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「デザイン批評」とは・『みんなではじめるデザイン批評』レビュー
こんにちは!社会人一年目新米デザイナーhamaです。
今回は『みんなではじめるデザイン批評』を読みました。今後の業務で活かすために、頭を整理してアウトプットします!
よろしくお願いします!
「批評」という言葉からデザイン批評
自分は外国出身なので、本を読む前に、「批評」という言葉が少し否定的なニュアンスを持つのではないかと感じたので、調べて確認しました。
批評
読み方:ひひょう
[名](スル)物事の是非・善悪・正邪などを指摘して、自分の評価を述べること。「論文を—する」「印象—」
[用法] 批評・批判——「映画の批評(批判)をする」のように、事物の価値を判断し論じることでは、両語とも用いられる。
◇「批評」は良い点も悪い点も同じように指摘し、客観的に論じること。「習作を友人に批評してもらう」「文芸批評」「批評眼」
◇「批判」は本来、検討してよしあしを判定することで「識者の批判を仰ぎたい」のように用いるが、現在では、よくないと思う点をとりあげて否定的な評価をする際に使われることが多い。「徹底的に批判し、追及する」「批判の的となる」「自己批判」
調べて周りの日本人の方とも確認し、確かに批評という言葉は元々良い点も悪い点も同じように指摘することを表す中立的な言葉だけど、最近は一方的に否定する意味に捉えられることもあると聞きました。
続いて、デザイン批評の語源「Discussing design」も調べました。
discuss
意味・対訳
(ある問題をいろいろな角度から)論じる、(…を)論議する、話し合う、(…を)討論する、検討する、論じる
コア
詳しく論じあう
「細かくなるまで振って砕く」が原義
"Discuss"の意味は、ある問題をいろいろな角度から論じる、話し合う、討論する、検討することです。「細かくなるまで振って砕く」が原義です。この意味からも、「色々な角度から」「詳しく論じあう」ことが含まれて、否定的な「批評」とは異なることに注意する必要があります。
3つのフィードバックタイプ
フィードバックには3つのタイプがあります。
反応型:個人的な価値観による、直感的な反応。
指示型:助言または提案ではじまて、批評側の要望に沿ったデザインするためのフィードバック。
批評型:批判的思考を用いて、デザインが望まれる目的を達成するかどうかを判断する。
つまり、デザイン批評は、批判的思考を用いてデザインが望まれる目的を達成するかどうかを判断する分析手法です。
ここで重要なのは、デザイン批評の目的はデザインが望まれる目的を達成することではなく、デザインの分析であるということです。
本の中にも記載されていますが、「問題解決を避ける」は批評のルールの中で一番難しいところです。私たちが無意識にそうしてしまい、問題や非効率を認識したらすぐにソリューションを考える。それは多くの人が生まれもった本能なのです。なぜ問題解決を避けるのかについては、後で詳しく説明します。
協働とイテレーション
批評を行う際には、協力しながら何度も繰り返すことが重要です。組織に対して、共同作業や反復試行が、優れた批評を促進するから文化をしっかりと築く必要があります。定期的に重要なポイントについて話し合うことで、進捗がスムーズになります。
最近ではリモートワークが増えて、分散型チームに影響を与える可能性がありますが、「ミーティングの何分間を無駄にする」、「個別に絆を結ぶ」などたくさん方法を紹介してくれました。
2つの思考
アメリカの心理学者、ジョイ・ギルフォードは、人間の脳には分析的思考(情報を取り込んで比較する)と創造的思考(アイディアを組み合わせて有望なソリューションを生み出す)という2つのモードがあると首唱しました。
残念ながら、これら2つの思考を同時にこなすことは人間の脳はできませんから、脳はリソースを2つのプロセスの間で分配し、両方のプロセスを積極的に切り替えなければなりません。作業中に脳が創造的思考と分析的思考を切り替えることは頻繁に起こるため、ほとんど気づきません。脳が常に2つの思考を行ったり来たりさせ、常にどちらかのプロセスに注力させるには、多くの練習とスキルが必要です。
なぜデザイン批評をするときには問題解決を避けるのかについても、アイディアを組み合わせてソリューションを生み出すために必ず創造的思考を使うので、情報を取り込んで冷静に分析して比較することが難しいです。
個人的には、デザイン思考の実践的なフレームワークである「ダブルダイヤモンドモデル」にも関連していると思います。デザイン批評はモデルの2番目の「正しい解決を見つけるダイヤモンド」の収束的な思考を用いる「提供(Deliver)」の段階だと考えています。
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ダブルダイヤモンドは、2005年に英国デザイン協議会で初めて導入された、2つのダイヤモンドを描くように発散と収束を行う課題解決方法のひとつ。ダイヤモンド内の段階は、下図の様に2つに分かれ、1つ目の「正しい問題を見つけるダイヤモンド」では、「探索(Discover)」「定義(Define)」に分けて問題点の発散と収束を行い、2つ目の「正しい解決を見つけるダイヤモンド」では「展開(Develop)」「提供(Deliver)」に分けて解決策の発散と収束を行なう。
4つの質問
良い批評に取り入れるための、シンプルな4つの質問からなる枠組みを紹介してくれました。その中で、質問を起点にすることが批評の要素の一つとして挙げられ、「質問から始める」ことで、デザインの分析に必要な情報を収集することができます。
デザインの目的は何か?
目的に関連しているのはデザインのどの要素か?
そうした要素は目的を達成するのに効果的か?
それはなぜか?
この4つの質問は、自分自身や他の批評参加者に問うことができます。
批評のタイミング
批評を行うには、「スイートスポット」というタイミングがあります。それはアイデアを他人に伝えるぐらい十分に理解している段階から始め、締切前に得た批評を反映できるまでの間です。
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アイディアの初期段階では、デザイナー自身がまだ完全に理解していないことがあります。そのため、他人に説明する前に、自分でしっかりと理解する必要があります。次に、プロジェクトには常に期限があります。良い批評を受けるには、期限に余裕を持って計画することが必要です。
サマリー : 批評は素晴らしい協働の中核をなす
批評はデザイナーだけが行うものでもありませんし、デザインに関わるだけのものでもありません。むしろ、良いものを作りたいと考える全ての人が関わるものです。
フィードバックはデザインプロセスの重要な一環であり、その意味や批評の活用方法について、チーム全体が理解していることが重要です。共通の理解を持つことで、チーム全体がフィードバックを進めることができます。
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