ADHD細々日記(嘘日記)
今日は仕事に行った。
私の仕事は立っているだけで時給が発生するといった簡単なものだ。
時たまガラス張りの扉を開け閉めしたりもする。
そして店の前にはここ最近よく違法駐車、違法販売をする焼き芋屋のトラックが止まり、蒸した芋を販売していた。
困ったことはその焼き芋屋のおじさんは、度々こちらの店の従業員たちに文句をつけに来るのだ。
「何をこちらを見ているんだ」「警察に言うつもりか」
こちら側としてはドアの前に立って、入ってくる客のためにドアを開ける必要がある。なので外を見ない訳にはいかない。
今日もまたおじさんは「何をこちらを見ているんだ」と文句をつけに来た。
文句を言われたのは運悪く私だった。
どうしたものかと、ふと周りを見渡すと何故か店の隅に大きな鎌があった。
はてこんなものがあったかと私は首を傾げたが、ひとまず手に取った。
おじさんは鎌のことなど気にせず私に詰め寄っていた。
次の瞬間、私の持つ鎌は勢いよく、それはもう死神のごとくおじさんの頭と体を切り離した。
ごとり。と大きな音がしたが、幸い他の従業員たちは閉め作業で忙しいらしく、私とおじさんのやり取りに気づいてはいなかった。
私はおじさんの頭と体を引き摺ってトラックへ向かったが、都会の人のスルースキルとは凄まじいもので、誰も私たちのことなど気にとめなかった。
私はおじさんの頭を小さい蒸し器へ。体を大きい蒸し器へと詰め込んで店に戻った。
これで死亡時刻の撹乱もでき、私のアリバイは成立するだろう。
私は無事仕事を終え、無人の販売トラックを通り過ぎ、電車で家に帰ったのであった。
と、いう妄想をして過ごしていた。
ちなみに違法販売している焼き芋屋は実在しており、実際には警察官に取り囲まれてすごすごと逃げていった。
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