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43歳のおっさんが長男と張り合ってアキレス腱を切った

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写真は1月15日。

アキレス腱完全断裂の縫合手術後の僕の左足。

やっちまったなぁ。。。

この時はまだ麻酔が効いていてそんなに痛くなかったんだけど、このあと僕は眠れぬ一夜を過ごすことになる。

アキレス腱断裂の原因は もちろん加齢なんだけど

僕がアキレス腱を切ったのは題名の通り、中1の長男と張り合っていたからだ。

中学に入り、これまでやってきたサッカーから離れバスケを始めた彼。

夜に外部コーチが来て有料で指導してくれているんだけど、そのコーチが友人だったこともあり、僕は「送迎」をする中でこっそりフルメニュー参加していた(苦笑)

そのコースの参加者が少なくて、練習相手としても人数合わせにちょうど良かったこともあり、僕は30歳下の彼らとバスケを始めることになったわけだ。

コーチの指導力は素晴らしく僕の跳躍力はみるみる上がっていった。

調子のいい日は290cmのバスケットボールのバックボードに触れられるようになり長男とのフリースロー対決や1対1も一進一退。

今日も頑張るぞ!と喜び勇んで参加した1月14日の練習でその悲劇は起こった。

自転車のゴムチューブを使った2人組の練習、通称「犬の散歩」。

一人は後ろからチューブを引っ張り、もう一人は前傾姿勢で前に進む。

3本目のダッシュの時、僕の左足が後ろで引っ張る長男の友人の足に激しく絡んで僕は倒れた。

いやむしろ後ろから蹴られた感じがした。

後ろを振り返ると、遥か遠くでチューブを持つ長男の友人。

なるほど。。。これが有名なアレか。。。

僕は理解した。

アキレス腱が切れると人はどう感じるか

アキレス腱が切れると、人は「後ろから蹴られた」「後ろからボールをぶつけられた」「後ろで銃声がなった」と感じるらしい。

僕の場合は蹴られただった。

不思議なことに痛みはあまり感じない。

痺れが強烈でふくらはぎは動かない。

足の指自体は脛側の筋肉が健常なので案外動く。

僕はこの時点で指が動くので「部分断裂かな?」と思っていたが思いっきり完全断裂だった。

僕の練習はその場で終了。

コーチが救急病院を調べてくれたので僕は自分で運転して病院へ行った。左足の受傷だから運転ができた。右足だったら運転ができなかった。

長男でよかった。


夜の受傷は大変だ 救急での診察

新潟の救急病院で診察を受ける。

幸にして救急病院は何度か行ったことがある。(夜中に自分の頭を切ったり、子供の急な発熱など)

これまでの自分のアホな行動が自分を助けてくれているw

救急の診察の結果は

おそらく完全断裂。手術と一応温存療法がある。詳しくは明日病院で診察してもらってください。

というもの。

救急はここまでというのは理解していたのでとりあえずキプスシーネという下半分のギプスのようなもので固定してもらい、この日は終了。

(診察費用5000円くらい+松葉杖のデポジット8000円くらい。デポは返却時に返金。)

お医者さんが完全断裂と診断したのはこのテストをやったから。

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ふくらはぎを強く摘んでつま先が全く動かないとアキレス腱断裂。

おそらく全く動かなかったのでしょう。

その日は自宅に帰り、布団の中に入った。

夜中布団の中で色々と調べまくる 手術か、温存か、歩行か

夜中、どうせ痛みと不安で寝られないだろうことはわかっていたので色々と調べまくることにする。

手術か温存療法か。

20年前僕は「右足首脱臼+腓骨骨折+三角靱帯剥離」というなかなかの大怪我を経験していた。

*腓骨(ヒコツ)は膝から踵をつなぐ細い方の骨。外側を通ってる。
*脛骨(ケイコツ)という太い骨が足首関節を作っているがそれが外れ、足裏の骨から内側にズレる
*その際、足首を内側で止めている三角靭帯という靭帯が当然剥がれる

あの時の手術の痛みが思い出され、相当憂鬱な気分になる。

色々と調べていると

・スポーツをしたい人のアキレス腱断裂治療は手術療法が基本
・とはいえ以前ほど手術療法一本槍ではない。クルム伊達公子さんも温存療法で復帰。
・アメリカでは積極的に温存療法がとられるように
・手術の方が短期的には回復が早いが、トータルのゴールである「スポーツへの復帰」はどちらも同程度。場合によっては予後は温存療法のほうが自然な復帰が可能。

こんな感じらしい。

また、極端な治療として「歩行療法」というものがあるのも発見。

保険が効かないがギプスにヒールをつけることで初日から松葉杖なしの歩行が可能。しかも予後も手術や温存より良いという魔法のような治療方法。

色々と考えていると、ふと20年前、僕の相棒だった「アニマルYASU」がこれっぽい治療を受けていたことを思い出す。

夜中なので連絡はしなかったけど「保険外」「歩ける」といったキーワードは記憶にある。

ところが。。。この治療院は新潟にはなく、東京、長野など限られた場所でしか治療が受けられない模様。新潟からも定期的に何人か行っているようだけど、、、時期が悪すぎる。

新潟でこの治療が受けられていたなら、僕は間違いなくこれを選んだと思う。

そんな感じで決めきれないまま朝になり(案外眠れて2時くらいには寝たと思う)僕は病院で診察を受けることになる。

僕の基本的な考え方はこんな。

可能であれば手術なしで治したい。
しかし温存療法は医者の力量で相当予後が違うようだ。
果たして新潟にアキレス腱の治療に明るいスポーツ整形はあるか?

結構他県では「アキレス腱の温存治療お任せください。アスリートでも復帰できます。」的な記事が出てたりするんだけど新潟は皆無。

新潟でスポーツ整形として名前が上がるのは猫山宮尾病院という猫好きなら一度はかかりたくなる名前の病院。そしてTwitterでおすすめされた「たかはし整形」という中央区のお医者さん。

というわけで「午前中しか受付のない猫山宮尾さんで速攻受信し、午後も診察してくれるたかはし整形でセカンドオピニオン」という形でいく事にする。

たかはし整形さんが温存療法お任せくださいならそれで行きたいなというのが僕の密かな願いだった。

情報をくれた皆様。ありがとうございました。

猫山宮尾病院で受診してみると

「大きな病院は激しく混むので2時間待ちはザラ」

という前情報をいただいていたので覚悟はしていました。

しかし言ってみるとなんとガラガラ。奇しくも世はコロナ禍。

さっくりとMRIを受け、先生の診断をまつ。


完全断裂ですね。スポーツ復帰なら手術をお勧めします。断裂しているのは腱の上の方の筋肉側の方。かなり縫いやすい場所です。今日の午後、緊急手術が可能です。

僕のセカンドオピニオンプランはいきなり覆される事になる(苦笑

悔しい僕は先生に問いかける。


hama) 今日手術で退院はいつですか?(体感的には抜糸後のはず)7日後?

先生)一泊二日だね。明日退院。


もうね。

びっくりですよ。

この段階で僕はもう腹を決めています。

温存治療の達人がいるかいないかわからない中であれば、スポーツ整形に定評のあるこの病院で緊急手術ができるチャンスを逃すべきではなかろう。金曜手術、土曜退院なんて奇跡。俺はアキレス腱を切るために生まれてきた男!

とはいえ悔しいのでもう一声。


hama)以前はスポーツ復帰は手術療法一本だったと言いますが、最近は温存療法でも復帰される方が多いと聞きます。アメリカでは積極的に温存されているとか。予後はあまり変わらないと聞きますが、先生はどうお考えでしょうか?

先生)確かに究極のゴールであるスポーツ復帰はあまり変わらないという話もある。再発リスクも温存の方が高いと言われているが実際は数%。手術しても再断裂する人はする。あんまり変わらないのは事実。ただ、私がお勧めするとしたら手術。リハビリ中の再断裂が少ないし固定期間も短くて済む。


まぁ要は「知ってるよ。僕が持っている情報はこれ。あとは自分で決めようね。(どちらにしろアキレス腱は治るから)」というもの。

トドメにもう一言聞いてみた。

hama) 温存療法で三週間やってくっつかなかったという友人がいる。実際そんなことあるんですか?

先生)あぁ、2〜3人そういう人を後で手術でつなげたことがあるよ。時々あるみたいだね。

実は僕が指導している少年サッカーチームのコーチ仲間がまさにこれで、温存治療をやってくっつかなかったという悲運の持ち主。

彼からは「即手術をしてください」とアドバイスをもらっていた。

しかし、僕は本音は手術から逃げたかっただ。(痛いから)


とはいえ、ここまでの奇跡をありがたく頂戴し、僕は緊急入院をする事になる。

さらばセカンドオピニオン。


(続く)


僕のアキレス腱断裂ライフを応援してくれる方、ポチッとお見舞いしてくれるととっても助かります(苦笑

もう一度サッカーとバスケに復帰し、教え子をサッカーでボコボコに、長男をバスケでボコボコにしてやりたい!

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