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No.002_代表 竹中梓

2018年7月21日に公開された記事です。


「様々な分野の人が、一緒にオペラの可能性を追求できる、そんな場でありたいと思います」

はまぷろってそもそもどんな企画なの?誰が運営しているの?
第2回は、はまぷろの発起人のひとりで現在代表を務める竹中さんに、はまぷろの理念や目標を伺います。(聞き手/編集:吉野良祐)

竹中梓(代表)

撮影:奥山茂亮

はまぷろが目指す場

吉野:今日ははまぷろ代表を務める竹中さんに、オペラプロジェクトを企画した意図や、はまぷろの今後について伺います。よろしくお願いいたします。

竹中:これ最初に言っておきたいんですけど、本当は私には「はまぷろについて」なんて語れないんですよ。はまぷろの表現や特徴や将来を決めるのは、私ではなく1回1回の公演とそれに関わるメンバーです。私がインタビューで言えることなんて、ほとんどないんです(笑)。

吉野: では、インタビュー終わらせましょうか、、、ともいかないので、そういう視点を踏まえつつお話を伺います。まず、代表から見たはまぷろの特徴について教えてください。市民オペラなどが既にいくつも存在するなか、はまぷろを立ち上げた意図とはなんでしょうか。

竹中:はまぷろは、指揮者・演出家などごく一部のコアメンバーを除いて、演目ごとに出演者やスタッフをプロ学生問わず募ります(もちろん、継続しているメンバーも多くいますが、組織に”所属”するという形をとりません)。その意味で、あらゆる部門が対等です。市民合唱団が核になっていたり、ひとりの先生の門下が中心になっていたり、オーケストラをエキストラだけで集めたり、ということがない。もちろん、そのことで生じる困難もありますが、歌手やオケ、スタッフが、同じ目線でオペラという総合芸術の可能性を追求できる場にしたいと思っています。

吉野: はまぷろが追求するオペラの可能性とはどのようなものなのでしょうか?

竹中:それはわかりません(笑)。それぞれの公演が答えを出してくれるまで、代表の私ですらどうなるかわからないんですよ。もちろん、大きな方向性は考えますし、提案もします。例えば、次の公演《愛の妙薬》では、他分野の役者さんと協働することを提案しました。でも、その提案がどのように結実するかは、出演者やスタッフたちが自由に考えてくれれば良いと思っています。同様に、はまぷろの方向性や将来像も、私が決めることではなく各公演を経て形成されるものと考えています。

吉野:決して先頭に立って皆を引っ張るだけが代表の仕事ではないとなると、代表の役割とはなんでしょうか?

竹中:引っ張るというより背中を押すイメージです。クラシック音楽の歌い手にとってオペラは馴染み深いものかもしれません。しかし、例えば、演劇で舞台美術をやっている人や服飾サークルで衣装デザインをしている人はいても、オペラで美術や衣装をやったことのある人は少ない。オーケストラも同様で、アマチュアオケや学生オケはたくさんありますが、その中にオーケストラピットでの演奏経験がある人はごくわずかです。

吉野:たしかにそうですね。

竹中:オペラに関係する専門性を持っている人って、実はすごく沢山いるんですよね。だから私は、そういった人たちがオペラという総合芸術の場で自分の力を発揮したらきっと面白いだろうし、そうやって様々な分野の人が集まってつくるオペラ自体も、きっと新しいものになると考えているんです。

撮影:奥山茂亮

ピットで知ったオペラの魅力

吉野:なるほど、オペラの世界に色々な人を巻き込んでいるんですね。代表ご自身はどうやってオペラの世界に入っていったんですか?

竹中:小さい頃、母がオペラの合唱に乗っていまして、よく稽古に連れていかれてたんです。魔笛やカルメンなど、昔から生のオペラが身近にあったんですよね。でも子供の頃はそこまでハマっていたわけではなくて。
魅力を知ったのはやっぱり、自分がオペラに参加するようになった大学入学後ですかね。ピットで演奏してから、オペラの魅力にとりつかれてしまいました。

吉野:私もオケピを経て演出をやるようになりましたが、オーケストラ奏者として取り組むオペラもまた格別ですよね。

竹中:オペラって音楽的には、歌が加わることでシンフォニーよりも編成が大きくなるわけですが、アンサンブル的には室内楽みたいな「呼吸」を意識する場面がすごく多いんですよね。そういう、音楽の中で奏者同士の意思疎通が感じられるのが、もう最高に痺れます。

吉野:次回公演も代表はオケピでヴィオラを弾くとのことです。最後にひとことお願いします。

竹中:まだまだ駆け出しの企画ですが、HAMA projectをよろしくお願いいたします!

吉野:どうもありがとうございました。

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