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キャラクターとライセンス <22>ライセンス取得担当

前回の続きです。

企業内ライセンス取得担当としての心構え。
な〜んて、本のうたい文句みたいなこと、書くよ。
読者さんは企業の中の人かな?それとも学生さん?
私が長年、企業の担当としてライセンス取得した経験から、いくつか気になることをアドバイスしますね。

エンタテインメント系の企業で、プライズ(クレーンゲームの景品)用に版権を扱った経験からなので、その他のライセンシーとは少し違うかもしれないけど。

まず、企業の中でいちばん大切なのは、チーム内のコミュニケーションを常に、ちゃんと取っておくこと。これはこの業種でなくても当たり前のことなので、「結果さえ出せばいい」とマイペースで猪突猛進や、スケジュール無視な行動は、当然だめだよ。
あなたが「今うまく行っていないなぁ」と感じるとき、それができていないことが多い。
でも「うまく行っている」と感じているなら、(コミュニケーション)できていることさえ忘れているので、かえってこの先不安だね。
コミュニケーションうまく取りたいと思っている人はこちらも読んでね。

チーム以外のメンバーとも、コミュニケーション大事だよ。
前職の会社では、版権取得は企画課が担当してた。企画課は、プランニング(商品企画)担当や、生産管理(商品製造まわり)担当、営業担当、管理部門(ロイヤリティ管理)などと、時には経営のあたりまで関係しているから、ほぼ、誰でもコミュニケーションが必要だった。

プランニング担当とは、扱うキャラクターのライセンサーの好み(アプルーバル)やアセット(使っていいキャラクターなどの要素集)、契約に書かれたルールなども伝えなくてはならないし、進捗も気にしておかなければならない。
特にアプルーバル(承認)作業にはライセンサーへ同行していろいろフォローも必要だよ。

生産管理部門とは、キャラクター商品がいつ生産開始で、プリプロダクション(初回生産品で、これを提出して本生産の承認をもらう)がいつ出来上がるかなどのスケジュールを確認し合う必要があるんだ。

営業部門は、直接バイヤーにキャラクターのプライズを買ってもらう、最前線。
キャラクターの特徴や、ターゲットを間違いなく伝えて、営業トークに使ってもらわなきゃならない。よく、「このキャラ有名なの?」「アニメのキャラ?コミックのキャラ?」とか聞いてくるけど、営業は自分でも調べなきゃね。(自分の言葉じゃないとバイヤーに信頼されない)

管理部門にはとてもお世話になるよ。
ロイヤリティ計算や、ライセンサーへの報告などお願いすることばかりなので、よいコミュニケーションを取らないと、ライセンサーとの関係も悪くなりかねない。

時々ライセンサーや業界関係組織のパーティーなどで、キャラクターへの出資や会社買収のお伺いなど、経営の役員でないと判断できないことが飛び込んでくる。
そんなときには、仲の良い役員から話を持っていくことが多いんだよね。

一度、エバグリーンキャラ(ムーミン、ミッフィーなどの流行に左右されないキャラのこと)のテーマパークへの出資話をもらったことがあるけど、お断りして残念だった。行使していたら今はそのキャラでずいぶん稼げたのになぁ。(破格のオファーだったので受けないはずはないと思ってたのに・・)

こういうように、ライセンス担当はいろいろな部署と、密接に関わってくるから、普段から(←ここ強調)コミュニケーションをうまく取っておくことが必要なんです。

そして、選択眼
キャラクターが自社の強みにあっているかどうか、自社の強みを強化できるかどうかというキャラクターを見る眼も、とても大事だ。
キャラクターは玉石混淆(ぎょくせきこんこう)。
良い選択眼を磨きましょう。それには商品企画の知識と生産関連の知識(素材や加工方法)を好奇心を持って、その担当者と仲良くなるのが近道です。

また、計算もできなきゃだめだよ。
取得しようとしているキャラの、契約する際に支払わなきゃならない、ミニマムギャランティーが、考えられる商品展開の規模で、いつ消化できるかどうか。
100万円のMGの場合、支払いロイヤリティで100万円を達成することをリクープと言うんだけど、契約期間内にリクープできなきゃ、余計なロイヤリティを支払うこととなり、その金額が利益より大きいと赤字となる。
それを回避するためには、このキャラのMGはいくら? 何を作ればどれだけ売れる? その時の利益は? ロイヤリティ金額は? って考えなきゃだめなんだよ!
だから計算も必要。

まだあるよ。よい企画書の作り方。
企画書の作り方が上手ければ、ライセンサーへキャラ取得時のコンペなどのとき有利で、キャラ取得にアドバンテージが生まれる。
また、企画書づくりが上手ければ、社内の会議などで自分の思いが伝わる。
営業と同行してバイヤーに会うときに、武器になる・・などメリットが沢山あるんだ。

それと、ここにも書いたけど、起きているときは常にキャラクター関連(以外も)情報を受け付ける癖を(習慣を)つけなきゃ務まらないよ。
詳しくはリンク読んでね。

まだあると思うけど、つづく


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