金子一馬 画集pedia
「悪魔絵師・金子一馬」氏。
「ATLUS」というゲーム会社のイチ社員ながら
「女神転生シリーズ」のそのスタイリッシュで、色気と、意表を突く奇抜さもあわせもったデザインにより、この上ない地位を築いた。
おそらくかのドラクエ(鳥山明氏)、FF(天野喜孝氏)よりも画集が大量に出ており
今なお「あれが収録されてないぞ!」の声はネット上を荒れ狂い、国会議事堂を取り巻かんばかりです。
ここらで 何の絵が、どの本に収録されているのか まとめないか?
と思う、1996年からのメガテニスト(ファン)のオタク心
いまのところ最も完全版に近いであろう『金子一馬画集』をいちおうの基準にして、そことの差分を書いていきます。
これはもう 沼 じゃない、大河だ。
(追記)
といって書きはじめたが、おれ、ほとんどわかってないな。とわかったので、
ほぼ全てに 「たぶん」~「はず」 の係り結びをつけました。
ぜひ「これ足りないよ!」というものにコメントをください。
発売時期もすべて奥付とネット情報なので、実際の発売日はずれているかもしれません。
結論を読みたいかたは「目次」→「結局どれ買えば集められるの?」へ。
『女神転生Ⅱのすべて』
(1990年4月、JICC出版 刊)
すべてはここからはじまった。のかもしれない。
1988年2月15日にアトラスへ入社した金子氏(『金子一馬グラフィックス』p.155)は、'90年4月発売『女神転生Ⅱ』では悪魔デザイン&ドット絵を担当。開発機で直接ドットを打ち込んでいた。
というわけで、紙の上に残る完成版の絵はないはずだったが・・・
もともと、ゲーム内の悪魔はドットで直接描いてたので、悪魔イラストは製作が終わってから自分で描き始めたんです。ほら、設定資料とかがあるゲームって大作っぽいじゃないですか。だから『女神転生Ⅱ』でも作ってみようって。もう勝手に作り始めちゃって、会社にしてみれば「そんな無駄なことするな」って言いたかったと思うんですけど。当時は画材とかもまったくわからなかったので、安いマーカーとかを買って試行錯誤して描いてたんです。(『女神転生十年史』p.109)
この「設定資料」が、編集者 成沢大輔氏の目にとまり、攻略本『女神転生Ⅱのすべて』で大量に収録されることとなる。
(・・・らしいが、プレミアついてて3千円くらいするので持っていません。国会図書館なら見られます。
しかし3千円をケチるファンとはなんぞや)
※2021年12月追記 買いました。
この本では「Kazuhiro Kaneko」名義で、これは『真・女神転生』('92年10月発売)のエンディングでもまだその表記。こちらが本名?
このあと「金子一魔」を一瞬経て「金子一馬」名義になるもよう。
ともかく、『女神転生Ⅱ』の悪魔絵が見られるのはほぼこの本だけ。
しかも、以降の絵柄とは違う。
色塗りも暗めでおどろおどろしいし、身体のフォルムも細身のモデル体型ではなくマンガ的なふくらみがある。ここから『真・女神転生』(の中途?)で変化していき、いわゆる金子一馬の絵柄となっていく。
(初期絵柄の名残(過渡期)は『画集』第1巻のトール、ラクシュミ、スキュラ、リリス、ナーガラジャ、オルトロス、アサシン、主要キャラ初期ほか「初期デザイン」と付いたイラストから見ることができる)
やっぱりこの'90年4月『女神転生Ⅱ』~'92年10月『真・女神転生』の2年半の変化は強大だ。
反対に、ここで絵柄はある程度完成され、その証拠というか'94年3月『真・女神転生Ⅱ』のメタトロンやキングフロストは、線画はそのままに色塗りをし直して'97年11月『デビルサマナーソウルハッカーズ』で違和感なく使われていたりする。
・・・・・・
この本の出版以降、『真・女神転生』、『真・女神転生Ⅱ』('94年3月)、『真・女神転生if...』('94年10月)と、デザイン担当のソフトがつづいていき、その都度ゲーム雑誌や攻略本で悪魔イラストが披露される、という状況が続く。
当時、攻略本は1タイトルにつき多くの出版社から出るものだったが、成沢大輔氏の編集によるものは、金子氏のイラストを大きく扱うものとなっていた。
『真・女神転生のすべて 悪魔復活編』
('92年11月、JICC出版局)
同タイトルのドット絵と悪魔イラストを収録。攻略本というより、イラストメイン。(これも持ってない)
『真・女神転生Ⅱ 悪魔大事典』
('94年9月、宝島社)
同上、だけれどさらに画集としての色を強くした。
以上二冊の範囲は、おおむね『画集』1、2巻で収録されてるはず。
・・・・・・
金子氏、メディア露出の際はプロデューサー(当時)の岡田耕治氏とコンビで、共にサングラス&黒スーツでキメていたものだった。
このスタイルが決まったのも「金子一馬」名義の定着と同時期なのかな・・・?
ゲームが次世代機(セガサターン、プレイステーション)に移るタイミングで、色塗りはマーカーからコンピューターグラフィックスに進化し、
「電脳悪魔絵師」と呼ばれたりするようになる。
そうして『真・女神転生デビルサマナー』('95年12月)『デビルサマナー ソウルハッカーズ』('97年11月)はドット絵ではなく、線画取り込み&CG彩色した悪魔絵をゲーム中でそのまま使用。新作ソフトの発売はそのまま、ファンにとっては金子一馬の新作画集でもあった(ので、『悪魔全書』も出た)。
なお、現在『ペルソナ』シリーズの絵師として名高い副島成記(そえじま しげのり)氏がこの頃アトラスに入社。
『デビルサマナー』では合体剣などゲーム中に登場するアイテムを、『ソウルハッカーズ』と『ペルソナ2(罪・罰)』('99・'00年6月)ではキャラのバストアップ絵などを担当している。
後述する『真・女神転生トレーディングカード』は、その頃の総決算。
絵を全部(紙で)見たい!! という需要を抱えてしまった者は買わざるを得なかった。。。
モニター画面であれば、
『真・女神転生デビルサマナー 悪魔全書』
('96年4月発売。アトラス)
セガサターン専用ソフト。
『デビルサマナー』に登場した悪魔、ボスキャラが本編よりも高画質で閲覧でき、神話上の由来など解説も付いているデータベースソフト。
本編の4か月後に発売。
(持ってるけど遊んでない、詳しい内容は知りません)
悪魔絵は『画集』4・5巻(および『万魔殿』上・下)ですべて収録されているはず。ただこのソフトは解説を磯貝正吾さん(アトラススタッフ。『ソウルハッカーズ』や『ストレンジジャーニー』のシナリオ担当。神話やSFの造詣深し)が担当してるようなので、そこが気になる方は。
『真・女神転生デビルサマナー ワールドガイダンス』
('96年9月、ソフトバンククリエイティブ 刊)
同タイトルの世界観を深掘りする一冊。悪魔イラストも解説付きで。
これも『画集』4,5巻(および『万魔殿』上・下)と同範囲。
『デビルサマナー ソウルハッカーズ 悪魔全書第二集』
('97年12月。アトラス)
セガサターン専用ソフト。
前回よりかなり早く、本編の翌月に発売。当初から予定していたようだ。
『ソウルハッカーズ』の全悪魔を閲覧できるのに加え、本編の番外編シナリオをサウンドノベル形式で収録。
とはいえ『画集』6・7巻(および『万魔殿』上・下)と同範囲。
『真・女神転生トレーディングカード』
('97年12月~'03年11月発売。
アスキーやアスペクトやエンターブレインから…社の統廃合が多いんだここは)
名前のとおりのカードゲームで、悪魔を召喚し、アイテムや魔法も使って相手サマナーに勝つのが目的。各カードに大きくイラストが載っているので、それを目的に集めたものだった。解説もあり、カードゲーム用の能力書きもあるのでいっぱいいっぱい。いきおい、絵の下4分の1くらいはウィンドウに隠れて半透明に。
最終的に第9弾まで出ており、'92~'03年にわたる期間のかなりの悪魔を網羅した(収録タイトルでいうと『真Ⅰ』『真Ⅱ』『if...』(各PS版も)『デビルサマナー』『ペルソナ』『ソウルハッカーズ』『ペルソナ2罪』『ペルソナ2罰』『真・女神転生NINE』『真Ⅲ』)
が、現在は『画集』と『グラフィックス』を合わせればその範囲はカバー可能(本の方が勿論サイズも大きい)。
「魔人の館」さんが全カードリストを載せていらっしゃる。
こちらを参照させてもらったところ、『画集』と『グラフィックス』に収録されていないものは第4弾No.698のレイ・レイホウぐらいだろうか。
この絵、しらないんだよな・・・。
(あと気になったのは第6弾No.1045のパンドラ。
カードでは『グラフィックス』p.147収録のラフ画をもとにして別の方が塗っている。が、パンドラには公式の完成画もちゃんとある。ゲーム中に出てくるやつ。それは『画集』第8巻に収録されていて、カードが元にしたラフ画とは、左側4本目の足とか、手の形、マキの表情が違う。
なぜ、真・女神転生TCGのパンドラはラフ画に新規着彩となったのか??? 公式の完成画を使わ(使え?)なかったのか???
わからない。
謎。
TCG収録のものの内、『画集』になく『グラフィックス』のみ収録のものは→ No.1077のアヌーン、No.1095のメギドファイア、G0102アンリマンユ(線画が『グラフィックス』p.143,152に収録)。
イラストレーターの名前も書かれてあって、まあほとんど「金子一馬」なのだけどアイテム・武器防具・キャラのバストアップは「副島成記」さんで、書籍に収録されないのでレア。『ステラデウス』『ペルソナ3』時代より前の副島さんの絵柄が見られる。
(しかし第7弾のG0118スプーキーとか、第3弾の合体剣とか、金子さんと書いてるが、副島さんの誤植では?
また、街中のNPCキャラのバストアップ絵などはさすがに収録されていない。『悪魔全書第二集』のみ登場(たぶん)のディナーが収録されてるのは嬉しい)
公式イラストがないアイテム、魔法カードなどは別の方が描いている。
なにより、持ち玉の減ってきた第4弾で導入された「過去のマーカー彩色のイラストをCGで塗りなおす」という作戦に、興奮したものだった。これにより『真・女神転生』『真・女神転生Ⅱ』の悪魔も登場。塗りはさすがにアトラススタッフではないが、CGデザイナーのクレジットもされている。
でもこれ今見ると、のちのPSP版『ペルソナ』や3DS版『ソウルハッカーズ』や3DS版『DEEP STRANGE JOURNEY』でなされた”ちょっとしたキャラクターリファイン”の悪夢もよぎるなあ。。。
サターン版『ソウルハッカーズ』に限定カードが封入され、その後に本格発売、という流れでわかるように、タイアップが多く、当時『ファミ通ブロス』誌上にマンガが載っていたり、あちこちで限定カードが付いていたりした。ほしくなっちゃうんだよなぁ・・・。
以下、各発売時期と収録作リスト。Wikipediaから転載。
・第1弾(1997年12月12日 全180種)
デビルサマナー、ペルソナ、if...(キャラのみ)
・第2弾(1998年8月10日発売 全245種)
ソウルハッカーズ、ペルソナ、if...(キャラのみ)
・第3弾(1999年3月12日発売 全134種)
真・女神転生デビルサマナーを主に。
・第4弾 NEO GENESIS(1999年9月30日発売 全180種)
ペルソナ2罪、真・女神転生I、真・女神転生II、デビルサマナー、ソウルハッカーズ
※特に2罪のキャラ絵が充実。副島ファン垂涎?
・第5弾 黙示録戦争(Apocalypse war)(2000年7月7日発売 全180種)
ペルソナ2罪、真・女神転生I、真・女神転生II
・第6弾 ケイオス・マスカレイド(2001年3月16日発売 全180種)
ペルソナ2罰、真・女神転生I、真・女神転生II
・第7弾 eins SEVENTH SANCTUARY(2001年9月22日発売 全153種)
カードデザインを一新して仕切り直し。これまでの全範囲に加え、PS版真Ⅰも。
・第8弾 zwei Artificial Life(2002年3月7日発売 全176種)
PS版真Ⅱも追加。
・第9弾 drei MONUMENT OF GODDESS(2003年11月28日発売 全108種)
真・女神転生NINE、真・女神転生IIIも追加。(PS版if...は無し)
'97年~'99年は、けっこうこれを追いかけて過ごしたものでした。
しかし
これで悪魔イラストを把握することはできるのだけど、
そうじゃない 鑑賞したいんだ!! おれは!!
という思い。
それと、セガサターン買えない=『悪魔全書』も見れない、という小遣いの切なさ乱れ撃ちのなかで舞い込んだ知らせは
「'99年4月に『ソウルハッカーズ』のプレステ版が出るよ」
の知らせ。
そして、そのソフトに書かれてあった知らせは
「『金子一馬グラフィックス』出るよ」
という大特報だった。
『金子一馬グラフィックス』
(1999年7月、アスペクト 刊。A4版)
ファンには待望の、金子一馬絵だけの本。たしか告知から発売まで少し延期も挟んだりして、やきもきしながら待ったものだった。判型のA4は、今なお画集としては最高サイズ。
ついに金子一馬絵が全て見られるのだ!!!!
という期待は、脆くも砕かれることになるのだが。
1章目は、まず悪魔絵以外のゲームパッケージ、ポスター、ゲーム雑誌表紙、ノベルス表紙などに使われたカラーイラストを収録。ほとんどをページ全面使っているので、かなり見ごたえあり。
第2章は、34ページにわたるロングインタビュー。紙面には悪魔イラスト60体を載せつつ。
3章は、歴代の主要キャラクター・ペルソナイラストを収録。
『旧約・女神転生』('95年3月)、『真・女神転生』~『ソウルハッカーズ』、そして当時の最新作『魔剣X』('99年11月)は敵キャラクターも。
4章が貴重な、金子氏の雑誌連載コラムや、ノベライズの挿絵、下書き、没ラフ画などなど。
そのほか冒頭に仕事場訪問、巻末には岡田耕治氏、グラフィックチームの副島成記氏・白石恵氏へのインタビューもあり。
今になると、この本でしか見られないものがかなりある(『画集』10巻は一部かぶっている程度)。のだが、当時は「もっと悪魔大図鑑をくれ」と思っていた。。。
そしてそんな声がほかにもあったのか、2年後に「悪魔全書 紙版」とでもいうべき続編が作られることとなった。
『金子一馬グラフィックス 万魔殿』
3部作。すべてエンターブレイン刊、版型はA4変形(210×200mm)で、四角くハンディな持ちごこち。
・悪魔編・上巻(2001年7月)
『デビルサマナー』『ソウルハッカーズ』の悪魔を、五十音順でア行~サ行まで収録。1ページに1イラスト、ページ下部には悪魔の解説。
ど頭、1体目の「アーヴァンク」の解説文が「アイラーヴァタ」のものになってしまっている(初版)。
「アイラーヴァタ」の解説は、「アイラーヴァタ」のものになっている。
巻頭に岡田耕治氏のあいさつあり。
・悪魔編・下巻(2002年3月)
上巻に続き、タ行~ワ行の悪魔を収録。巻末に、悪魔を出身地別にまとめた索引もあり。
巻頭あいさつはファミ通書籍編集部。
・キャラクター編(2002年10月)
『デビルサマナー』『ソウルハッカーズ』『ペルソナ』『ペルソナ2(罪・罰)』『魔剣X』のキャラクター、およびペルソナ(一部ボスキャラ)を収録。
魔剣Xは『魔剣爻』版・US版も収録。US版は『画集』に収録されていないので重要。
逆に『ペルソナ』のUS版は、こちらには収録されていない。
巻頭に金子一馬氏あいさつ。巻末には簡易インタビュー「悪魔絵師に100の質問」も収録。
(裏表紙「悪魔編・上巻」って思いっきり誤植!(初版))
こうして、「電脳悪魔絵師」になってからの悪魔絵はかなり書籍でまとまったわけだけど、出てみると案外各イラストが小さくて、
いやトレーディングカードよりは大きいのだけど、
まだこれじゃない・・・という思いが強かった。
そんななか、出るのである。
大全集! とでもいうべき、おそろしい告知が出るのである。
『金子一馬画集』シリーズ
(2004年11月~2021年8月 新紀元社 刊)
「全10巻」と掲げて颯爽と登場したのは、ファンタジーやミリタリーの資料集なんかも作っているオタク系出版社の新紀元社。
これは衝撃だった。B5上製版。本文用紙はB5だけど、表紙は上製だからさらに一回り大きい。背厚は3.4センチ(第1巻)!
2020年11月現在、9巻まで刊行。
え・・・? という思いは、のちのち説明します。
※2021年12月追記 10巻まで出ました。「全10巻」と折り込みに書かれ、購入者プレゼントも実施され、これで完結っぽいのだが、全然完全収録できてないのだが。
1ページに1体掲載し、巻をまたいで通し番号がふられている(収録点数がわかりやすい)。収録順は、属性(LIGHT、NEUTRAL、DARK)→各種族。
満を持しての、決定版的な画集。
ただ、全集ではなく、設定画集である。
ここが争点で、「全集」の期待が強かったため、ポスター画やラフ画といった『グラフィックス』1、4章に収録された類のものはまったくなしという体裁への文句も、また見られた。
※追記 第10巻でパッケージ、ポスター画の類が収録されました。が、少ない。。。
4巻目以降は帯に「○○(ソフト名)の設定画集です」と大きく注意書き?が入るように。
【Ⅰ】 (第1巻)(2004年11月。復刻版:2018年2月)
『真・女神転生』スーパーファミコン版およびPCエンジン版のイラストを収録。(プレステ版は第3巻)
イラストの通し番号はNo.00001~00215。
解説執筆:健部伸明、大原広行、Game Mentát
カバーイラストレーション:金子一馬 白石恵(株式会社アトラス)※以降2、3巻も同じ
裏表紙の著作権表記は「(C)Kazuma Kaneko/ (C)ATLUS 2004」。
ゲーム中のドット絵を収録した下敷き、および小冊子「金子一馬画集付属 言文録Ⅰ」が挟み込み。復刻版にはナシ。
冊子の内容はインタビュー、Q&A、ゲーム概要、神話案内「オリエント」、そして書籍の印刷がヘキサクロームであるとの説明(これは通常のYMCKに蛍光オレンジ・蛍光グリーンも使い、より原画を再現できるとのこと)。
それに全巻購入者プレゼント応募券も付いていた。(これは後述)
SFC、PCEのメガテンⅠ、といえばファンにはマーカーで塗っていたころとわかるが、知らず買った人から苦情もあった模様。表紙は当時の描きおろしだしね・・・。
2巻からか、「マーカー彩色です」と帯や惹句に注意が入るようになった。
※持ってなくてわからないんですが、クレジットなど、復刻版で表記かわっているかも。2,3巻も。
【Ⅱ】 (第2巻)(2006年6月。復刻版:2018月5月)
『真・女神転生Ⅱ』SFC版のイラストを収録。
付属:「言文録」「ドット絵シート」(下敷きではなくA4の紙に変更)。どちらも復刻版にはナシ。
通し番号はNo.00216~00450。
解説執筆:健部伸明、大原広行
裏表紙の著作権表記は「(C)Kazuma Kaneko/ (C)ATLUS 2006」。
前巻から1年半後の発売。当時新紀元社のツイッターか何かでの説明は、ヘキサクローム印刷での試し刷りに時間がかかっている、の旨だった記憶がある・・・。
【Ⅲ】 (第3巻)(2008年2月。復刻版:2018年9月)
『真・女神転生Ⅲ NOCTURNE』(2003年2月)
『真Ⅰ』『真Ⅱ』PS版(2001年5月、2002年3月)
『真・女神転生NINE』(2002年12月)のイラストを収録。
通し番号:No.00451~00599。
付属:「言文録」「ゲーム中グラフィックのシート」(2巻につづき、A4一枚の紙に印刷)
解説執筆:健部伸明、大原広行、荒川源幸
裏表紙の著作権表記は「(C)Kazuma Kaneko/ ATLUS CO.,LTD. 2008」。
また、1年半ほどの間を空けて発売。
収録作がすべてコンピュータ彩色に変わったため、印刷方式も変更とのこと。(↓「言文録」巻末より引用)
「本画集では、コンピュータによって彩色された原画の美しさをそのままに表現するため、新しい印刷手法を採用しています。大日本印刷株式会社とザ・インクテック株式会社が共同開発した広色域印刷用インキ「パナマックス」を使用することで、コンピュータのRGB表現色域に限りなく近い、色表現が実現可能になりました。金子氏がディスプレイでみているものに限りなく近い色鮮やかなアクマの姿をお楽しみください」
『真Ⅲ』『NINE』のイラストがまとめて収録されたのはこの本が初かも。
しかしここから
予告されていた第4巻「デビルサマナー編」までには、9年の歳月を待たなくてはならなかった。。。
ここで、「アトラス」という会社が巻き込まれていた渦を見ないといけません。
金子氏は、あくまでも、いち社員なのだから・・・
(寄り道)『画集』の中断と「アトラス」という会社の荒波
アトラスの流れ
インデックスの流れ
https://ja.wikipedia.org/?curid=11744
ファミ通記事 新インデックス設立時
https://www.famitsu.com/news/201312/02043751.html
アトラスは2006年にインデックス(旧)のグループに入ったあと、2010年10月に吸収合併された。つまり「株式会社」としてのアトラスは消え、インデックス社のなかのブランドとなる。
しかしインデックスの経営が傾く。2013年6月に民事再生手続きを申請。ここでセガが、同年9月5日に子会社「セガドリーム」を設立し、同年11月1日、アトラス(や他色々)はそちらに譲渡され、「セガドリーム」は社名をインデックスに変更(こちら新インデックス)。その中のブランドに。
しかしすぐ2014年4月1日に会社分割し、片方はインデックスとして、そして片方を「アトラス」とすることになり、「株式会社アトラス」が復活したのだった。
全然わかりません。。。。。。
とにかく2010年10月~2014年3月いっぱいまで、(株)アトラスはなかった。会社のなかのブランド名だった。
(イコール法人格もなくて、だから著作権も持ってない、ってこともあるのだろうか?)
会社名として戻ってはきたが、金融的には全く別のもの。
スタッフは・・・どれくらい抜けてしまったんだろう?
2008年2月に『画集』第3巻が発売され、刊行ペース的には2010年8月くらいから次巻の匂いがしてもいいのだが、会社がそんなことになっていてはとてもとても、かもしれない。刊行遅れの理由は知りませんけど(単に売れなかったのかもしれないし)。
ともかく2014年4月に(株)アトラスが復活した、
それから3年と少しして・・・・・・
『金子一馬画集』復活の狼煙
【Ⅳ】 (第4巻)(2017年6月)
『真・女神転生デビルサマナー』のイラスト、前半を収録。属性はLIGHTと、NEUTRALの前半。
通し番号:No.00600~00757。
解説執筆:健部伸明、高城葵
4~8巻は『万魔殿』と同じ範囲になる(※8巻については後述)が、やはりサイズはこちらが格段に大きい。
【3巻までとの変更点】
カバー、本文とも紙が変更。カバーはすべすべ、本文は薄手で柔らかい紙質となる。以降9巻まで同じ。
(復刻版1~3巻の紙質ってどうなんだろう?)
「言文録」「ゲーム中のグラフィックを印刷したシート」が付かなくなる。
全巻購入者プレゼントも「なくなりました」の告知なく うやむやに。
またこの巻から、表紙絵が描きおろしではなく、収録悪魔絵のコラージュになる。
著作権表記は「(C)ATLUS CO.,LTD.」となり、Kazuma Kanekoがなくなる。
逆にこの巻だけ次巻以降入っている「SEGA」がないのは不思議。向う3か月で何かあったっけ?
(第4巻奥付より)
どのようにしてシリーズが再開したかは、あまり見てなかったが、復刊ドットコムで投票が行われたりしていた。
祝!!!!!!!!!!!!!!
【Ⅴ】 (第5巻)(2017年9月)
『真・女神転生デビルサマナー』後半を収録。NEUTRAL後半、DARK、人間キャラ、その他。
通し番号:No.00758~00912
解説:健部伸明、高城葵
裏表紙の著作権表記は「(C)ATLUS (C)SEGA All rights reserved.」。これ以降9巻まですべて同じ。
第5巻奥付より
【Ⅵ】 (第6巻)(2018年12月)
【Ⅶ】 (第7巻)(2018年12月)
6:『デビルサマナー ソウルハッカーズ』前半を収録。属性はLIGHTと、NEUTRALの途中まで。
通し番号:No.00913~01083。
7:『デビルサマナー ソウルハッカーズ』後半。属性はNEUTRALのつづき、DARK、人間キャラ、ボス他。
通し番号:No.01084~01258。
解説執筆(両巻):塩田信之、高城葵、健部伸明
6,7巻は同時刊行!『ソウルハッカーズ』大好きなのでたまらなかった。
いまだにそのシステム・世界観・テーマとシナリオとの絡みは、最高レベルのRPGだと思います。そこに登場する悪魔デザインも・・・。
6巻『万魔殿』では一括だった「フロストファイブ」が、それぞれ単独でも収録されている。大サイズ。
7巻「オムパロス」はネット(掲示板等)に集結する悪意をテーマにしたボスなので、解説でも触れてほしかった・・・。特に'97年と今では見え方も全然違うし。
【Ⅷ】 (第8巻)(2019年12月)
『女神異聞録ペルソナ』『ペルソナ2 罪』『ペルソナ2 罰』のイラストを収録。
通し番号:No.01259~01347。
ペルソナ1・2の「ペルソナ」はゲーム中はドット絵で、金子氏のイラストを使用しないため、デザインの線画・ラフ画だけ描かれて完成イラストの存在しないものもある。
そのうちラクシュミ、ガルーダ、ハヌマーンは『女神転生十年史』にちらっと収録。
主人公たちの初期ペルソナは『グラフィックス』収録の大判イラストに描かれたりしている(p.36,41)が、たぶん個別の立ち絵・線画もあるんだろうなあ。掘り起こしてほしいが。
『ペルソナ』人間キャラはUS版も収録。これは『万魔殿』にも入ってない。
それを含めても収録点数100枚以下で、ガッカリした方もあったようだが、充分すぎるクオリティなんだけど・・・。
特にペルソナ2と、次巻の『魔剣X』の頃のデザイン・立体は、ネジが外れていて、ハイブランドのデザイナーが作った特撮みたい。
【Ⅸ】 (第9巻)(2020年10月)
『真・女神転生if...』PS版(2002年12月)
『真・女神転生STRANGE JOURNEY』(2009年10月)
『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団』(2006年3月)
『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王』(2008年10月)
『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー(1・2)』(2004年7月、2005年1月)
『女神異聞録デビルサバイバー』(2009年1月)
『真・女神転生デビルチルドレン(黒の書・赤の書)』(2000年11月)
『魔剣X』(1999年11月)
を収録。
通し番号:No.01348~01486。
解説執筆:塩田信之、高城葵、健部伸明
『魔剣X』はUS版(ナチスのマークなどを変更してある)の収録ナシ。『万魔殿』を参照してください。
こうして、今のところメインでデザインに立った最後のタイトル『ストレンジジャーニー』まで来てしまいました。これもすごかったなあ・・・。ゲームも無茶苦茶面白かったし、進めていけば新作金子絵が登場するしで、最高だったなあ。
【X】 (第10巻)(2021年8月)
以下の作品のパッケージ絵、攻略本表紙、販促イラストなど、ページ端まで使ってサイズの大きいものを収録。
網羅では全くないし、『ソウルハッカーズ』にいたっては扉ページに書いてあるものの、なにも収録されていない。
『真・女神転生デビルサマナー』(1995年12月)
『女神異聞録ペルソナ』(1996年9月)
『ペルソナ2 罪』『ペルソナ2 罰』(1999年6月、2000年6月)
『魔剣X・爻』(1999年11月、2001年6月)
『真・女神転生』PS版(2001年5月)
『真・女神転生Ⅱ』PS版(2002年3月)
『真・女神転生if...』PS版(2002年12月)
『真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE』(2003年2月)
『DIGITAL DEVIL SAGA アバタール・チューナー(1・2)』(2004年7月、2005年1月)
『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 超力兵団』(2006年3月)
『デビルサマナー 葛葉ライドウ 対 アバドン王』(2008年10月)
『真・女神転生STRANGE JOURNEY』(2009年10月)
その他
『真・女神転生 悪魔辞典』(2003年5月刊)表紙絵
『金子一馬画集Ⅰ~Ⅲ』(2004年11月、2006年6月、2008年2月刊)表紙絵
も収録。
通し番号、解説ともになし。
最終巻とても金子氏のインタビューもなし。。。
結局どれ買えば集められるの?
~『金子一馬画集』に収録されなかったタイトル~
『画集』全10巻は、いちおうの決定版としましょう。いちばん絵のサイズが大きい。
さて、収録漏れは・・・
『旧約・女神転生』はまるごと収録ナシ。
メインキャラは『グラフィックス』で見られる。
悪魔絵のうちミノタウロス、ゼウス、ケルベロス、ルシファーは『十年史』p.29,31,133で確認可能。ほかは攻略本とかにあるかも・・・?
『魔神転生』もまるごとナシ。
Ⅰはキャラの立ち絵を描いている。『十年史』p206。
悪魔デザインも金子氏のようだが、ドット絵は打ってなさそう?
ゲーム中の悪魔グラフィック↓
https://www.youtube.com/watch?v=QYPOoQHgSN0
これも攻略本探すと新しい絵が出てくるかも。
『真・女神転生if...』SFC版もまるごとナシ。
メインキャラは『グラフィックス』に。ただ主人公(男・女)が別イラストなので『十年史』p.147,149も参照(別にレアではないのでどこでも見れる)。
悪魔は、マンガの作画資料として描いた線画が『グラフィックス』p.143で見られる。
『アバタールチューナー(1・2)』はパッケージと攻略本の表紙が、ほとんど設定画みたいな立ち方なんだけど、収録されてない。
キャラ自体漏れてるのもいる。いや参ったね。
(第10巻でもこれ ↓ は収録漏れ!)
流れとしては、まず『画集』全10巻を揃えたとして
最初の『金子一馬グラフィックス』(青いやつ)で残りのポスター絵やラフ絵も手に入れておきましょう。
『真Ⅰ』以前の仕事は『女神転生Ⅱのすべて』で見る。
あとはオプショナルですが、
『女神転生十年史』はメガテンファンの聖典。
『メガテンマニアクス』(『DEEP STRANGE JOURNEY』特別パックに入ってる)も、これは完全に社外秘級の制作資料が盛りだくさんで、「女神転生三十年史」と呼ぶべき本。
金子氏に限れば、企画書に貼りつけられた過去の金子絵(p.19)や、『真Ⅰ』装備絵、主要キャラ色塗り前線画(p.26,27)、TOKYOミレニアムの図(p.45)なども。
会議録が大量に載っていて、企画立ち上げから関わっているということの内実も窺い知れる。『真Ⅳ』の「シナリオ原案」がどんなものだったかもここに一部収録。
そんなもんだろうか。。。
副島成記氏のファンの方は、『ステラデウス』以前の仕事が見られるということで『真・女神転生トレーディングカード』もいいんじゃないでしょうか。金子絵に関してだとカードは、No.698レイレイホウ以外は別に・・・。
そのほか、金子ワークス
Wikipediaから転載(2020/11/11)。
〈アトラス以外のゲーム作品〉
・『ANUBIS ZONE OF THE ENDERS』(コナミ/2003年2月13日)
「インヘルト」「ロイド」のデザイン
・『デビルメイクライ3』 (カプコン/2005年2月17日)
「ダンテ」「バージル」の魔人化状態のデザイン
・『第3次スーパーロボット大戦α 終焉の銀河へ』 (バンプレスト/2005年7月28日)
「ベルグバウ」「ディス・アストラナガン」「ケイサル・エフェス」のデザイン
・『三国志大戦DS』(セガ/2007年1月25日)
兵糧護送隊長「淳于瓊」のデザイン
〈書籍表紙絵など〉
上遠野浩平「戦地調停士シリーズ」表紙、口絵イラスト
・『殺竜事件 a case of dragonslayer』(2000年6月 講談社ノベルス)
・『紫骸城事件 inside the apocalypse castle』(2001年6月 講談社ノベルス)-18212890-9)
・『海賊島事件 the man in pirate's island』(2002年12月 講談社ノベルス)
・『禁涙境事件 some tragedies of no-tear land』(2005年1月 講談社ノベルス)
※講談社ノベルス版のみ。講談社タイガ版は別の人にイラスト差し替え。
・『螺旋に回転する世界』菊池勇生(2005年10月、小学館。2009年5月、ぶんか社文庫)
・『角川まんが学習シリーズ まんが人物伝 織田信長』(2017年6月、KADOKAWA 刊)
一旦おわり。