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キャラクターとライセンス <17>ロイヤリティー

前回の続きです。

ライセンサーの収入源、ロイヤリティ
だいぶ専門的になってきましたよ〜!

何回も書いてますが、キャラクターを自社の商品に使って付加価値を上げるためには、当然支払いが生じます。
自社で開発したキャラクターを使う分には支払いは発生しませんが、付加価値になるほど「価値」を出すには時間がかかります。
そこで、商品の販売にプラスとなるキャラクターのライセンシーとなって、商品化します。そのときに支払うのがロイヤリティです。
少し詳しく説明するよ。

ロイヤリティは決して高額ではなく、一般的にはその商品の上代(店頭価格)の3%〜10%ほど。
支払う分の金額を上代に上乗せすればいいだけ。
(上代に乗せたら上代が高くなってロイヤリティも高くなり、どこまでいっても終わることがないので、これをエクセルでやると、計算がループしてしまってエラーとなりますよ〜笑)

ロイヤリティの率は基本的にライセンサーによって決めらています。
もちろん契約書にも明記されていますが、アイテムによってその率は変わってきます。

業界で価格競争になっているアイテム(上代に上乗せできないもの)で、かつ、原価が非常に厳しくロイヤリティ比率が原価を圧迫するものは、日本の商習慣として、ロイヤリティ率を低く設定しています。
その業界とは「お菓子」です。
お菓子は全国のスーパーやコンビニで販売され、数十万個という非常に多くの数が一度に流通します。ライセンサーとしてはお菓子流通にキャラクターが採用されると一気に全国展開となり、ロイヤリティ総額も高くなるため、低い料率でも契約したいカテゴリーになるのです。

ライセンシーがライセンサーに支払うロイヤリティは、
製造数量(販売数量)x上代xロイヤリティ料率 となります。
そして、毎月(または四半期ごと)ライセンサーに文書(データやシステム上の場合もある)で報告をして、契約書で約束した支払日に支払います。

ロイヤリティの支払いタイミングにはいくつかあります。ライセンシーが選ぶことができるわけではなく、ライセンサーごとに決まっています。
でも、交渉で多少調整してくれることもあるから頑張ってみてね。

①製造数量が決まったあと、または販売数量が決まったあと、規定の料率で計算して支払う後払い。基本後払いだけど、最初に一部を払っておく支払い方。
②年間販売計画に基づくロイヤリティの30%〜50%、または決まった金額(例えば¥100万←最低保証金という)をアドバンスとして支払っておき、その金額に達するまで、各タームの支払いはなくて、オーバーしたところから支払う方式。(アドバンスは返還されない)
③計画に基づく、初回ロイヤリティを生産に入る前に支払い、実際の初回実績に基づいてオーバー分を支払うが、計画より少ない生産数量でも、支払った分は返還されない。
④契約終了時に一括でロイヤリティを支払う後払い方式。(これは現在ではほとんどない)

②の最低保証金だけど、海外のライセンサー(特に米国)だと、¥100万が多いと思う。
交渉して下げようとしたこともあるけど「ロイヤリティで¥100万以上の商売しないで、やる意味ある?」って言われた。ああ、確かに!
ライセンサーにしてみれば、そのくらいの数字は契約やアプルーバル(監修)の手数料程度なんだろうね。

つづく


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