『どこでも住めるとしたら』
たとえば
「あなたにとってのより良い暮らしとは?」
とテレビの街頭インタビュアーが私にマイクを向けているとする。テレビに映るということに胸の轟きと少しの緊張を感じ、頭の中を整理できないままに私は直感でこう答えるだろう。
「お金がめっちゃある生活ですかね へへ へ」
心配性な私は、これで大丈夫でしたかと確認するような目でインタビュアーとカメラマンを交互に見ることだろう。そうして夜、布団のなかで今日の出来事と過去の後悔を照らし合わせるんだ。
地区の運動会で聖火ランナーを務め