日経平均株価指数の史上最高値更新を記念して、書いてみた


投資をしている方々にとっては、大変幸先の良い年になっているのではないかと思いますが、皆様いかがお過ごしでしょうか(笑)。


日本企業の時価総額が増加すると、年金資金運用のGPIFや数十兆円規模のETF保有の日銀も評価益が増えて喜んでいることでしょう。

当方も若干の御相伴にあずかってはおりますが、どうも違和感が拭えないわけです。多くの証券関係者らからは、報道を通じて大変威勢のいい見通しや将来への期待の言葉を聞くのですが、当方にとっては懐疑的部分もあるわけです。


で、少し思うところを述べてみたいと思います。


奇妙に感じる点が、まずはこちら。

東証リート(REIT)指数の暴落です。







特に欧米大都市部の商業用ビルの不振(空室率が約20%前後にまで大幅上昇)や投げ売りの影響なのかもしれませんが、日本での状況は全然別ですね。

参考:






日本のREITの運営会社がよほど借入が困難とか、借入時の適用金利が米国みたいに数%も一気に上昇するということは、日本では当面考え難いわけですが、金利負担が重荷になることを想定したとしても、借入比率がべら棒に高いわけではないので、総コストの増加に占める割合が一気に増えるとも思えないのですよね。

それでもなお、損してもいいから「投げ売りしたい」reit保有者が大勢いる、ということですかね?
それが一体全体誰なのか?
と不思議に思うわけです。個人の不動産投資とは違うのは分かりますが、住居用の投資物件は軒並み利回り低下=物件価格上昇ですし、新築物件も建設コスト増加を反映して、元々低い表面利回りは07年頃のリーマンショック前よりも低い水準まで低下してるのですよね。


だが、実物不動産を大量保有している「東証REIT(指数)」だけはコロナ前よりも大幅安となっているわけです。こんな矛盾した投資行動があるものなのでしょうか?


海外勢が何を目的に高値圏の株式を買ってきているのか、がよく分からないわけです。






つい最近まで言ってたことと、全然違う行動なのは、変だと思いませんか?


日本なんて、経済低迷の人口減少の高齢社会で、発展性も成長も乏しくて、先進国どころか中堅国以下の「途上国経済」だと散々酷評されてきたのが、どうしてこの約1年未満の間にこれほどの急激な「高評価への転換」が起こったのか?
誰か理由を説明できますかね?







普通に考えて、ダメダメ経済国家の日本だというわけですから、毎年円安が進んで、必然的に円資産の損失(自動的)になっちゃうわけでしょ?


これまでの海外勢の御高説によれば、日本の財政赤字が世界最悪で、国債残高もべら棒に多くてGDP比で国家破綻寸前なのだから、ハイパーインフレになって円の通貨価値が暴落して、一万円札が紙屑になる、と盛んに説教を垂れてきたわけですよね?


そういう円資産を何故これほどの高値で、敢えて危険を冒してまで購入するのでしょうか?
日本人がせっせと海外株式資産に数兆円の資金を投入し続けるから、円安になるんだとのお説が正しいなら、それを上回る上昇率が達成されない限り、円資産の為替安による目減りが不可避なのでは?

為替ヘッジをしてるなら、ドル(外貨)売り円買いに張ることになるのでしょう?
今は円安と株高が同時進行ですよね?


どうも理解し難い現象が見られるわけですが、過去のマスコミの解説や経済専門家の言説が全部デタラメの嘘八百だったからでしょうか?

通貨の円が暴落すると、海外勢が買い集めてる株式などの円資産は必然的に暴落するのですよね?
円安ドル高が進んできた時にも、日本円は破綻リスクの高い通貨だから安く売られるんだ、とか言ってたのにおかしいですよね?


株価指数高の謎現象の一例として、何ら関係のない川崎重工の株価を見てみますね(特に悪意はありません。偶然目に入っただけです)。



23年3月期には大幅増益で好調だった川崎重工でしたが、今期の上半期では赤字転落となりました。その結果を受けて若干の株価下落とはなりましたが、上昇を続けてきたわけです。

トレンドとしては、2022年7月末頃に約2200円弱だった株価から、昨日の終値3943円と約1.8倍の上昇となっていますね。


https://finance-frontend-pc-dist.west.edge.storage-yahoo.jp/disclosure/20240209/20240207528735.pdf


3Qでも赤字継続が公表された2月でさえ、赤字転落の中間期決算発表よりも株高が進んだということですね。

11月の公表前終値3438円から約7.5%3179円まで急落しましたが、一時的で終わり、その後順調に株価を上げてきたわけです。
好決算が期待された23年3月期の中間決算後(11月上旬)でさえ約2900円だった株価が、赤字の今期では3900円以上に値上がりという謎ですね(笑)。


まあ、株価なんて将来性だか期待とか人気が大事なので、必ずしも決算や業績云々で上がるわけでもありませんが、現状の説明として「企業好業績が株高の要因」と言うわりには、赤字転落企業株が謎の値上がりを続ける一方で、(知名度の低い)不人気の健全黒字経営企業が売り込まれて株価が下がるわけです。それは日経225採用銘柄であっても、連れ高ではなく逆に下落してますね。


個人投資家勢のここ数カ月の株式購入動向で信用買いが増えたのは、「株価指数のアゲ」から漏れた株価安となっている銘柄群が増えると、押し目買い的に持ち高を増やした人が増えたのではないかと思います。

信用残高情報では、大幅下落銘柄での信用買い残の増加が見られることが多い気がしますので。


仮想通貨市場だろうと、FXだろうと、株や商品先物市場だろうと、殆どが「素人勢がヤラれる」結果となり、養分にされるのです。

そのような中で生きている人々が、ただ「単調増加となるような相場」を提供してくれる、などということはほぼ考え難いわけです。

カモを誘き寄せ、手懐ける(見かけの利益に慣れさせる)為の罠の可能性を考える必要があります。
上昇を続けてきた中国株式市場を見れば分かるように、海外勢が資金を一斉に引き揚げることがあることと、それにより大幅下落を食らうことも起こり得ると思っていた方が良いでしょうね。

日本市場でも、海外勢の連続売り越しは、過去に起こってきましたから。




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