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「How Do I Get to Carnegie Hall?」 ~Sparksの詞を訳す③~

来たるべきスパークスの来日にそなえて(?)始めたこの記事シリーズですが、もう来日してました。

ブラボー!

しかし
なんたる準備不足でしょう 己の。
ファンを名乗れるのはいつの日か。なにもしらなすぎる。曲の理解もおぼつかない。

というわけで
ツタヤに走って、対訳の付いてるCDをガーッと借りてきましたが(しかも上の写真の斜向かいのツタヤだ!

対訳ってすごい。
こうやってしっかり歌の全体を把握して、意訳するからこそ、読んでわかるんだと。

逐語で「う~ん、辞書ではこう言ってるからな~」じゃない、と。


そう言っても、すぐにできるわけではないのだけど。



How Do I Get to Carnegie Hall? 
(カーネギーホールにはどうすれば行けますか?)


こちらも『Lil' Beethoven』(2002年)から。2曲目。

これまた”定型句から違う意味を引っぱり出す”シリーズで、タイトルのフレーズはアメリカの古典ジョークだそうです。

「ちょっとすいません、カーネギーホールに行くには・・・」
「練習、練習、練習!」


たぶんアメリカの人がこの曲を聴くと、
 おなじみのジョーク→純粋な言葉の意味→新しい悲劇
というふうに、脳の受けとる意味内容が変化していくんだと思いますが、
このジョークを知らない立場からすると、
 純粋な言葉の意味→おなじみのジョーク→純粋な言葉の意味→新しい悲劇
と、一回まわってからこの歌のストーリーにたどりつく感じがしますね。なにか不思議。



動画


公式。

非公式。
映像自体は『Lil' Beethoven LIVE IN STOCKHOLM』というDVDからのよう。



訳してみた


 ※歌に合わせて修正を入れています。


カーネギーホールへ行くにはどうすればいいですか?
カーネギーホールへ行くにはどうすればいいですか?
カーネギーホールへ行くにはどうすればいいですか?
カーネギーホールへ行くにはどうすればいいですか?

練習だ、練習!
練習だ、練習!
練習だ、練習!
練習だ、練習!

カーネギーホールにはどうすれば行けますか?
練習、練習!
カーネギーホールにはどうすれば行けますか?
練習、練習!
カーネギーホールに行きたいなら
練習、練習!
カーネギーホールにはどうすれば行けますか?
ああカーネギーホール、カーネギーホール!

技術も磨いた
クラシックも学んだ
みんなみんな このため
でもまだ 振り向いてくれないのか

練習した、練習した
カーネギーホールが手招きする
練習した、練習した
カーネギーホールが手招きする
もういけます もういけます
カーネギーホールは手招きしてた
でもまだ 振り向いてくれないのか
でもまだ 振り向いてくれないのか

ピアノはスタインウェイ、スタインウェイ、スタインウェイ、スタインウェイ
スタインウェイ、スタインウェイ、スタインウェイ、スタインウェイ

カーネギーホールにはどうすれば行けますか?
練習だよ、練習!
カーネギーホールにはどうすれば行けますか?
練習だ、練習!
カーネギーホールに行きたいなら
練習、練習!
カーネギーホールにはどうすれば行けますか?
ああカーネギーホール、カーネギーホール!

スタインウェイで練習
スタインウェイで練習
スタインウェイで練習
スタインウェイで練習
スタインウェイで練習
練習、練習

ハマった 大盛り上がり
歓声も 割れんばかり
これはいった これはいけた
批評家もみんな「面白い」って
スタインウェイで スタインウェイと
ああでも そんなの意味ないのか

カーネギーホールにはどうすればいけますか?(まだ振り向かない)
カーネギーホールにはどうすればいけますか?(まだ振り向かない)
カーネギーホールにはどうすればいけますか?

カーネギーホールにはどうすればいけますか?
練習だよ、君、練習だ!
カーネギーホールにはどうすればいけますか?
練習だよ、君、練習だ!
カーネギーホールにはどうすればいけますか?
練習だよ、君、練習だ!
練習だよ、君、練習だ!
練習だよ、君、練習だ!
練習しました、練習しました!

ブラボー!ブラボー!
ブラボー!ブラボー!
ブラボー!ブラボー!
ブラボー!ブラボー!

カーネギーホールにはどうすればいけますか?
練習、練習!
カーネギーホールにはどうすればいけますか?
練習、練習!
カーネギーホールにはどうすればいけますか?
これは意味ないな
カーネギーホールにはどうすればいけますか?(まだなんの兆しもない)
カーネギーホールにはどうすればいけますか?(まだなんの兆しもない)
カーネギーホールにはどうすればいけますか?(まだなんの兆しもない)
練習、練習!

カーネギーホールにはどうすればいけますか?(まだなんの兆しもない)
カーネギーホールにはどうすればいけますか?(まだなんの兆しもない)
カーネギーホールにはどうすればいけますか?(まだなんの兆しもない)
練習だよ、君、練習だ!
練習だ、君、練習だ!
練習だ、練習!
練習、練習!





わからへん


1)聴衆の声 割れんばかり???
「The audience was deafening」ですね。
deafenが、耳を聞こえなくする、デフにする、という動詞。最初は、オーディエンスには耳がない=自分の音楽を理解できない、なのかと思ったけど、逆か、オーディエンスが聞こえなくさせるのか、じゃあすごい大音量を出してる→割れんばかりの喝采→批評家も褒めた→でもカーネギーホールからはお呼びがかからない、っていうことなのかと。

2)カーネギーホールの擬人化
「still no sign of you」っていうのは、カーネギーホールにお呼ばれする兆しがない、追いかけてるカーネギーホールが振り向いてくれない、ってことにしましたが、どうなのか。
「Carnegie Hall was beckoning」カーネギーホールが手招き…?

3)これは意味ないな
「It doesn't mean a thing」「It don't mean a thing」
無意味、ってことでしょうか?
なぜdoesn'tとdon'tの2パターンになるんだ…というのもわからない英語力。




というわけで、古典ジョークが一転、悲劇の音楽青年の話になったのでした。これがスパークス。


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