[学部生のための]司法試験方法論3-環境編③#ゼミ

こんにちは。はるかです。

今回はゼミの中でも「自主ゼミ」に焦点を充て,ゼミの組み方を提案していきます。

まず,ゼミには3種類あります。それは,
①学部ゼミ(学問研究)
②実務家ゼミ(採点による評価)
③自主ゼミ(目標設定は自由) です。

自主ゼミでは仲間うちでやる以上,学力の差はそこまでありませんし,指摘内容の正確性も担保されていません。それでも,私は自主ゼミは必ず組んだほうがいいと考えます。

まず,自主ゼミの意義は
「論文答案を書けるようにするための補助ツール」
です。したがって,論文問題が解けるようになるシステム構築が必要となります。
そこで,次回説明しますが,論文答案作成に求められる以下の3つの能力を鍛えられるようなゼミを組むのがいいでしょう。

①論点抽出能力
②答案作成能力
③事案解決能力

1.論証確認型ゼミ

まず,1つ目のゼミとして,前回説明した,簡単な問題集(Ex.実論や赤本)を利用したゼミです。
司法試験のような現場思考型の問題であっても,中には用意した論証を吐き出すだけで事案解決できてしまうような設問が必ずあります。この設問については確実に,そして短時間で書き上げ,他の現場思考型の設問に時間を割かなくてはなりません。
もっとも,論証の吐き出しは容易ではなく(なにせ論証パターンの量自体が多いので),何度も繰り返し,論点抽出した後即座に吐き出せるようにする必要があります。そこで,論証確認型のゼミを提案します。

例えば,
・週2日,各日2問,2時間に設定し,
・時間制限を設けつつ起案する(②の能力)

これだけでも月に16問の論証を実際に答案の形でアウトプットすることができます。
教材として用いる最適解は,解き慣れた問題集(簡単なもの)や,旧司法試験です。なぜなら,答練後すぐに解答例を確認することで誤った論証を即座に修正することが可能(どこに何が書いてあるのかわかるはずなので)だからです。

2.答練型ゼミ

2つめのゼミとして,初見問題を取り扱うゼミです。実際の試験では,自分が予想,又は復習してきた論点が出題されることはほとんどないでしょう。 そんな時でもある程度の答案を作成するためには,日頃から初見の問題を実際に起案する習慣をつけておくことが理想です。このゼミでは①論点抽出能力と③事案解決能力を重点的に鍛えられます。

例えば,
・週1日,各日1法系,科目×3時間
・時間制限を設けつつ起案(②の能力)

おすすめの教材としては,
・法学教室の連載演習
・事例研究シリーズ
が挙げられます。解説が充実しており,繋げれば問題提起,規範,あてはめに直結することが多いからです。

最後に,「具体的に誰とゼミを組むか.」です。
ゼミは前述の通り,論文答案を書けるようになるための補助ツールなので,ツールとして利用する以上ある程度の強制力が必要となります。

したがって,時間管理能力が最低限備わっている人をゼミに誘いましょう。時間になってもゼミが始まらないというのは時間の浪費に繋がり,効率も悪いことからおすすめしません。
また,学生間では知識の差異はほとんどありませんから,議論が白熱するのもできる限り避ける必要があります。確かに良問と呼ばれるものは評価次第で結論が変わります。しかし,それを学生間で議論したところで落とし所を見極めることは難しく,そもそもそういうのは学部ゼミで好きなようにやらせておけばいいのです。
あくまで,試験に受かるためのツールとして利用するにすぎないので,割り切りましょう。

次回は勉強方法編の総論について提案していきます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?