等から受けたとして、17日時点で結果報告が研究施設から厚労省に来てたということだと考えるでしょう?

その間、僅か1週間しかないのですよ?
本当に培養できたんですか?という話なのですよ。





このツイートを書いた時点では、再訪時期が「4月」という情報しか分かっていなかった。その後に、報道によって「4月中旬」という条件が判明したわけです。仮に10日に検体採取だとして、15日までにプベルル酸の産生能が検証できたとは思えないわけですね。

お役所は文書主義のはずなので(笑)、結果が出たからって電話とか口頭のみの報告なんてのは、まず少ないでしょう。
検体を培養すると、複数種類の細菌類や真菌が検出されることが殆どのはずで、試料A~Cに共通する原因真菌の同定まで時間を要するのが普通。これを単独分離で「プベルル酸の産生能」を調べる為に更に培養する必要があるので、実験時間が短すぎるというのが当方の見方ですね。


この後、NHK報道の記事を知るわけです。








過去のプベルル酸を産生する真菌の種類が書かれた古い論文を見つけたので、それも追加しました。厚労省発表の真菌とは縁もゆかりもありません。




論文になっていたのは、小林製薬が保管してあった製品サンプルの分析をやってみたら、プベルル酸の含有が確認され「未知の物質Y・Z」も含まれていた、という話でした。

真菌培養とその後にプベルル酸の産生が確認できた話とは、全く別ですね。







産業テロ攻撃の場合、人為的に製造工程途中で直接「プベルル酸の投入=汚染」状況を作れるわけで、その場合「健康被害が報告されてないロット」の製品中から検出されても何ら不思議ではない。

本件騒動のように「プベルル酸に汚染されている!」とさえ豪語できればいいので、本当に培養真菌が「プベルル酸を産生した」事実がなくても宣言は可能だということ。
だって、培養したことにして、産生されたと言えば済むので。


製品サンプルの分析論文はあるのに、P. adametzioidesの培養・プベルル酸産生の解析論文がない事自体が、あまりに不可解である。検体採取から結果公表までの時間的な余裕の無さも、実際に培養できたかどうか疑念を抱かせるレベルで短いのも不自然だ。




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