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ピアアドボケイト

「第11回 全国ピアスタッフの集い」に行ってきました。

精神疾患を持ち、その経験を活かしながら活動している人たちは、自分自身を「ピア」と呼びます。その経験を支援に活かして働いている人はピアスタッフと呼ばれます。私は周りにピア活動をしている人たちが多く(なぜならピアスタッフ協会に出入りさせてもらっているから)、私が所属している権利擁護団体でも一緒に活動しています。

今回の集いでは、「ピアアドボケイト」についてオーストラリアでピア活動をされている方のご講演を聴いてきました。

権利擁護をすることを、アドボケイト(Advocate)と言います。私たちの団体は、精神科病院を利用する人が、希望(退院したい、薬を変えたい、退院先を探したい等)を誰にも聞いてもらえない時に相談を受ける場所として活動しています。

相談を聞いて、その希望について一緒に考えるはずの人(医師や担当ソーシャルワーカー、役所の職員等)につなぐ役割をするのです。その人の気持ちを聞き取って、つないでいく。時には、なぜ希望を聞いてもらえないのか、聞きに行く。そのために精神科病院に面会したり、事務所に来てもらってお話したり、何度も電話をして経緯を聞いたりしています。

私たちの活動に、多くのピアが参加しています。彼らをピアアドボケイトと呼びます。でも、アドボケイトという単語が日本に入ってきたのは最近の話。みんなは自分たちがやっていることがアドボケイトと呼ばれることは知らないかもしれません。たしかに、私たちは「電話相談ボランティア」と呼び合いながら活動しています。

でも、ボランティアの中でも「権利擁護」をする役割なので、ちゃんとアドボケイトと呼び合っていいと思っています。わざわざカタカナばっかり輸入しなくていいよ…と言われればそうなのですが、でもアドボケイトと呼び合う日が近いように感じます。だってアドボケイトしているんだもの。

今回お話してくれたオーストラリアの方が、「一緒にアドボケイトしていきましょう」と力強く語ったのがとても胸に響きました。権利が守られていない人のために、立ち上がれる私たちが立ち上がるのだと。

単語を得ることで、自分がやっていることの認識が際立つこともあると思うのです。私たちがしていることは、ソーシャルワークなんだ。アドボケイトなんだ。というように。

感動して帰ってきたので、そのまま気持ちを書いておきます。

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2023年のテーマは洒洒落落。物事にとらわれず、さっぱりと生きたい。そんなハマダのこだわりレスな記事はこちらに収めます。

ソーシャルワークひとりごと(マガジン)


ハマダユイ
ソーシャルワーカー11年目。大学教員をやりながら、相談室バオバブで個別相談を受けている。精神疾患にまつわる悩み事、家族のこと、人間関係のこと、仕事のこと…。いろんな人と一緒に作戦会議を開く毎日。

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