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【プロジェクト紹介】エフエムしろいし株式会社~"ふるさと"で生きることを選んだ人たち ドキュメンタリーボイスドラマ『Snow Flower ~ひとつ終わり ひとつ始まる』~

全国・世界・地元から、福島県12市町村に、芸術家が集まり、滞在制作をするハマカルアートプロジェクト(経済産業省令和5年度地域経済政策推進事業(芸術家の中期滞在制作支援事業))。採択者とその活動を紹介しています。どのような人々が、どのようなアートを福島県東部の12市町村でつくろうとしているのでしょうか?
今回は、浜通り地域を中心にアーティスト・イン・レジデンスのプログラムを展開するエフエムしろいし株式会社のボイスドラマ制作について紹介します。

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ラジオでつなぐ現地の声とリスナー

横田さんがパーソナリティーを務める、エフエムしろいし株式会社のラジオ番組「満点DAMミュージックレジェンズ」リスナーにX(旧Twitter)にて、様々な投げかけをし、それに返ってきたリスナーからのリアクションを番組内で紹介しながら進行しています。
今回のボイスドラマ制作にあたり、番組内で3回の特集を組み、3月11日のボイスドラマ放送に向けて徐々に盛り上げています。

  • 1月14日 満点DAMミュージックレジェンズ福島特集第1回放送

  • 1月28日 満点DAMミュージックレジェンズ福島特集第2回放送

  • 2月18日 満点DAMミュージックレジェンズ福島特集第3回放送

  • 3月11日 ドキュメンタリー「Snow Flower ~ひとつ終わり ひとつ始まる~」放送

取材をした1月22日は第1回の放送後でした。第1回の放送では能登半島地震の直後であったことも重なり、反響が大きかったそうです。
実際に常連のリスナーの中に被災者の方がいたため、X内で呼びかけが行われ無事が確認できたり、被災地への応援メッセージなどが多く寄せられたりしました。


"ふるさと"とは…それぞれの居場所

ボイスドラマに出演するダンススタジオの子ども達

横田さんが様々な方にインタビューしていく中で「僕が考えていたよりも、もっと切実だった。しばらく離れなきゃいけないではなく突然離れなくてはいけなくなって、1日、1週間じゃなく、5年も6年も今も帰れなくなってしまったわけですから。」と話す横田さん。
今回インタビューした方の多くは帰還者であり、"ふるさと"に帰る帰らないの2択ではなく、帰らないという選択肢は始めからなかったのではないかという印象を持った横田さん。地元との結びつきがその人たちの暮らしを支え、信頼関係が形成されており、帰還者の方たちもそれを求めていたと横田さんは感じました。


3月11日の放送に向けて

制作していく中で多くの方を取材し、最終的に50名以上の方々にインタビューを行った横田さん。
「インタビューを通して最後は、明るい展望という形で締めたい。震災を知らいない世代でもいいと考えています。福島の印象を暗い感じにはしたくないので、その町が、自分の住んでいる町のどこがが好きかというのを引き出して締めくくりたい。」と語る横田さん。
Youtubeに公開された予告編の中には、明るく元気な子供たちの声が収録されていました。

ボイスドラマを録音する機材を子どもたちに見せる横田さん

ボイスドラマ「Snow Flower ~ひとつ始まり ひとつ終わる~」は3月11日にエフエムしろいしにて放送されました。
Xにてパソコンやスマートフォンでの再放送の視聴方法が掲載されています。

  • 3月11日(月)20時~21時

  • 3月16日(日)20時~21時(再放送)

このプロジェクトによって、福島のリアルな今が県外へ発信され、多くの人に知ってもらえることを切に願っています。