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はまち
2020年11月1日 12:29
■新興宗教の教祖として担ぎ上げられそうになるのは、わらわだけ。「なぐちゃん、すごいね。それってどんな傷や病気でも治せるものなの?」 私はなぐちゃんの不思議な能力を二度目にしている。 オレンジ色に光った右手を患部にかざせば、見る見るうちに元通り治癒されるその様子は、まるでマジックのようだった。「わらわの囁きに応えてくれた分だけの力しか発揮はできん。重い病などは難しいかもしれんのう。かつてに比
2020年10月31日 13:47
■腹を殴られるのは、わらわだけ。「いや~……なぐちゃん、大丈夫?」 この世を救う? 何を急にそんなことを。 突拍子もないことを言い出したなぐちゃん自身を、私は救いたいよ――。「わかった。苦手な牡蠣を食べて気が動転しているんだね。かわいそうに」 その一心で私はなぐちゃんの腹に拳を突き立てる。 華奢なお腹まわりにも関わらず、もっちりとした感触を与えてくれることに驚きを覚えながら、「何を言