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ゲームマーケット2023秋 で買ったもの

去る2023年12月9,10日(土日)に東京ビッグサイト西1,2ホールで開催された
「ゲームマーケット2023秋」
にはじめて行ってきました。

ゲームマーケットは、文学フリマにもまして「何を手がかりに選ぶものか」むずかしいですね。
パッケージで選んだとして、それがゲーム性になん関係あるんごか、と自問自答になる。
それ以前に 市販の アナログゲームもさしてやってない。
勘がない。

それで何で同人ゲームのイベント行くんか!

とほんの一滴思いつつ、
行ってみなけりゃわからない。

買ったものメモ。
(まだ だいたい遊んでません)



「お香のカードゲーム くんくんくん」 (B16 香老舗 松栄堂)


創業300年、という老舗のお香会社が作ったカードゲーム。

香りが出るカード! なんて、雑誌のおもしろ付録以来の再会。
普段生活していてビンに割箸刺した(わけではない)フレグランスはちょくちょく見るけれど、お香は嗅いでみるとやはりモノが違う。しかも一種類ずつパウチ保存、毎日遊んでも1年は持つそうです。

用意されたルールは、場のカードを嗅いで手札を揃える/ばらけさせるといった基本形から、ひとりが親になりカードの香りを形容し、同じものを探し当てるといったコミュニケーション要素のものまで。会場で社員の方と遊んだんですが、
「夏っぽい・・・いや、春、春から夏ぐらいの・・・晴れた・・・晴れたさわやかで・・・暖かい・・・?」
と言われ、わかるか! と思いつつ「○○みたい」と単純に言えない難しさ。ソムリエコンテストのような、相性ゲームのような。


カードは基本セットでは3種。拡張パックで追加2種あり。
素材が面白いからどんどん拡張ルールを作れそうです。

・・・とか知り合いに喋ってたら、「組香」という平安時代からのガチゲームがあると教わりました。
こういう伝統を翻案して、お香を次世代に・・・!



追伸
別団体で制作中のものもありました。



「みんなでメイキングBL」「みんなでメイキング百合」 (ア12 メイキング〇〇シリーズ)

これは最高ですね。

BL即興リレー小説をつくる協力型ゲーム。
まず場に「キャラクターカード」を2枚設置し、それぞれ「攻め」「受け」とします。
次に「シチュエーションカード」「関係性カード」を置き、ダイスで関係性を決定。
全員が山札から手札を5枚持ち、1ターンに1枚カードを出して、書かれたワード(セリフ、動作、アイテム等々)を使いながらストーリーを進めましょう。
山札が後半に入ったら「ENDカード」を引くかもしれません!
引いてしまったら、その指示の通りにエンディングを迎えられるよう、最後の1周。
最後に、最も「いい展開」を作った人を投票で決めます。
もっとも投票を集めたあなたが、「腐女神」だ!!


・・・というわけで、カードに書かれたワードはどれもBL(or百合)御用達のものなので、そのガイドを借りながらお話を紡げば、自動的にそっちに行けるということらしい。
YouTube見ると、いい声の人たちでやるとなお良いようですね。

これはやりたいなァーーー。


「フォントかるた」、書籍『愛のあるユニークで豊かな書体。』 (オ09 フォントかるた制作チーム)


たぶんもはやメジャーな「フォントかるた」。寡聞にして初めて知りました。
和文版、英文版、さらに拡張「書式セット」などいろいろ出ております。

ルールはカルタそのまま。
ただし「取り札」はどれも「愛のあるユニークで豊かな書体。」としか書いてません(和文版)。
すべて同じ文字、違うフォントで・・・。

最初に裏を見てフォント名を覚えるタイムがあるのと、あと読み札は「フォント名+解説」になっているので名前を知らなくても解説から絞り込んでいくことが可能。
たとえば「ゴシック体~」「曲線的で~」「○○の文字のはらいがまっすぐ伸びているのが特徴~」などまで聞いていけば、素人でも戦える、かも?

このゲームのセレクトをもとにした解説書も発売されていて、こちらは実際の商品から使用例を拾ったり、各フォントの個性・成り立ち・印象まで突っ込んだ、フォント愛の一冊。



「三角関数麻雀」 (コ26 なるしす娯楽学会)

数学分からないのに買っちゃった。

カードでプレイする麻雀ゲーム。牌にあたるカードが入っているのだが、それがすべて「sin60°」とか「cos15°」とか「tan135°」だの書いてある。

初級編はドンジャラ式に、順子(15°刻みで3枚)、刻子(同じ角度か三角比で3枚)、対子(刻子の2枚版)を集めればいい。次の通常ルールでは、役を付けることが必須になる。ここまではいい。
本領発揮は「エキスパートルール」だ。
ここからは数字、演算子(+、ー、=)カードが入り、式を成り立たせることがあがりの条件になる。
役満はcosかその逆数のみで式を作る「cos子無双」や、tanか逆数のみでの「tanヤオ」、15°ずつの9連続角度で作る「九連方向」等等等等。

そしてこのゲームをやるときには、友達に「三麻しない?」と呼びかけよう。4人揃っていることを怪訝に思われた瞬間、こう言い放つのだ。

「大丈夫! 三(角関数)麻(雀)だから!」

(※パッケージ裏の文言より)



「ポストラベル」 (ニ04 Ending Maker's)

観光土産の絵ハガキを使ったゲーム。
写真から読み取れる情報をもとに、日本地図ボードと矢印付箋で投票、
都道府県を当てれば3ポイント、地方当てが2ポイント、東/西日本だけでも1ポイント・・・と、カジノのルーレットみたいなバック率設定がされている。

付属の絵ハガキは15枚だけなので、お部屋や実家に眠っている駄ハガキが眠りから覚める時は今、なのではないだろうか。

もろもろアレンジし甲斐がありそう。



「ローグライクハーフ」 (ヌ31 FT書房)

1人用TRPGのルール&基本シナリオブック。

・・・という、ことだけ言って、門外漢は詳しいことの言及は避けさせてください。剣と魔法のファンタジー世界の冒険、が、なんとアナログで1人で遊べてしまうのだ。それが1人TRPGという意味だ。

追加シナリオも続々執筆されている(し、同人執筆も開かれている)ようです。



「掛川シ録」 (ネ59 掛川TRPG先進都市化計画)

掛川、とはもちろん静岡県の掛川市のことだ。地元が近いです。

昨年と今年、ハロウィン仮装イベント「掛川百鬼夜行」というのがおこなわれ、それに伴った文芸イベント「掛川百鬼行」の募集があったそうな。
それも小説部門とTRPG部門。
樹立の仕方に、運営の(というか運営の選定の)ただならぬ気迫を感じますね。
その受賞作の紹介をした簡易パンフレット。本編収録冊子のほうは会場では売切れでした。

ちなみに今年は、「怪異百鬼絵巻」も行われ、イラストが募集されたらしい。



「まんがすごろく ゴッホとテオ」「パリのカフェ日記」 (ニ13 Atelier Mimir アトリエミーミル)

以前『旅するゲームブック』を遊んだアトリエミーミルさん。https://note.com/hamachiichiban/n/n44c8a572333e

その後の新作もデザインがつい手に取ってしまう美しさ+カジュアルさ。
こちらは画家のゴッホとその弟テオドルス(テオ)の道行きが体験できるすごろくと、
パリに移住した芸術家見習いとなって過ごすひとりTRPG(?)。
まだ遊んでなく てきとうな説明ですみません・・・。

遊びながら/遊んだあと、岩波文庫2冊分にもなるテオへの手紙を読んでみてはいかが。

パリで芸術といえばエコール・ド・パリ。ウディ・アレンの『ミッドナイト・イン・パリ』とか。

ゆっくり時間を作りたい・・・。



「くたばれパラドクス 梧桐重吾短編集」「梧桐重吾短編集Vol.2」 (ト27 ましかまる(委託販売))

濃密な謎解きゲームブックを作られている梧桐重吾さんの新作、三冊=三作が箱入りで。
梧桐さんの作風をご存じない方は、boothで無料公開が3篇あるので、ちゃんと指定通り印刷してぜひプレイしてみてください。

もうなんか、純文学?純ゲームブック?
純ゲームブック文学? って感じです。

どのジャンルと限らず、ものすごい人を見ると、身がキューッと引き締まりますね。



おわりに

初めて行ったわりに、はじめてのひとへの案内みたいなこと何も書いてませんが、
そんなに不安に思うことはない、ということだけ。

試遊スペースをもうけてるブースが多いので(事前にカタログ買えば有無もチェック可能)、遊んでみて選ぶことも可能です。もちろん、遊んだ分だけ「カワヘンノカイ」プレッシャーは高まるが・・・。

楽しかったです。
トイレで財布の忘れ物を見つけ、本部に届けた。
そんな初ゲームマーケットでした。



こちらのかたのレポも詳細で情報満載です。


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